言の葉
言の葉は
口に籠りて
雲隠れ
鶴に獅噛て
声と弾ける
コトノハハ
クチニコモリテ
クモガクレ
ツルニシガミテ
コエノハジケル
僕は、
最近外国語の勉強に凝っている。
最近ベトナム
語の勉強に凝っている。
最近フランス
語の勉強に凝っている。
最近韓国語
の勉強に凝っていて、
最近英語
の勉強に凝っている。
月曜日水曜日はフランス
語の勉強で、
火曜日と土曜日は韓国
語の勉強で、
水曜日と日曜日は英語
の勉強で、
金曜日と毎日の夕方はベトナム
語の勉強である。
ただし英語は腐れ縁だ。
ペラペラもベルリッツも無い。
ただひたすらに単語数を伸ばすのみである。
ベトナム語はベトナム人の職員が居て、
彼のベトナム語を密かに剽窃し、
そろそろ始めて2年が経つがペラペラとせず、
そろそろ2年が経つが芥川龍之介の様に、
クオック、バッグ、チャックと、
自在に声調を操る迄には程遠い。
他の言葉は始めて10カ月ほどであろうか?
いわゆるマルチリンガルを
目指しているのでは無く、
いわゆる〜語ペラペラを目指しているのではない。
僕は言葉そのものが好きなのだ。
僕はフレーズの玉手箱を開けるのが好きなのだ。
僕はそれを懐に忍ばせ、
僕はそれを軟口蓋に忍ばせ、
会う人会う人に散りばめるのが好きなのだ。
それが何よりの幸せなのだ。
僕が喋れる言語の中で、
実用性があるのはタイ語と日本語だけである。
僕の感想を言えば、
ベトナム語は全ての表現が声調で制御され、
嚔までその抑制の範囲内だ。
ただこの国には漢越語があり、
言語の7割が漢字に由来する為、
日本語の表現に近似した物があり、
これがせめてもの救いだ。
辞書が引きやすいのも救いだ。
50を過ぎて改めて、
漢字の練習をすると思えば良い。
フランス語は、
あらゆる表現に、
呼び掛ける様な訴求力があり、
突然後ろから指差されるようなオペラがあり、
その音響は限りなく優美で、
限りなく意表を突き、
ある時は舌足らず、
ある時は雄弁だ。
だが重要なのは、
この言語が音楽の言語だという事だ。
その文法は鍵盤で、
決して文法の横着を許さない。
これはドレミファソラシドしか知らない、
ヤマハ音楽教室の落ちこぼれにとって、
非常の苦痛だ。
ドの次がラで、
ラの次がレであることを、
何の理屈も無く受け入れなければならない。
永遠の暗唱をしなくてはならない。
エレガントだけがフランス語
では無く、
アンコ、
ボク、
オンタ、
にも裏切られなければならない。
それがこの言語の魅力だ。
韓国語は、
やはりこれは隣国だけあって、
自分の耳にはすんなりと馴染む。
しかもそれでいてこの言語は、
程よく外国語であり、
程よくアジアであり、
程よく町の屋台の
程よくパラレルワールドだ。
병렬 세계である。Byeonglyeol segyeだ。
あなたがある日突然ソウルの街角に放置された時、
そこは降りるバス停を間違えたのだと思うだろう。
だから韓国語はすんなりと頭に入ってくる。
違和感がすんなりとしている。
まずはハングルを書くことから、
勉強する事をお勧めする。
残念ながら僕は、
安倍総理の反韓の無明に誘惑され、
娘に韓流を禁止して、
韓国に行かなかったのは、
返す返す馬鹿だった。
어리석은だった。
焼肉だけで済ませてしまった。
マッコリで済ませてしまった。
そして英語は、
日本人には最も取っ付きやすい言語だが、
一見あまりにも目新しい表現が無く、
一見簡単に見えるのだが、
簡単な熟語にこそ落とし穴があり、
勉強をしている気がしない。
文法がいい加減な英語しか喋って来なかったが、
今は誰にも邪魔されず、
見栄も品も被りも要らない、
恥じまるだしで英語が勉強出来る。
嗚呼、全てを学ぶのに、
1週間は余りにも短い。
新しいフレーズを口に入れると、
僕はこれを口の中で馴染ませ、
何度も何度も反芻する。
そしてその言語を知っている友を見つけると、
厚顔の無恥も気にせず、
そのフレーズを披露する。
そのフレーズを披露出来ないと、
僕はそれを、
源氏の雲に隠して、
折り鶴に載せて、
お年寄りにばら撒く事を思いついた。
それは何という愉快な試みであろう!
以上
ひょう‐せつ〔ヘウ‐〕【×剽窃】
[名](スル)他人の作品や論文を盗んで、自分のものとして発表
しがみ‐つ・く
- 〘 自動詞 カ行五(四) 〙
- ① しっかりと取りつく。力をこめてすがりつく。
- ② ある物事から離れまいとする。また、手に入れた地位などを放すま
いとする。 - [初出の実例]「まだ凍らない人々は、ラジオにしがみつき」(出
典:詩人の生涯(ラジオ・ドラマ)( 1959)〈安部公房〉)
- [初出の実例]「まだ凍らない人々は、ラジオにしがみつき」(出
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
河童
『河童』(かっぱ)は、芥川龍之介が1927年(昭和2年)
河童
作者
芥川龍之介
国
日本
言語
日本語
ジャンル
短編小説
発表形態
雑誌掲載
初出情報
初出
『改造』1927年3月号
刊本情報
収録
『芥川龍之介全集 第4巻』 岩波書店 1927年
『大導寺信輔の半生』 岩波書店 1930年1月
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当時の日本社会、あるいは人間社会を痛烈に風刺、
副題には「どうか Kappa と発音して下さい。」と、題名(河童)の発音についての指定があ
上高地の河童橋は本作以前に存在しており、むしろ「河童」









