【十字架】重松清
夫に勧められて読んだ小説。
「昔だったらあまり心に刺さらなかったかもしれないけど、親になったからこの小説が、グッと心に響くんだよ」
そんな感想に誘われて、私も読んでみた。
昨日やっと読み終わった←小説読むの遅い…汗
あらすじを言うと、学校のいじめの問題を小説にしたものです。重松さんがある番組で息子をいじめで亡くした人を取材して、書かずにはいられなかったという小説です。あとがきに書いてありました。
いじめで自殺した『フジシュン』が残した遺書には、「僕は生贄になりました」と言う文言に続きいじめた2人の首謀者と、親友と呼ばれる人と、好きだった人の名前が残っていた。
その中の親友と呼ばれる主人公目線で描かれた小説だ。
自殺で息子を亡くした親の苦悩が描かれている。
なんていうか、読んでいて心が締め付けられた。
何回も呼吸が止まるくらい苦しくなり、涙が目の中いっぱいになって字が読めなくなりました。
小説の中で、フジシュンは図書室にあるヨーロッパの旅の本の中のスコーグルスシュルコゴーデン〜森の墓地〜を旅の最終目的地に記していました。
フジシュンはどんな気持ちで最終目的地にそこを記したのか…今もわからないまま、私の心を揺さぶります。
いじめた人を許したかったのか?見て見ぬ振りをした人を許したかったのか?両親を許したかったのか?家族に許されたかったのか?それとも命を断つことを許されたかったのか?怒りを全て捨てたかったのか?心が救われたかったのか?死ぬことで心は本当に救われたのか?
小説だとは分かっていても、実際にこういうことはあるんだろうなと。そして親として子供にどう接していったらいいのだろうと考えさせられました。
気になった人は是非読んでみて欲しいです。
※画像は、yahoo!の画像検索から引用させていただきました。