
61 右麻痺で、車椅子に乗ると言うこと①
この一連の投稿は、ノンフィクションである。
さて、ベッドから降りた僕は、左足で立ち上がっている。右足は麻痺している。だからと言って、右足は何もしていない訳ではない。ここを勘違いしてはいけない。
①右足は、左足に対して常にバランスを取っている。
②自分は右足のない(或いは不自由な)人間だなんて間違っても考えてはいけない。右足は、一見休眠中であり、しかし常に信号を待っている。正しい信号があれば動くのであって、常にその自覚を持っておかなくてはならない。
③現状では、正しい信号が送れないので、右足の位置情報は遅い。それを理解して行動すべきだろう。
右麻痺と付き合って、1年と8カ月が過ぎた。ゆっくりと「右麻痺の不自由さに慣れている」のではなく、新たな信号を発見している。これは、そうゆう病気だと理解している。
ベッドから立ち上がって、身体をグルッと90度から120度くらい回転する。この時も常に右足の位置を確認する。勿論あくまでも、これは僕の場合であって、人其々違うらしい。それと、この前出来なかった事は、今報告したら出来ていたと言う事も多々ある。グルッと回ると、クルマ椅子に座る。クルマ椅子の位置は、昨晩から固定されているか確認済みだ。つまり、右麻痺の人間がベッドから立ち上がると言う事は、全て段取り後のことなのである。
椅子に座る時は、とにかく前屈みに座る事をリハビリで教えられる。僕の場合で言えば、朝5時にベッドから起きて、夜の9時まで車椅子の上に座りっぱなしだ。時々、排泄のため、尿瓶を当てたり、ウオッシュレットに座る時だけが、車椅子を離れる時。小で3〜4回。大で1〜2回であろうか?前屈みはその時、必須だ。勿論、椅子には左右にロックがあり、必ずかけなくてはならない。ロックをしている状態と、ロックを外した状態は、車椅子の機能は別物であると考えている。
椅子に座った状態を見て欲しい。僕の車椅子は少し大きめだ。それは、僕の場合、発病時、母の殺意によって2週間放置されたお陰で、足が硬く、どうしても特に右足の側が外に出ているからだ。そうするとよく見る通常の車椅子の幅では難しい。ここ一年のリハビリのお陰でかなり改善されたとは言え、膝から先に壁があっては困るのだ。一見分かりにくいが、前のタイアの始点から先に壁がないのがポイントだ。壁が折りたたみになっている。
右足置きの閉じた状態。

右足置きの開いた状態。

赤い点が、汚いが支点だ。ここに前輪が付いている。では通常の車椅子はどうか?(と言っても、結構ネットで見てみたら僕のタイプも多い。)写真を添付したが、壁がある。

次に、足置きであるが、障害者は、障害があるからこそ障害者なのであって、この狭い足置き、靴置き
にうまい具合に足は乗らない。リハビリが進むに連れて、うまく乗るようになると思うが、これぞハンディキャップである。
車椅子では、
①乗り降りの時のシチュエーション。
②座って、映画なんか観ている時のシチュエーション。
③運動している時のシチュエーション。
そして、
④社会に出た時のシチュエーション
があり、①は大概、この足置きの説明で事足りると考えるが、②③は人によって違うだろう。そして、僕にとっても未知の④である。その前に、右足が蘇ってくれれば、④など考えなくてもいいのだが、もし長引いた場合を考えて、次回は、続きを話そう。

ところで、当然お金がないからだが、ここにある車椅子は大概が御古である。それは、結構、人の御古が手に入りやすいものだからだろうか?何故、御古が沢山あるのか?考えたら目眩がしてきた。多分みんな、歩ける様になって、要らなくなったに違いない。
合掌

