訪問日:2008-09-21,22
 
 
2011年公開された「大鹿村騒動記」(阪本順治監督・原田芳雄主演)でその名を知られるようになった長野県大鹿村。
そこには深山にもかかわらず強い塩分を含んだの温泉が存在します。
それが鹿塩温泉です。
 
前回ご紹介した南信の秘境・遠山郷からしらびそ峠・蛇洞林道経由して大鹿村へ。
大鹿村は遠山郷と同様アプローチの困難さから、未だに美しい自然と風俗を現代に残す秘境です。
「日本で最も美しい村」連合に加盟しています。
その風俗を代表するものに大鹿歌舞伎があり、現在も年二回公演されています。
 
さて、まずは立ち寄り入浴、小渋温泉の公営施設「赤石荘」に向かいます。
以前は現地より7キロほど奥に鄙びた三階建ての宿がありましたが、現在はそこをボーリングした豊富な源泉をこちらに引湯しています。
特筆すべきは露天風呂の展望の見事さ、いつまで入っていても飽きることがありません。
 
 
イメージ 1
小渋温泉「赤石荘」露天風呂1
 
イメージ 2
小渋温泉「赤石荘」露天風呂2
 
一風呂浴びた後は、南朝の歴史を刻む集落・上蔵(わぞ)を訪れます。
南北朝時代、醍醐天皇の第8皇子宗良親王が忠臣香坂高宗に迎えられて30余年この地に御座ましましたという由緒ある土地です。

平安様式の建築・福徳寺の優美な佇まい、隠れ里のような山間の集落の様子はいつ見ても心癒されます。
 
イメージ 3
南朝の歴史を残す上蔵(わぞ)集落1(小渋温泉「赤石荘」露天風呂から)
 
イメージ 4
南朝の歴史を残す上蔵(わぞ)集落2
 
イメージ 5
南朝の歴史を残す上蔵(わぞ)集落3
 
イメージ 6
上蔵(わぞ)集落・福徳寺
 
イメージ 7
鹿塩温泉への道
 
今夜の宿は鹿塩温泉「湯元 山塩館」です。
同温泉の三軒の宿はいずれも山間の渓谷沿いにあり、小規模で落ち着いた好ましい作りです。
今回は山宿らしい「塩湯荘」に宿泊したかったのですが、「秘湯スタンプ」の期限が迫っているので前回と同じ「山塩館」に宿泊しました。
 
イメージ 8
鹿塩温泉(下が塩湯荘、上が山塩館)
 
イメージ 9
山塩館・玄関
 
イメージ 10
ロビー
 
イメージ 11
部屋
 
イメージ 12
部屋からの眺め
 
イメージ 13
源泉から精製した山塩
 
風呂は8年前の訪問時とあまり変化はありませんが、浴場は一部改装されており、嬉しいことには源泉槽が設けられていました。

泉質は含硫黄-ナトリウム-塩化物冷鉱泉12~14度。
海水と同じ4パーセントの塩分を含む強食塩泉です。
何故こんな深山に食塩泉が湧出するのか不思議な話ですが、これは村を縦断する中央構造線に関係するということです。
 
イメージ 14
浴室1(手前は寝湯)
 
イメージ 15
浴室2
 
イメージ 16
塩分4パーセントの源泉槽
 
食事処で頂く夕食は、温泉から精製した塩を使用した郷土料理です。
辛さが少なく甘味を感じる山塩で頂くヤマメや天麩羅は、優しい味でついつい食が進みます。
 
イメージ 17
突き出し・前菜
 
イメージ 18
鯉の洗い・鯉の甘露煮
 
イメージ 19
鹿の叩きと米茄子田楽
 
イメージ 20
岩魚塩焼き(山塩使用)と喜久水生酒
 
イメージ 21
野菜天麩羅(手前は山塩)
 
イメージ 26
蕎麦と食事
 
イメージ 22
朝食膳(豆腐は「大鹿豆腐」)
 
イメージ 23
大鹿村にて
 
翌朝は「ゼロ磁場地帯」のある分杭峠を経由して桜の町・高遠へ向かいました。
 
 
イメージ 24
分杭峠の雲海1
 
イメージ 25
分杭峠の雲海2
 
(鹿塩温泉「湯元 山塩館」了」