2024/6/21
金曜日「登場人物」と言う物語 74
トランクリッド
ボンネットが空いてしまったのは、簡単に言えばボンネットが浮き上がらない様にするフックがあり、何が原因か分からないが、これが仕事をしなかった。本来なら、いくらボンネットを閉め忘れたと言っても、そう言うセーフティーネットが働くものだが、この時はセーフティーネットが働か無かった。このフックは前回も言った様に、サミットと言う会社で作られており、日本で熱処理だけをしていたが、それではコスト高になるので、某国で熱処理も現地調達をすることになったのだ。その白羽の矢が、僕のいた梅毒社に来たと言うわけである。僕がこの時、万が一にもこの事故で帰らぬ人になっていたらどうなっていただろう。答えは明快。握りつぶしただろう。何故ならこれから話す問題についても同様の処理をしたに違いないからだ。
バネとは
「ばねとは、力 が加わると変形 して力を取り除くと元に戻るという、物体の弾性 という性質を利用する機械要素 である[1]。広義には、弾性の利用を主な目的とするものの総称ともいえる[2]。英語名は spring で、日本語でもスプリングという名でよく呼ばれる[3]。発条(はつじょう)ともいう[4]。ばねの形状や材質は様々で、日用品から車両、電気電子機器、構造物に至るまで、非常に多岐にわたって使用される。」ウィキペディア
車には当然、沢山のバネが使われており、その最も重要なのは、足回りのバネである。
重ね板ばね
このタイプのバネは、ピックアップトラックやトラックに使われているバネである。物々しいが、これこそが、バネと言う趣きである。
圧縮コイルばね
そして乗用車などではこう言うバネが入っている。こんな事はご存知かとは思うが、善行を積む為に紹介しておく。因みに、バネで最大手の会社として、日本発条と言う会社がある。
日本発条とは
「日本発条株式会社(にっぽんはつじょう、登記上の商号:日本発條株式会社、英 : NHK SPRING CO.,LTD.[3])は、神奈川県 横浜市 金沢区 に本社を置く、ばね (発条 、スプリング)や自動車 のシートを中心に製造する大手自動車部品メーカー。
〜中略〜
商標名として「NHK」を使った組織は、日本放送協会 より日本発条の方が早い(1939年 )。日本放送協会がNHKの名称の使用を開始したのは1946年 だが、その際に日本発条に許諾を求めて認められ、現在もそれぞれが使用している。1989年 (平成 元年)制定のCIロゴにも使用されている[4]。」ウィキペディア
この会社を、NHKと呼ぶのだが、この会社は日本放送協会よりも早い段階でNHKと言う名称を使った。それが言いたくて日本発条に言及している訳だが、日本放送協会(NHK)は、何故NHKに拘るのか分からない。使用料は払っているのかしら?はNBSでもNHBでもいいじゃないか?後で調べて見よう。
トーションバー
そしてこれから説明するのが、トーションバーだ。
トーションバー
「棒状のばね。棒の一端を固定して他端をねじりを加え、棒をねじり変形させることでばね作用させる[82]。棒の断面形状は、ねじりに対して効率のよい円形が一般的である[83]。吸収エネルギー効率が高く、形状が簡単なため、実際のばね特性が計算と一致しやすい[84]。」ウィキペディア
Wikipedia
本当はこのタイプの車ではないのだが、トーションバーがハッキリと写っているのでこの写真を参照する。トランク枠の上方に白く塗った二本の鉄の棒が見えないか?トランクが閉まっている時はトーションバーが捻れて居て、それがトランクを開けようとすると、その捻りの開放によりトランクの蓋が開くのである。非常にシンプルだが、安全なシステムである。ただし、それは、正しい材料と正しい熱処理により、実現する部品である。あなたがスーパーに買い物に行き、トランクを開き、今日のおかずやら飲料水やらを積み込んでいる時、トーションバーは捻りから開放され、トランクリッドは開いている。もしトーションバーに問題があれば、トランクリッドはギロチンの様にあなたの頭に落ちてくる。
トランクリッド
「トランクリッド(英語: trunk lid)とは、モータービークルのトランクに設けられるフタであり、荷室と外部とのアクセスを司っている。英語圏ではデッキリッド(アメリカ英語: Deck lid)、ブートリッド(イギリス英語: Boot lid)と呼ばれることもある。」Wikipedia
この写真の様に、トーションバーは大概2本使われている。どちらかが仮に駄目でも、どちらかが仕事をすると言う安心感がある。逆を言えば、トランクリッドが落ちて来たと言うことは、とんでもない不良品である。それが、自分のお客様の製品で、自分の会社で熱処理した物であるとしたらどうであろう。そのトランクリッドが、ボンネットに続き、又、自分に落ちて来たとしたらどうであろう?
上がりどめ(ボンネット)も、
下がりどめ(トランクリッド)も信用できないとは?
一体誰を信じるべきなのか?
次回へ
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