2024/8/14

117 右半身初期健康詩集②

③シーツの山並み

④ティッシュとアルコールシートと尿瓶の蓋

くれぐれもこの投稿はノンフィクション

 

③シーツの山並み

 

ここはその佇まいは病院だ。

だから、介助の人が、

置き捨てたベッドの整頓掃除をする。

この間まで僕は障害者なのに、

何でも自分で出来ることを鼻にかけて、

そのままにしていた。

いや、触るぐらいに少しは綺麗にしてみたが、

障害者なのをいいことに、

いい加減だった。

 

ベッドはパラマウントの可動ベッドで、

全体の高さ、

足の高さ、

頭の高さが変わる。

幅は1メートルと少し。

車椅子に乗って手を伸ばせば、

僅かに対辺に手が届かない。

ベッドの高さは障害者になった頃から、

63cmで変わらない。

このベッドより僅かに大きな掛布団とタオルとシーツを、

整理整頓している。

 

本当はこれを四角く折りたかったのだが、

まずは最初のステップ。

せめて掛布団とタオルを寝袋の様に丸く畳んで見た。

せめて掛布団をタオルでくるんで、

丸く畳んで見た。

 

ここ1カ月くらい毎日やっているが、

そのタオルに包まれた掛布団は、

丸くピンクの砂糖菓子みたいで、

ちょっとだけ誇らしい。

砂糖菓子は押せば押すほど、

いくらでもベッドの縁に寄って行くが、

最近思ったのはむしろあまり押し込まないで、

少しふっくらと空気が入っているぐらいが、

美しいと言う事だ。

 

朝の5時。

シーツの山並みの向こうには、

アカシヤとムクロジの公園が広がり、

その向こうには入道雲の端緒が黙々とモクモクと、

太陽と言う🌞主役を迎える。

 

④ティッシュとアルコールシートと尿瓶の蓋

 

ティッシュは節約したい。

ティッシュは主にトイレで使いたい。

ティッシュの箱は主に、

ベトナム語の単語を書き込むのに使いたい。

ティッシュはトイレットペーパーの次に

肛門部への拭き取りの仕上げに使いたい。

ティッシュでは対応できない汚れを彼等は掬い取る。

勿論、ティッシュは白い陶器に捨てず、

勿論、ティッシュはゴミ箱に捨てる前提で。

 

アルコールのシートも節約したい。

アルコールのシートは主にトイレで使いたい。

アルコールのシートはコロナ対策に使いたい。

アルコールのシートは手の当たるところ全てを拭きたい。

僕はトイレで手を洗うことすらしない。

何故ならトイレが一番危ない事を二年前に学んだからだ。

アルコールのシートは仏事の掃除にも使いたい。

アルコールのシートは意味を含めた用途に使いたい。

 

それはこの詩集を読み進めればわかるだろう。

 

だから使ったティッシュは、

①見た目に汚れていて、すぐ捨てる物

②見た目に綺麗で、第2の用途が見つかった物

に分かれる。

とは言え②でも置いておくのは半日ぐらい。

それ以上置いておけば、

①だか②だか分からなくなり危険だ。

 

だからアルコールのシートは、

①トイレと洗面の白いサニタリーを拭く物。

②手を洗う物。

③仏事に使ったり、何らかの意味を込めたりする物

に分かれる。

 

僕のベッドの脇に挿してある尿瓶は、

朝、1日一回取り替える。

申し訳無いが尿瓶の臭いは耐えられない。

尿瓶はその居住まいが恰も花瓶の様であるが、

尿瓶の出口にしては臭いがきつい。

それでコットンバットの容器を改造して、

それを尿瓶の蓋にしている。

でも尿瓶のサイズは色々とあり、

蓋と尿瓶の隙間から臭いが漏れるのだ。

そこで件の使用済みのアルコールシートを、

蓋の内側に嵌める。

臭いは漏れず、

使って確認をすると、

如何に彼が尿瓶の臭いを掴み取っているかが分かる。

安心して一日10回以上の排尿を行える。

 

これが起きてから30分以内の僕の営み。

これが起きてから欠かさず行い、

これが起きてから日々進化させている、

僕の生活。

 

続く

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