2024/6/8

金曜日「登場人物」と言う物語 72

野菜スープとガン

この物語は徹頭徹尾ノンフィクションである

ただ登場人物の名前はフィクションかノンフィクションであるか、定かではない。

更新形式であくまでも感傷を廃して記録する事。

毎回同じ様に見えて少しづつ違います。

毎回、最後に詩を添付。

 

【名字】カミングアウト上の名前

不明、或いは忘れた。

 

【名前】

オラタイ

 

【渾名】

トゥー(某国人は基本この渾名で呼び合う)

この名前は一番使われていた。

ゥーの発音が滲んだ感じで暈す。

 

【性別】

女(確認済み)

 

【年齢】

30歳前後(1999年?当時)

 

【主人公との年齢差】

5歳下?

 

【容姿】

肌の色→👩🏼‍🦳やや色白

僕の知っている中では最も白く柔らかい。

鼻の下「人中」に独特の感触があり、写真を撮る時なども良く目だった。本人もこの部分を良く弄った。

喫煙を人に知られずに行う。

 

鼻の下の溝

「人中(じんちゅう または にんちゅう、Philtrum、ラテン語: philtrum、ギリシア語: φίλτρον philtron)は、多くの哺乳類が持つ上部の溝で、から上唇まで垂直に伸びる。裂状の鼻孔及び湿った鼻鏡とともに、哺乳類の原始的状態だと一般的に考えられている[2]。」Wikipedia

 

【出身地】

某国チェンライ県

某国最北の県

ミャンマー🇲🇲、ラオス🇱🇦との国境

ゴールデントライアングルに近い。

 

ゴールデントライアングルとは

「黄金の三角地帯(おうごんのさんかくちたい、タイ語: สามเหลี่ยมทองคำ)とは、東南アジアタイミャンマーラオスの3国がメコン川で接する山岳地帯で、ミャンマー東部シャン州に属する。世界最大の麻薬密造地帯であった。別名ゴールデン・トライアングル(英語: Golden Triangle)と呼ばれ、アフガニスタンパキスタンイラ国境付近の「黄金の三日月地帯」と並ぶ密造地帯である。現在では経済成長や取締強化により、タイやラオスでの生産は減少傾向にあるが、逆にミャンマーのシャン州ではいくつかの軍閥が麻薬生産のみならず覚醒剤の製造も行い、さらには合法ビジネスを行うなど、二極化の傾向にある。」Wikipedia

 

【家族】

父のみ

チェンライで農業

 

【住所】

某国の首都 バンコク

ニューペッブリ通りのアパート

 

「ニューペッブリー通り(ニューペッブリーどおり、New Phetchaburi Road)またはニューペッチャブリー通りは、タイバンコクある道路。 ペッブリー通りラチャダムリ通りとの交差点を過ぎると、ニューペッブリー通りと名前が変わる。タイ国鉄東線や、エアポート・レール・リンクスワンナプーム国際空港との連絡鉄道)、ンセープ運河等とほぼ平行に走っている。」Wikipedia

 

【住居の形態】

賃貸アパート

但し本人が拒んだ為部屋に上がった事はなし

 

【職業】

マッサージ師、按摩

某国はマッサージが有名で、その人口も多い。

トゥーの腕も確かであった。

 

按摩とは

「按摩(あんま)とは、なでる、押す、揉む、叩くなどの手技を用い、生体の持つ恒常性維持機能を反応させて健康を増進させる手技療法である。

また、江戸時代から、按摩の施術を職業とする人のことを「按摩」または「あんまさん」と呼ぶ。現在の日本では業として継続して他者にあんま行為を、あん摩マッサージ指圧師国家資格者以外が行うことは違法である(後述の「日本」の項を参照のこと)。」Wikipedia

 

彼女の名誉の為に言うと、按摩の腕は一流で、按摩を施す位置の計測、位置取りに優れていた。大体1回2時間ぐらいのセットで施術した。

「サイアムの宝石」と言う名の店だった。店は年中無休。昼から深夜まで開店した。按摩師はほとんどが若い女性だった。トゥーの住むニューペッブリ通りにあった。

 

