奥鬼怒温泉郷「日光澤温泉」「加仁湯」(立ち寄り)
 
訪問日:2012/5/6,7、2014/5/25
 
 
関東最後の秘湯といわれる奥鬼怒四湯、近年はTVや旅行誌などに頻繁に採り上げられて温泉ファンなら誰もが知る存在になりました。

私が初回訪問時の1980年代初頭はまだきちんとした林道も電気も通じておらず、各旅館の物資は四駆で運搬し、水力発電施設のあった手白澤温泉以外は機械式の自家発電とランプに頼っているという状況で、アプローチももちろん徒歩に限られ客層も鬼怒沼などへの登山客が中心でした。
しかし奥鬼怒スーパー林道の開設工事によってこのエリアの環境が激変し、1986年には電気が通じて加仁湯(かにゆ)までバスによる送迎も可能に。
八丁の湯にはモダンなログハウスが、加仁湯には鉄筋の宿泊棟が相次いで二棟建設されました。
そして一番素朴だった手白澤温泉は完全に改築されてフレンチを供する宿に変身し、当時の面影をそのまま留めるのは登山客が中心の日光澤温泉のみとなってしまいました。
 
とはいうものの、これからご紹介する八丁の湯は昔ながらの宿泊棟や露天風呂がそのまま使用されており、往時の姿を偲ぶことができます。
 
八丁の湯は川治温泉から鬼怒川を遡る国道23号線の終点、女夫渕温泉から川沿いの遊歩道を約1時間半歩いた山間にあります。
また八丁の湯と加仁湯には送迎バスもあるので、どちらかにバスで行って宿泊し、温泉めぐりや鬼怒沼トレッキングに行くという方法もあります。
 
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八丁の湯送迎バス(女夫渕)
 
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八丁の湯への道
 
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八丁の湯への道にて
 
川沿いの遊歩道をあるいて心地良い汗をながすと、素朴な宿が見えてきます。
主な宿泊棟は山小屋らしいログハウスですが、こちらは畳敷きで年配者もリラックスして過ごせます。
また昔からの本館もリフォームされて湯治・登山者用に安価で提供されています。
 
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宿が見えてくる
 
イメージ 5昔ながらの本館
 
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上り口と帳場
 
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館内案内図
 
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ログハウス1
 
 
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ログハウス2
 
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ログハウス3
 
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ログハウスの部屋1
 
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ログハウスの部屋2

 

ログハウスの部屋から
 
こちらの目玉は何といっても湯滝を眼前に望む露天風呂でしょう。
二つの混浴層と女性専用がありますが、滝見の湯は圧巻です。
対岸には猿が現れて木の実を食べる姿が見られました。
男性用内湯は素朴なコンクリート造りが好ましく、女性用内湯は明るい露天風呂風です。
 
泉質は単純硫黄泉52度、湧出量毎分220リットル。
内湯と滝見の湯はぬる目、他はあつ目の設定で終日入浴可能です。
チェックインは12時なので、たっぷりと温泉を楽しむことができます。
ちなみにチェックアウトは9時になっていますが、10時まではOKということです。
 
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混浴露天風呂「雪見の湯」
 
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混浴露天風呂「滝見の湯」1
 
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混浴露天風呂「滝見の湯」2
 
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猿が餌を求めてやってくる
 
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女性用滝見露天風呂 
 
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男子用内湯
 
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女性用内湯
 
ランプ型電球に火が灯ると夕食の時間です。
広間で頂く食事は山の幸を中心にした素朴なメニューですが、山宿ということと値段を考えれば充分でしょう。
 
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ランプ型電球に火が灯る
 
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夕食膳
 
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天ぷらは揚げたてが供されます
 
露天風呂、夜はライトアップされて幻想的な景観を見ながら入浴を満喫できます。
 
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ライトアップされた露天風呂
 
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朝食膳
 
長い滞在時間を利用して近隣の三湯を訪問することも可能です。
まずは1キロ上流の日光澤温泉へ。
主に登山者が利用する同温泉は、今も素朴な佇まいを残していて鄙び宿ファンには最も好まれそうな宿でしょう。
男女別の内湯もありますが、立ち寄りは二つある露天風呂のみ利用できます。

泉質は二種類で、上段にある透明の湯がナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉42.9度、毎分39.2リットル湧出。
下段にある濁り湯が含硫黄-ナトリウムー塩化物泉40.4度、毎分10.9リットル湧出。
どちらもぬる目のお湯が掛け流しされています。
 
こちらでも対岸に猿の群れが出現して、入浴中目を楽しませてくれました。
一度宿泊してゆっくりと山の湯の風情を楽しみたいと思いました。
 
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日光澤温泉
 
イメージ 27日光澤温泉全景
 
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日光澤温泉露天風呂1
 
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日光澤温泉露天風呂2
 
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日光澤温泉露天風呂3
 
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日光澤温泉露天風呂4
 
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対岸に猿の姿が
 
そして帰り道に加仁湯へ。
鉄筋三階建ての外観はもはや「山のホテル」といった趣です。
しかし五本の源泉(うち四本は濁り湯)と多くの露天風呂を設置して深山の景色を見ながらのはしご湯が楽しめます。
各泉質は宿のHPを参照してください。

ただしこちらは送迎もあって設備も良いので団体客も多く、静かな山宿を好む向きにはちょと勝手が違うかもしれません。
 
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加仁湯1
 
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加仁湯2
 
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加仁湯露天風呂1
 
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加仁湯露天風呂2
 
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加仁湯露天風呂3
 
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加仁湯露天風呂4
 
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加仁湯露天風呂5
 
個性あふれる四つの宿を擁する奥鬼怒温泉郷、何軒か連泊してハイキングや温泉三昧を楽しむにはうってつけのエリアです。
 
 
(奥鬼怒温泉郷 了)