2024/3/15

金曜日「登場人物」と言う物語 64

合法な浮気/ソンクラーのアリー⑤

この物語は徹頭徹尾ノンフィクションである

 

 

水路

前回バンコクと言ったが実際に結納式をしたのは、ノンタブリー県である。これから、不敬罪になりたいと言う貴方にバンコク観光案内をしてあげる。この地図で言うと、バンコクを真ん中で大きく分断するのが有名なチャオプラヤ河である。日本人が多く住んでいるスクムビット通りはこの河の向かって右側にある数字一桁❾の地区だ。その大きく畝るチャオプラヤ河を遡り、向かって上左側のノンタブリー県が、今回の結納式の舞台だ。僕は車でニューの家に通っていたので、何時間もかかっていたが、実際にはチャオプラヤ河を船で遡ればノンタブリー県は非常に近いのである。その頃の僕には船と言う発想が無くて、ニューが待ち合わせ場所に車が無いにも関わらず、遅れずに来るので、不思議に思っていたが、それはチャオプラヤ河と、水の都と言われるバンコクを縦横に走る水路のお陰だったのだ。

 

「ノンタブリー県はチャオプラヤー川を中心とする平地にあり、ンコク首都圏である。ほとんどの地区はバンコクの市街地の一部であるため、バンコクとの境が区別しにくい。都心からの距離は約20kmで、位置的にはドンムアン空港の西側にあたる。」Wikipedia

 

僕は、ある一時期に於いて、熱心に御寺巡りをしたが、その時つくずく思ったのは、某国の御寺の表玄関は隣接する川か水路だと言う事である。そちらが正式な玄関で、自動車の道に接する面は裏口だと言う事である。その視点でバンコクを見るとこの渋滞都市の印象がかなり変わる。それほどバンコクは水路が多い。水路を辿ればどこへでもいけるのだ。ただ、その水は非常に汚い。この水しぶきを浴びる覚悟は居るが。不敬罪の身分で言うのもなんだが、この水路をもっと綺麗に整備すれば、わざわざBTSの様な巨額投資をしなくても、渋滞都市バンコクは、変われると思いますがいかがでしょうか?今の新交通BTSは渋滞をなぞっているだけだ。

 

リッチモンド

 

結納式の顛末とカブトガニ

リッチモンドホテルの宴会場には、何人いたか覚えていない。でも確かに50人は超えていた。知らない人ばかりだ。知っているのは、藤田と耳朶の花問屋氏ばかりだ。あらかじめ、ニューには白いドレスを買い、僕は何時もの紳士服コナカだ。覚えているのは、知らない人と座らされ、立って一言も喋らされた覚えが無い。そして、ニューより身体の小さなお母さんに結納品を渡し、ムスリムのニューのお父さんも来ていたらしいが、記念撮影すらした覚えが無い。紹介された覚えが無い。覚えて居るのは、婚約者ニューのよそよそしい態度だ。プツン、僕の心はカブトガニの血の様に青く醒めて行った。ホテルの料理にあったか良く覚えていないが、確かシーフードなので、カブトガニもあったのでは無いか?一匹3000円前後、某国に於いては非常に手軽に食べる事が出来るが絶滅危惧種だと言う。

 

カブトガニとは

「カブトガニ(甲蟹、兜蟹、鱟、鱟魚)は、鋏角亜門カブトガニに属する節足動物の総称、またはそのうちのカブトガニ科カブトガニ属に分類される一種 Tachypleus tridentatus和名である。本項目は主に後者について扱う。

 

〜中略〜

カブトガニ類の血液から得られる抽出成分は、菌類のβ-D-グルカンや細菌の内毒素と反応して凝固することから、これらの検出に用いられる。本種から得られる成分はTAL (Tachypleus tridentatus amebocyte lysate) と呼ばれ、アメリカカブトガニ由来のLAL (Limulus polyphemus amebocyte lysate) とは反応性が異なることが確認されている[13][14][15]。

 

〜中略〜

 