【職業〜プラスα】

但し、某国ではオプションとしてマッサージ師が、その内容に応じて、通常のマッサージでは手を出さない部位にも手を出す事が有る。それは、主に店により、一見マッサージ嬢が個人的にそのオプションを実行しているように見せるが、実際には店のコントロールの元に行っている。所謂、料金はみかじめ料として店を通して払われる。そのオプションは多岐にわたり、最終的には春を鬻ぐ場合もある。「サイアムの宝石」はむしろオプションに置いて有名な店だった。

 

みかじめ料とは?

「みかじめ料(見ヶ〆料、みかじめりょう)は、飲食店小売店どが出店する地域の反社会的勢力に支払う場所代、用心棒代[1]。世界各地で、様々な形で収受が行われている。」Wikipedia

 

つまり、トゥーと僕はそうした間柄だった。

そして、その頻度、店の滞在時間は、僕がトゥーを気に入れば気に入る程、エスカレートして増加した。

 

【病院】

ある日トゥーをマッサージ屋に尋ねた時、彼女の局部が出血を起こした。鮮血であった。それで僕は、バンコクでも最も大きな病院と言われているバンコクジェネラルホスピタルに連れて行った。そこで彼女は、先生に言われた。「何故、もう一度検査した方が良いと言われたのに来ないまま、一年以上も放って置いたのか?」と。そう、彼女は随分前に、子宮に異常が見つかっていたのだ。それで再検査を言い渡されていたのに、彼女はお金がなかったので行かなかったのだ。実際お金が無ければなにもしてくれないが。そしてこの日、それは径にして30mmの子宮頚がんであることが言い渡されたのだ。

 

子宮頚がんとは

「子宮頸癌(しきゅうけいがん、: cervical cancer)は、子宮頸部と呼ばれる子宮の出口より発生する。そこに生じる悪性の上皮性病変(癌)のこと[1]。

発生頻度は発展途上国ほど高い。発症は20代から40代で高い。主な原因に、性交によって感染するヒトパピローマウイルス (HPV)の感染がある。持続感染が起こる場合があり、子宮頸癌のリスクを上昇させる。子宮頸癌の人々の87.4%に、HPVの感染が確認されている。そのため、海外ではHPVワクチが接種されている[2]。HPVが感染していても除染をせずに、性交を続けてゆくと、相手にも感染させて仕舞い、パートナーの陰茎癌の原因にも成り得る。

5年生存率は、日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会の統計で、ステージI期で92.1%、Ⅱ期で74.2%、Ⅲ期で52.0%、Ⅳ期で29.8%となっている [3]。」Wikipedia

 

バンコクジェネラルホスピタル

「バンコク病院(Bangkok General Hospital)は、バンコクフワイクワーン区・ソーイ・スーンウィジャイにある病院。バンコクゼネラル病院とも。バンコク・ドゥシット・メディカル・サービシーズのグループ企業である

1972年2月26日に開業[1]。当時のベット数は100床、看護婦数は30名。現在は東南アジア地区において最も大きい私立病院の一つである。世界でも最先端の治療を提供する医療機関の一つであり、毎日2,500人を超える患者が来院する。80検査室、ベッド数は550床を超える[2]。病院には20を超える専門科がある。」Wikipedia

 

彼女がどう思ったか知らない。でも成り行き上、僕が助けなくてはならないという事になった。だから、その日の検査代は僕が出し、次回の予約も僕が入れた。どう思われても構わないが、助けるか助けないかに全く躊躇は無かった。治療費が足りるか足りないかすら思わなかった。とんだ不敬罪の罪人も居たものだ。

 

