東京都、大規模建築物の固定資産税評価に新手法を要望 | 週刊住宅ブログ

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 大規模建築物の固定資産税評価の新たな方法を検討してきた東京都は、取得価額(工事原価)を活用する評価法(以下、取得価額活用方式)をとりまとめ、国(総務省)に評価基準の改正を要望した。今後、国の検討を後押ししながら、2021年度からの評価方法見直しを目指す。

 現在は、建物に使用している資材の価格を、主体構造部、基礎、屋根、外壁、建築設備などの部分ごとに積み上げて部分別に算定する再建築価格方式を採用。複雑な方法のため、評価額の試算や検証が難しく納税者に分かりにくい上に、竣工から評価完了まで2年近くかかるなどの課題が表面化した。

 昨年4月に設置した検討会は、評価作業全体のうち6割強を占める建築設備を取得価額活用方式で評価し、主体構造部や屋根、外壁などは再建築価格方式で算出することが、最も有効であると結論した。

 取得価額活用方式では、工事原価に調整率と時点修正率を乗じた値を再建築費相当点数とする。工事原価は、利潤を除いた資材費と労務費を想定。見積書から計算できるため、作業を大幅に削減でき、検証もしやすくなる。

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