2024/7/3

112右麻痺と言う進化⑤鼻毛

くれぐれもこの投稿はノンフィクション

 

前回、鼻毛の話に入り、毛の中ではその歪な佇まいを指摘させていただいた。漫画「寄生獣」の毛に似ているとも述べた。鼻の毛は、どう考えても他の毛と一線を画しており、我々の為に、最も身を擦り減らしている毛では無いかと推察される。そして、それをわざと抜こう物ならば、結構な痛みを伴い、また同時にクシャミなどを誘引し、面倒この上ない。

 

「鼻毛を抜いた時にが出ることがあるが、必ず抜いた鼻の穴の側の目から出る[3]。これは反射を司る蝶形口蓋神経節は左右にあり、局所的な刺激では片方だけしか反応しないからである[3]。」ウィキペディア

 

僕はここ最近、無理矢理鼻毛を抜くのを辞めた。自然に鼻毛が抜けるのに任せている。目立って鼻孔から飛び出している毛のみ挟みで切っている。無理矢理は絶対抜かない。それほどに鼻呼吸の功績、評価が大きいのだ。鼻毛を見るネガティブな思いはもう無い。鼻毛が少ない方がいいなんて考えられない。本来人間の呼吸すべきは、口では無く鼻であると知り、鼻呼吸を実践して半年近く経つが、最初に心配していた、自分が副鼻腔炎による鼻詰まりの為に鼻呼吸は上手く出来ないのでは無いかと言う心配は、全くの杞憂であり、仮に現在流行りの寒暖差アレルギーで鼻水が溜まっていようが、鼻呼吸システムは通常通りに機能した。鼻呼吸により、最初のトライで体験できる、「朝まで起きない眠り」をすればあなたも鼻呼吸が病みつきになるに違いない。

 

ところでもう一つの鼻毛の話題に触れたい。

それは、臭毛と言う毛の事である。

鼻は呼吸の他に臭いを感じる機能がある。ここに臭毛と言う言葉が登場する。でもウィキペディアのページは編集中になっているので、他のページを探して見た。

 

においはどのようにキャッチされるの?

「嗅覚をつかさどっている感覚神経は嗅神経です。嗅神経の仕組みを簡単にみてみましょう。

 上道の天井部分は嗅粘膜という粘膜組織で覆われており、粘液が分泌されています。この天井部分は切手1枚分程度の広さで、嗅上皮と呼ばれます。嗅上皮には嗅細胞が約500万個もあり、粘液から突き出すように嗅毛という感覚毛が生えています。吸い込まれた空気が上鼻道に突き当たると、空気に含まれているにおいの分子が嗅毛を震わせます。この振動が嗅毛の根元にある嗅神経に伝わり、嗅神経を通して電気信号として大脳皮質の嗅覚野に送られ、においとして認識されます。

 嗅神経の先端は丸くなっているので、嗅球と呼ばれています。」看護roo

 

確か、人間の毛は全部で500万本あると、以前学んだ。この勘定の中に臭毛は入るんだろうか?或いは鼻毛と臭毛は同じ勘定なのだろうか?更に調べると、どうやら別勘定の様子だ。ただ、ちょっとページにより数値が違う点は、気になるが。

 

臭毛とは

「ヒトが目で見ることができる普通の「鼻毛」は1つの鼻に約50本生えているが、ニオイを感じる「嗅毛」は「嗅繊毛(きゅうせんもう)」とも呼ばれ、鼻の奥に5000万~1億本も生えている。

その嗅毛の大きさは約1000分の2ミリで、顕微鏡を使わないと見えないほど小さい。その小さな嗅毛が「嗅細胞」または「嗅覚受容神経」と呼ばれるニオイを感じる細胞に5~10本くらいまとまって生えている。」Copyright © 雑学ネタ帳. All Rights Reserved.

 

人間の体にある通常の毛は全部で500万本でその太さは7、80ミクロン、0.07mmから0.08mm。

それに対して人間の臭毛は全部で同じく500万本でその太さは2ミクロン、0.002mm。

鼻の上部にこんな世界が拓けていると考えた事は有っただろうか?

