至福の時間

 

無の夜

 

2023年4月9日日曜日、

お茶を飲んだ。

乳酸飲料を飲んだ。

リハビリをだだっ広い1階でやった。

一日中、素晴らしい天気だった。

気温は、20℃を超えていた。

春の香りが、玄関から、何度も侵入した。

皆んなの顔色も何時もより明るかった。

おじいちゃんおばあちゃんの声が、

幼稚園児みたいに遠くで聞こえる。

夕方6時になっても、昼の様に明るかった。

夕方6時になっても、誰かがこれから来るみたいに明るかった。

 

ところが、

夜は冷え込んだ。

エアコンは25℃に設定されていた。

介助の人が暑いなこの部屋は、とぼやく。

でも僕は寒いと思った。

それで僕は布団を掛けて寝た。

汗を沢山かいた。

汗になって水分が出る。

結果、オシッコが出ない。

結果、オシッコに起きない。

結果、朝まで起きない。

結果、2023年4月10日月曜日、

病気になって初めての、

朝までグッスリ眠れた夜となった。

 

汗による濡れた不快感と、

オシッコを出さない不快感。

がバランス良く拮抗し、

この日を齎した。

 

見事な夜だ。

スイッチを消して、

また付けただけの様な、

非の打ち所の無い、

無の夜だ。

 

合掌

 

 

 

 

 

 

 

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