昨日、古典を読もうと思った話を書きました。
そのきっかけとなった読書論に関する寄稿文では、さらに、本当の古典、日本の古文も面白さについても書かれていました。
学校の授業で抜粋をかじるのではなく、全文を読み通すことでより理解が深まるということでした。
現代語で古典を味わうことのできる文庫があると知りました。
https://www.kotensinyaku.jp/about/
私は、中高生時代、文学少女のような先生の授業がおもしろく、また「あさきゆめみし」の漫画やNHKの番組で超現代語訳の「枕草子」などを見て、古文は好きな科目でした。でも、受験勉強が終わったらすっかり離れていました。
じゃあ、さっそく読んでみようと図書館で借りたのが「方丈記」。
いきなり渋い、おじさん文学。以前、養老孟司と隈研吾の対談で話題になっていたので気になっていました。
大人になった今だからこそわかるかも。
鴨長明が四畳半ほどの簡素な庵での暮らしぶりを書いた随筆で、「枕草子」「徒然草と」並ぶ三大随筆のひとつです。
鴨長明は、「発心集」、「無名抄」を書いたことでも知られ、新古今和歌集に十首収録されている歌人でもあります。
「ゆく河の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたは かつ消えかつ結びて 久しくとどまりたるためしなし。」
この世は無常。同感です。
「龍樹菩薩のたまいけることあり。
富めりといへども、願ふ心やまねば、貧しき人とす。
貧しけれども、求むることなければ、富めりとす。」
これって、よく今も聞く話です。
こんな昔から書いてあったのねー。
また付録の「発心集」の抜粋でも、
「臂をかがめて枕とす。楽しみその中にあり。
何によりてさらに浮雲の栄華を求めん。」
今の私の家は都心から離れていて交通の便も悪く、不便だなぁ、と最初は思っていましたが、すっかりこの生活が気に入ってきた私の心境になんか合う。
さっそく一冊目から古典を堪能しました。