しかもこの近くの耳の奥には、あの有毛細胞が生えている。一体にこの場所はいかにも繊細な毛の受想行識の宝庫であり、僕はこれらの恩恵を受けている割に感謝、感心を持たず、その情報に機嫌を悪くしたり悪くしたり、恐れ多い事この上ない。

 

有毛細胞 本数

「ヒトの内・外有毛細胞は、それぞれ約4千、1.5~2万個存在し、一度障害されると再生されない。 蝸牛内にあり、内・外有毛細胞が存在し、音波という物理的刺激を電気信号に変換する聴覚感受の一次器官。

2021年4月14日

内耳蝸牛由来の活性酸素が加齢・騒音などによる難聴を引き起こす | 神戸大学ニュースサイトwww.kobe-u.ac.jp › news › article

 

纏めると鼻毛の役割は、

①鼻呼吸

②臭毛、臭球

そして、

③鼻のドライノーズ防止の為

と鼻には大別して3つの大役が与えられている。そしてそれは、鼻と言う庭の中で鼻毛の奏でる素晴らしいオペラなのだ。

鼻毛の最後に、今回目に留まり大変驚いた犬の嗅覚について触れたい。国立博物館館長の林良博氏の記事である。

 

「一般に,犬の嗅覚はヒトの 1 億倍まで 感知できるといわれていますが,それは 実験に用いたジャーマンシェパードの場 合で,ほかの犬種では精密な実験が行 われていません.

〜中略〜

ニオイは,鼻腔の嗅上皮に存在する 嗅細胞によって感受されますが,ヒトの 嗅上皮が3〜4cm2であるのに対し,犬,特に長頭型の犬の嗅上皮は 150 cm2 もあります.また,嗅上皮の粘膜に ある「嗅毛」と呼ばれる線毛は,ニオイ を感覚受容器に導く働きをしますが,犬 の嗅毛はほかの動物のそれより本数が多 くて長いという観察記録があります.さら にヒトでは嗅細胞が 1 層であるのに,犬 では数層になっており,ヒトの 500 万個 に対し,犬は2億5千万から30億個の 嗅細胞があると推定されています.この ように,ニオイを感受する嗅細胞が圧倒 的に多いことが,犬の嗅覚が超高性能 であることの細胞学的な根拠となってい ます.

また,犬には「ニオイの階層化」とい う特殊な能力があり,複数のニオイが混 ざり合っていても,個々のニオイを嗅ぎ分けることができるといわれています.

ニ オイが複雑に混ざっていても,手荷物の 中から麻薬を嗅ぎ分けたり,地面から犯 人が残したニオイ(おそらく酸臭)だけを嗅ぎ分けたりすることができるのはその ためだと考えられます.

なお,嗅神経は脳の先端に位置する 嗅球に集められますが,ヒトでは約 1.5 g であるのに対し,犬は中型犬でも6gも あります.ヒトの脳の大きさは犬の 10 倍もありますので,脳の大きさをそろえて比 較すると,犬はヒトの 40 倍の嗅球をもっ ていることになります.これも犬の嗅覚が 超高性能であることの根拠でしょう.」

 

人よりも、犬がどれだけ嗅覚の優れた動物であるかが良く分かる。実際には哺乳類の中は他の動物も嗅覚の優れた動物は多いらしい。この臭いを捉える力で、敵から逃げたり、獲物を追いかけたりするのだから当然かもしれない。逆に臭覚の弱い人間が、如何に大自然の間で、素ッ裸で無防備かと言う事である。

臭いを階層的に嗅ぎ分けるのも凄い事だ。僕は常に皮肉が浮かぶ物だから、これだけ鼻が良いと、例えば美味しい食事をしている時に、あらぬところから排泄やゴミの臭いが入って来て、まともに食事が取れるのかしら、と心配した物である。でも臭いの階層化が出来れば心配は無いようだ。食事中、嫌な臭いのチャンネルを閉じて、美味しいチャンネルだけに専念できるのではなかろうか?

 

鼻が良い事による犬の幸せは、我々の想像を絶する。

 

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