映画を教える学校 | オヤジカメラマンのブログ

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若い時は京都太秦の撮影所、木枯らし紋次郎、座頭市、必殺仕事人、暴れん坊将軍など撮影助手として、30でCMキャメラマンとして主に大阪で…今迄観た映画など思った事をぼちぼち書きます。

12年が経つ!何が?
僕が初めて大学の講義を持って…

初は京都造形芸術大学非常勤講師‼️

知り合いのキャメラマン(撮影監督)が僕をスカウトに〜というと聴こえてがいいが…

当時デジタルでの映画撮影が始まった頃から数年
ソニーF900(シネアルタ)、バリカムが当たり前のように使われ始め、民生機と業務用の間に生まれたsonyPD150やPanasonicDVX100がプロの仕事にも使われて始めた。
 
そんな時、東京に"DV-workshop-DU"
Panasonicが一般ユーザーにもデジタル映像を理解してもらい、DVミニテープでもプロに負けない作品がつくれる。それをプロのキャメラマンや監督が指導するワークショップを行う場所の提供を始めた。

そしてそこへフィルム中心で仕事をしていたが、いち早くデジタルに触手を伸ばしたキャメラマン達が集まった。

僕もその一人である。日本映画撮影監督協会、JSCが東京でシネアルタのテストをしそれを是非に関西でも…師匠の
森田富士郎撮影監督が
動いてくれはった。京都松竹撮影所、イマジカ大阪の協力のもとテストを行いました。
16mmフイルムとの比較など…

デジタルの奥の深さを知り、Panasonicさんからの大阪にもDUをとの申し出を受け事務所を開設しました。それが私の会社の前身です。

そんなこんなで仲間の小川真司撮影監督が来られ大学の授業を手伝ってくれないかと… 

小川先生は大変真面目でデジタルの事も勉強されています。

僕と小川先生は1回生を半々で持ちました。シラバスは小川先生の書かれてものでした。

先ずは光の基本を教え、キャメラの扱いを教え実習へと導いて行く授業でした。

1週間に金曜日だけ…しばらくするとその日が待ち遠しいとさえ思える。学生に教える…自分が覚え切れないと教える事など出来ない、なので日進月歩のデジタルを必死で追いかけ勉強しそれをフィードバックして行くそんな感じでした。

その後小川先生がお辞めになり、パートタイム的に准教授をし、他の大学や専門学校、中高学校へも講義をしにいきました。

新たな事を覚えようとする学生達の眼差しに応える為、私も新たな事を勉強出来るからです。

この喜びは決して忘れる事は無い、60半ばになっても新たな発見はいっぱいあります。つい最近も三角関数や二次関数をもう一度頭に叩き込みました。相似、平方根など昔習ったことのあるのも関連で復習…

こんなの今になって必要なんだなぁと、教える事は自分自身が充分に解り切り、それをかみ砕いて優しい言葉で伝え大枠を理解して貰う。

先生ってほんとに面白い職業だとつくづく思います。私達の技術パートは本当に早いテンポで進んでいます。

映画撮影技術全般では色んな人の名前が残されています。特にカメラ撮影、映写ではルミエール兄弟、ディクソン、フィルムのイーストマンやエジソン、映画創生期の凄い人達、電子映像とフィルムの共有技術シネオンファイル、その後技術革新は凄まじく歴史に名前が出ないが後世ではルミエールに匹敵するKodak、SONY、Panasonicの技術者達、今のデジタルシネマには欠かせないDLPの開発者達。

私も含め映画撮影技術を教える先生達も凄い幅の技術を勉強し、生徒達に伝えないといけない。

勿論基本的なものだけど…

映画がフィルムで撮影、上映されていた時代、小学校の授業でした日光写真、これを考えれば映画フィルムの基礎知識は完成する。写真機とフィルムを見れば映画撮影キャメラの構造も想像できる。布に色がつく、版画を見る作るを想像すればフィルムに光が通り、そこに画像が現れ現像され映像が作られるのも想像できる。

そんなフィルムが反転され(ネガからポジ)見える映像に成る事も想像できる。

そのフィルムが光とレンズによって投影される事も想像できる。

映画が私達の身近に上映されていた時代、殆ど専門職だけではない一般の方々にも映画の構像的な事は理解されていたと思う。

映画学校で教える事はこれを使っていかに人に創造したものを伝えるかの教育が主だったと思う。

我々撮影技術者より監督さん達が重要だったと思う。

今のデジタル時代、ボタンを押せば写る器械が殆ど、カメラマン、照明、DIT、グレーダー、その人達で映像が仕上がっていく。

勿論アナログのフィルム時代、
撮影監督、色彩計測、照明技師、タイミング、現像場、オプチカル、プリント、
これだけ現場と人が関わる。

同じように分業体制だが、先ずアナログでは全てに撮影監督が関与する。

撮影監督、西洋では照明設計とそれをフィルムに定着させる事が先ず必須である。化学から光学そして物理学も必要であった。

日本では照明と分業になっているが、撮影監督がその主導的立場をとらなければならない…

しかし実際の現場で照明技師が光や雰囲気を全て作り出している場合も少なからず存在している。

カメラマンに求められるのは上手いオペレート…

いつからか特にデジタルになり、それが顕著になっている。

映画学校の先生達、学生に本当に教える事があるのか?

ボタンを押すと写る。映像を小さな時から当たり前のように見て、ゲームに於いては既に60f/秒以上の速さで見る事の出来る若者達…

彼らにイマジナリーライン、動きの一致、目線などの基本は最早必要無いのかも知れない…

最近、インディーズの映画…メジャーと呼ばれる映画との垣根は大変低いカメ止めの例は特殊だとしても、映画に何を求めるか?は明らかに変わっている。

表面的に面白ければ大ヒット?
そうでもない、本当に面白い?
を考えてみるとカメドメは僕にとっては面白く無かった。
三度見たが何が観客を喜ばしているのか?
色んな評論家がカメドメを評論し褒めて、貶して、でもどれも的を射ていないような気がする。

映画は多角的な方向性で観られてる。
ゲーマー的な要素、人情的な要素、そしてアクション、技術的にそれらをひっくるめて考えていかなければならない…

映画を教える学校…

映画がしたいからこの学校へ?
何もする事が見つからない、面白そうだから…
僕が遭遇した学生の⅔はそうだった。
よくそれを批判する先生がいてるのだが…

でも当たり前、経済学部の学生、皆がエコノミストになるため?

法学部の学生が皆、弁護士や司法書士、裁判官、検事…一握りの偏差値の高い学生のみ…

しかし医学部、歯学部、薬学部、獣医学部の学生達はその方面へ進む者が多数いる。

映画を教える学校…娯楽の王様、映画
娯楽なのだから教えなくてもいいけど…ね。

映画を教える学校の先生…どうせ娯楽だから教えなくてもいい…その期間が楽しく過ぎさせてあげれば…

そうかも知れない…