訪問日:2008-10-22,23
 
 
米沢十湯の一つ大平温泉滝見屋旅館へ行ってきました。
有名な白布温泉の近く、天元台スキー場の真下の谷底に位置しますが、全く道が存在しないため(以前山道・沢道がありましたがそれも廃道だそうです)一度米沢まで降りてまた反対側の山道を登らなければなりません。
             
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大平温泉への林道1
 
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大平温泉への林道2 
 
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大平温泉への林道3・右上に霞んで見えるのは米沢市
 
しかしこの温泉のアプローチの厳しさは、山宿などは別として一般宿では屈指のものの一つでしょう。
まず宿の駐車場までの林道は一部ダートの急斜面・急カーヴの連続、しかも車幅ギリギリで待避所もほとんど無し。
4駆や小型車ならともかくホイールベースの長い車では曲がりきれない箇所が何箇所もあり、それも断崖を背負った急勾配とくる。
ましてや私みたいにフルサイズのアメリカンセダンで行くのはちょっと暴挙かも知れません。
姥湯の林道は全然苦になりませんでしたが、こちらは時折肝を冷しました。
まあそんな林道を30分登って駐車場(標高1200メートル)に車を停めると、今度は坂道を高低差約150メートル、約20分谷底に向かって徒歩で下らなくてはなりません。
それも30‰(1‰《パーミル》は100メートルで1メートルの勾配)以上は充分ありそうな急勾配です。
荷物は途中からリフトで降ろしてもらえるものの、普段歩かない年配者には相当ハードです。
 
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駐車場からは急坂を徒歩で下る

かなり息が切れて足がガクガクし始めた頃、やっと谷間に木々の間から宿の赤い屋根が見えて来てホッと一息。
そこから更に階段を下り、深い渓谷に架かった吊り橋を渡ると大平温泉の一軒宿に到着です。
 
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宿の屋根が見えて来る
 
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荷物はリフトで
 
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吊り橋を渡ればやっと宿に到着   
 
しかしこの宿のロケーションの素晴らしさはどうでしょう。
最上川の源流という火焔(かえん)の滝を中腹に有する断崖絶壁を背負い、谷川を挟んでやはり急峻な絶壁に囲まれた狭間に建つ、正に深山幽谷の秘境の宿です。
こちらは初訪問ですが、よくまあこんな所に宿を建てたものだと感心するばかり。
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絶壁の下に建つ宿1
              
イメージ 9        絶壁の下に建つ宿2  
     
20年前に改装したという建物は現代風ながら無理なく好感が持てます。
窓からは紅葉の渓谷が望まれ、部屋も清掃が行き届いており、旅の疲れを癒してくれます。
                                 
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部屋 
 
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部屋からの景色1
 
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部屋からの景色2(最上川源流の碑)
               
こちらのハイライトはやはり露天風呂でしょう。
川に沿って造られた4つの風呂は自然石を組んだもので、いずれからも前述した豪快な景色が手に取るように見渡せます。
泉質は含石膏硫化水素泉 源泉63度、毎分780リットルの豊富な湯量を誇ります。
良質の温泉に浸かって紅葉の深山の景色を眺めていると、時折突風に煽られて落葉がハラハラと舞って来る。
もう険しかったアプローチもすっかり忘れてこの素晴らしい温泉を満喫するばかりです。
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男性用露天風呂1
 
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男性用露天風呂2
                                     
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女性用露天風呂

 
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          貸切露天風呂           
                    
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男性用内風呂
 
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男性用内風呂から見える「火焔の滝」
 
食事は広間で頂きます。
山宿とは思えない中々凝った盛り付けの前菜、岩魚の塩焼きや芋煮鍋を中心にしたもので、お隣の人懐っこい米沢のご夫婦との会話も弾み、ついついお酒が進んでしまいました。
                                            
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夕食膳 
 
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前菜(鯉の洗い・蒟蒻玉など)
小鉢(ナメコ卸し、松茸の和え物)
 
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岩魚塩焼き・身欠き鰊と会津麩の煮物
                                       
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岩魚のマリネ、山女真丈
                                     
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山女刺身
                                          
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芋煮鍋
                                      
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朝食
           
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宿に別れを告げて
 
帰り道を考慮して朝は早めに出発、急坂を喘ぎながら登りきって一休み。
林道を景色を楽しみながらゆっくりと下って米沢に向かいました。
 
 
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 (「大平温泉滝見屋」了)