自分のこと、好きですか?

 

 

無条件で好きですか?

条件付きで好きですか?

 

わたしはなかなか無条件で好きになれなかった。

 

何かができるから、そんな自分が好き。

頑張ったから、好き。

褒められたから、好き。

 

メイクが上手く行ったから、好き。

髪型が決まったから、好き。

 

そんな薄っぺらな「好き」でぎりぎり自分を保っていたのかもしれない。

 

 

いまはかなり、自分を好きになってきているのだけれど、それでもまだ昔の癖はあるんよね。

 

内面的なことで言えば

 

何もできない自分も好き。

だめな自分も悪くない。

ゲスくて腹黒い自分も許しているし、

かっこ悪い自分も愛してる。

 

そんなわたしでも

外見的な部分をまだ許せてないなぁと感じている。

 

 

抗癌剤の副作用がすすんで、

髪が薄くなって、髪がよく落ちるからキャップが手放せない。

 

女性としての尊厳をキープするのに必要な最低限な

女性の象徴である髪を失い、

 

当初想像していたよりも、それ以上の精神的ダメージを否めない・・・

 

 

 

鏡に映るわたしは、

飾り気がないばかりか、

 

艶もなく荒れた肌。

おしゃれとは無縁の姿でこちらを見ている。

 

こんなわたしを忌み嫌う人もいるのではないかとふと怖くなる。

 

 

 

 

ただ、一つの救いとして今のわたしはそれがまやかしであることも知っている。

 

 

そこで、

 

 

わたしは愛すことにした。

これまでの外見ではないわたし自身を。

 

ここまできたら、もう逃げられない。

究極にそのままのこの肉体を愛すしか無いと。

 

自分が「醜い」と目を背けてしまったら、

一番近くにいる自分が「醜い」と吐いてしまったら、

あんまりではないか。

 

わたしは生きる気力を失くすほどに悲しむことになる。

 

どんな姿でも「醜い」のではなく、

 


生きていることが尊くて、美しいに決まっているのだ。

 

 

今が、真の意味でわたしという存在を、

そのままの存在を、

 

愛するチャンスなのかもしれないと思う。

 

 

そんなことを思いついて、

空っぽになりそうだった心に、希望の滴がたまり始めた。

 

少しずつ、少しずつ、

 

これから出会う、このわたしを愛していくのだ。

 

この肉体と魂をもっともっと好きになろう。

 

 

今夜も、あなたが安心して愛の中で眠れますように・・・

***しず華***