50代からの生前整理

 

 

生前整理コンサルタントのなぐらしゅうこです。

ご覧いただきありがとうございます。

 

私の母は現在86歳です。

アルツハイマー型認知症と診断されたのが8年ほど前。

 

発症のきっかけは、家の中での転倒です。

 

ある朝、何かにつまづいて転んでしまい

しばらく意識を失っていたようです。

 

当時母は一人暮らしをしていましたが、たまたまその日は

私の姉と弟が訪ねることになっていたので

早く発見されました。

 

弟がチャイムを押しても出てこないので

裏へ回って家の中を見ると

寝室で倒れていたそうです。

 

意識が戻った時、弟の顔を見て

「どちらさんですか?」と

言ったそうです。

 

 

転んだ時に、頭の中の何かの回路が切れてしまったのですね。

そこからは、認知症の症状が急速に進んでいきました。

 

しばらくは病院でお世話になりましたが

ずっと置いてもらうこともできず

 

かといって家で面倒見ることもできず

 

ショートステイなどを利用して日数を稼ぎながら

施設の空きを待ちました。

 

幸い特養に入ることができ、今は穏やかに生活しています。

コロナ禍でここ3年ほど会えていませんでしたが

今年は面会に行けそうです。

 

もう私たちの顔も忘れていますし、施設のイベントなどにも

全く興味は示しません。

 

平たく言えば、ただ生きているだけの状態です。

喜怒哀楽の感情もほぼないようです。

 

 

母は長年一人暮らしでしたが、家の中は

いつもきれいにしていました。

持ち物も自分である程度処分していましたので

その点は本当に助かっています。

 

それでも何人分もの布団やたくさんの衣類などあるので

母の死後はすべて廃棄することになるでしょう。

 

若いころから洋服が大好きな母でしたが

施設に入るときに持ち込めたのは

数日分の下着と普段着くらいで、段ボール一つ分程度です。

 

使う人がいなくなった物たちは、全て役割を終えます。

誰かの手に渡れば、またそれは再び息を吹き返しますが

そうでないものは…

 

物はやはり、持ち主の責任において

その行き場所を決めておかなくてはいけないなと

思います。

 

 

住む人が戻ることはない、空き家になった母の家。

いずれ処分することになりますが

今はただ、荒れ果てていくのを

横目に見ているしかありません。