【治療】

その癌は、上述した通り30mmと大きく、手術だけではすぐ切除出来ないと言う事であった。まずは、その塊を放射線で小さくしなくてはならないと言う事だった。それで、バンコクジェネラルホスピタルのグループのサミティヴェ病院で放射線治療を始めた。治療費は、確か一度につき6万バーツ(或いはその半分)だったと記憶している。円で言えば約10万円くらいか。放射線照射を10回以上行い、総額で100万以上払った覚えがある。勿論僕の借金で。僕のクレジットカードで。この治療については、恐らく上手く行ったのだろう。予定の切除手術ができたのだから。ただ、この放射線治療で彼女が前面から見ると膨らんで行き、側面から見ると薄っぺらくなって行くのが悲しかった。

 

【あたらしい住所】

子宮頚がんが発覚したトゥーは、いつしか僕に頼る様になり、僕はかつての部屋にいよいよ入れると思ったが、それはならず、新しいアパートを借りた。(実際にはもうひとつアパートに引っ越したが、この頃はまだガンは発覚して居なかった)ニューペッブリに、昔賑わっていた「NASA」と言う宇宙基地を模したディスコがあり、そこが建てたアパートが二棟あった。それは、薄っぺらい建材の剥がれたアパートであった。そこから彼女は、放射線治療の為に病院に通った。

 

「東洋最大と云われた巨大ディスコ その名も“NASA”

ちなみに現地では「ナサァア」と発音します。(“サ”にアクセントをおく)残念ながら内部は撮影禁止でした。

ディスコミュージックからタイポップスまで何でもあり。

クライマックスシーンは STAR WARS の音楽とともに天井に現れる巨大UFO、なぜかそこから風船が大量に落ちてくる…たまに有名タイミュージシャンによるライブもあるよ。

…って,もう10年以上前の話です。今はどうなっているのでしょうか?」Copyright (C) 1995-2005 HIBI Shigeyuki

 

【民間療法】

トゥーの治療は割と順調であったが、それはつまり本人の苦しむ姿を見る事は無かったが、彼女が以前に比べて痩せたのは明白だった。そこで僕は次の民間療法を試した。

①バナナの黒くなった皮

これがどれほど有効だったかはわからない。

 

②野菜スープ

大根

牛蒡

人参

椎茸

これらの皮を剥かずただ煮る。

味付けもせずこれを飲む。これは日本の民間療法だった様で、或いはなんらかの効力があったかもしれない。放射線治療の後、トゥーの癌はかなり小さくなっていた様だ。様だ?と言うのは、実際にそれを見ていない訳であるから。

 

野菜スープはガンに効く?

「そもそもがんになった原因は、免疫能が低下したことによるものです。 そこへさらに抗がん剤や放射線によって活性酸素が大暴れすると、体はさらに弱ってしまいます。 そこで野菜スープです。 野菜スープはこれらの治療で発生した活性酸素を消去し、副作用を抑える様々な副作用を抑えることができるのです。

2019年5月7日

よしざわクリニック がん治療中には野菜スープを!

 

【祈り】

ベンジャマスタサのHIVの一件以来、僕は事あるごとに、ワットロンポーソートーンにお願いに行った。この時も同じである。

 

【帰省】

長時間の手術により、トゥーの体から癌は切除された。その癌を切除した先生は、何故かベンジャマスタサのHIVにおける主治医で、バンコクジェネラルホスピタルではなく、プロンミットと言う別の病院での担当だった。その事を言及する事は無かったが、考えて見ればおかしな話だった。

癌を切除したトゥーは、僕に対し感謝の言葉を述べ、そして言った。

「田舎に帰りたい。」

「チェンライに帰りたい。」

「お父さんの元に帰りたい」と。

この時、誰がその一言に異論を挟めるだろうか?

この親子の世界に、

日本から来た只の客が異論を挟めるだろうか?

 

【死】

彼女は、毎日電話の前に寝ていたそうだ。そして電話がかかってくると急いで電話を取り、自分は何でもない旨を伝え電話を切ったそうだ。

これが事実であって欲しい。

でも死んだ事は嘘であって欲しい。

この思いは本当であって欲しい。

 

【君の時間  thơ】

この歌はメーサイと言って彼女の好きな曲だ。

これはタイ語で、火曜日の投稿で尽きず離れずを投稿を参照する。

 
 
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