新世界

 

❺歩けども

❼歩けども規矩

❺額縁の

❽認知には見える

❻新しき絵

 

❺アルケドモ

❼アルケドモキク

❺ガクブチノ

❽ニンチニハミエル

❻アタラシキエ

 

この施設の人の中には、

認知によって、

一歩自分の部屋を出たら、

自分の部屋に帰れない人が大勢いる。

一人ではトイレにも行けない人が大勢いる。

誰かが付いていないと

部屋を出れない人が大勢いる。

彼らにそれ以外の障害は何も無い。

彼らがこの施設にいる理由もそれだけだ。

施設の廊下は額縁の様に成っていて

ただ歩けば周り回って自分の部屋に、

着くにも関わらずである。

 

僕は考える。

僕は皮肉では無く明日はわが身かと考える。

この縦50m横30mの建物の規矩は、

或いは彼等にとって別世界が見えるのではないだろうかと。

彼らが毎日見る廊下は別の廊下ではないか?

彼らが毎日見る公園は別の公園ではないか?

彼らが毎日見る隣人の僕は別の僕ではないか?

と。

それならそれで引きづる悩みなど、

何も無いのではないか?

と。

 

き‐く【規矩】

1 〘 名詞 〙

2 ① コンパスとさしがね。転じて、寸法や形。

1 [初出の実例]「規矩は、円する者は分廻しするぞ。四方にするは金ぞ」(出典:清原国賢書写本荘子抄(1530)三)

3 ② 動作などが規則正しく行なわれること。

1 [初出の実例]「博帯繞レ身。規矩之歩継レ踵」(出典:本朝文粋(1060頃)三・弁耆儒〈大江挙周〉)

4 ③ ( ━する ) 規準とするもの。規則、手本など。また、規準とすること。

1 [初出の実例]「羣豪時有二退蔵一。五色即垂二規矩一」(出典:本朝文粋(1060頃)一・視雲知隠賦〈大江以言〉)

2 「持戒梵行は、すなはち禅門の規矩なり、仏祖の家風なり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)弁道話)

5 ④ =きわり(木割)

※※※※※

吾亦紅

 

❺機転利き  

❼手際卒無き

❻良き要領

❾抜け目抜かり無き

❽人徳カリスマ

❼立ち回る君

❼許される人

❽曖昧模糊なる

❽吾亦紅あらな

 

❺キテンキキ

❼テギワソツナキ

❻ヨキヨウリョウ

❾ヌカリヌケメナキ

❽ジントクカリスマ

❼タチマワルキミ

❼ユルサレルヒト

❽アイマイモコ

❽ワレモコウアラナ

 

ああ

あの人の様になりたい

あの人の人に対する姿勢を見習いたい。

あんな風に気をきかせて、

あいての考えていることに素早く察知し、

あぶない目にあっても上手く対処し、

あの眼と耳は何事にも敏捷で、

あのカリスマの如く振る舞いたい。

鎧(あぶみ)の様に自分を汚さず傷つけず、

相手構わず許される。

こんな人に、

自分はなりたい。

自分はなれない。

自分はなりたくない。

なろうとしても不器用なので無理だとは思うが、

こうゆう人には憧れるが、

こんな人に、

自分はなりたくない。

曖昧模糊の中にこそ、

真実があるから。

 

あら-な 【有らな】

「分類連語

ありたい。あってほしい。

出典万葉集 三四九

「この世なる間(ま)は楽しくをあらな」

[訳] 生きている間は楽しくあってほしい。

なりたち

ラ変動詞「あり」の未然形+願望の終助詞「な」」

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形容動詞

曖昧 模糊(あいまいもこ)

  1. 物事本質実態が、ぼんやりとしてはっきりしない様子不明瞭なさま。曖昧模糊同義。Wikipedia

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