日本においては田畑肥料釣り家畜飼料として使われていた。中国タイ等の東南アジアの一部の地域では、特にをもつカブトガニ類のメスが食用にされている[11][16

 

〜中略〜

 

和漢三才図会では、大きな雌の上に小さな雄が常に乗っている生態から「故ニ人婚禮ニ之ヲ用ユ」としている。」Wikipedia

 

 

カブトガニは当然、日本では食べるのは禁止であるが、某国ではちょっと高いが、メスのみがシーフードレストランの定番である。この立派な甲羅の下に無数の卵が隠れており。これにナンプラーや青いパパイヤを混ぜて食べる。卵だけでは美味しく無いのかも知れないが、その歯応えは中々の物である。僕が聞いたのはこれが薬にも💊なる。HIVの薬と聞いた覚えがあるが定かではない。

 

カブトガニの貢献とは

「1968年(昭和43年)に、アメリカのジョンスホプキンス大学の医学者だったバング博士とレビン博士の2人は、アメリカカブトガニの血液からとりだした血球の成分によって、大腸菌などのばい菌があるとそれを短時間に、ゼラチン状に固めてしまうという大変な発見をしました。

 

その後、いろいろと研究が続けられ、カブトガニの血液の中の血球の成分から作られた薬によって、病気の人を苦しめているばい菌を、いち早く発見して処置することができるようになりました。(66・67・ 68図)

 

 

 

(2)体内の毒素などをしらべる薬

 

カブトガニの血球成分からつくられた薬は、わたしたちの体内の血液中に、ごくわずか、百億分の1g以下の内毒素(ばい菌が作る)が入ったとしても、それと反応して、そのばい菌を、ゼラチン状に固めるというするどいはたらきをします。

 

このように、すばらしいカブトガニの薬を使うことにより、悪い内毒素があるかないかを、短時間にキャッチすることができるようになりました。今では、内毒素が原因でおきていたショック、ひきつけ、高い熱、吐き気などを防ぐことができ、大変助かっています。その他、この薬によって、がんこなカビによる病気や、食べ物、水質、器具などの汚せんが、短かい時間に調べられるので大変助けられています。

 

最近では、カブトガニの血球成分からつくられた薬によって、エイズウイルスのはんしょくがおさえられ、その活動が弱まるというすばらしい研究も進んでいます。(69図・表5)」カブトガニ博物館代表

 

 

嗚呼こんなに人類に貢献しているカブトガニを僕は何匹食べたか知らない。でも、この結納式では何を食べたのかわからない程、僕は怒っていた。曲がりなりにも僕は、この結納式の主役である。なのに、誰に対しても挨拶すらしていない。お父さん、お母さん、どちらもだ。また、50人以上はいたであろうお客様にもである。そして、結納式は、新郎の存在感が透明のまま閉会し、僕に数名のお客さんを車で送ってくれと言う。運転するから、あまりビールを飲むなと言う。そして、ニューとの別れ際、ニューは僕に対して小声で言った。「花問屋さん、カッコイイ」とタニヤで覚えたカタコトの日本語で。我慢はここに来て臨界点に達した。

 

ノンタブリー県は今?でこそ僕の得意なドライブルートであるが、この頃は知らない道路や地名ばかり。式は昼過ぎに行われ、外はまだ明るかったとは言え、この見知らぬニューの親戚を全員送った後、どうやって、バンコクに帰ったか覚えていない。

僕はニューとの決別を決心した。

全ての連絡を断ち、藤田、花問屋とも連絡を絶った。

弱虫の癖にこうゆう時の逃げ足は早い。

自分を必要としないものと一緒になる必要はない。

カブトガニはただひたすら甲羅を閉じた。

今は不敬罪のカミングアウト後であるから、

この事件もその一環として理解出来るが、

こんな結婚なら要らない。

人生の時間の無駄だ。

「故ニ人婚禮ニ之ヲ用ユ」

カブトガニに罪は無い。

 

一年後、ニューから手紙が来た。

それは何も書かれていない赤い封書だった。

 

Tạm biệt.

さようなら👋🏽

タム•ビエト•

【暫しの•別れ•】

 

000000

00000