仕事にがむしゃらになれない。

もちろん、やるべきことはやっている。けど、やりがいはない。お金だけ貯まる。

僕がこれまでやりがいを感じたことは2つ、演劇と研究。ただ、お金にならない。

僕は大学で認知心理学を専攻していた。記憶の曖昧さについて。
記憶はとても不確かで、ストレスや誤導情報、言語化など些細なことで書き換えられる。

僕は記憶をとても大切にしている。

新しい環境に身を置くと、その前にいた環境の人との繋がりをすぐに絶ってしまう性格。その分、もう会わないその人たちの記憶が大切なのだ。
「おおい。はるかぜ、ここだよ。」の読み方が凄く上手かった小学校の同級生の川島さん。中学校の部活でハコネ山を何往復もしてふらふらな中、側転しながら走り出した笹岡くん。
会うこともないであろうこれまでの同級生たち。

だから、彼らの記憶がとても不確かなものだという事実に僕はとても興味を持った。

記憶の研究は、実験と統計の繰り返しだ。何日間も研究室に泊まったこともあった。全くもって楽しかった。
また、記憶の研究には社会的意義がある。法的場面での記憶の曖昧さによる冤罪を防ぐことができるのだ。1974年に起きた甲山事件は記憶の改ざんによる冤罪だった。1990年代のアメリカではカウンセラーによる記憶の改ざん事件が頻発した。カウンセラーによって虚偽の虐待の記憶を思い出して、家族を訴えた人もいる。
学べば学ぶほど、とても面白かった。

だけど僕は就職した。




もっと心理学を学びたい。記憶の研究をしたい。臨床心理士の資格が取りたいし、法務技官にもなりたい。
働けば働くほど、その思いが強くなる。

だから24歳サラリーマン、大学院へ走り出す。再度学問の道へ。大学院に行きたい。

まずやるべきは
①修士2年分の学費と生活費を稼ぐ。
②院試のために心理英語を学ぶ。
③研究に必要な論文を読む。
幸いなことに、彼女が大学院生だ。分野は違うが、アドバイスをもらえる。
毎週進捗をここに書き記そう。あとのことは後で考えよう。

とりあえず、走り出そう。