土曜日 尊敬と謝罪 イラチと言う欲望⑤

 

①人との付き合い、これを非常に重視する人でした。

②曲がった事は、絶対にやらない人でした。

③自分の娘、息子、孫には徹底的に甘い人でした。

④助けを求められると絶対に助ける人でした。

⑤時々お酒🍶(特に焼酎)に逃げる人でした。

 

その日は、と言うかその日もSさんはその国の辛い料理をお客さんと食べていたと言う。僕は僕で誰かと似たような辛い料理を食べていた。ただ、華には未だ出会っていなかったし、明治とは、不仲な状態だったのではないか?実はこの前、大量の昔の写真を見つけ、この辺りの時間の前後を整理しようと考えている。

 

夜遅くである。僕は誰かに運転をしてもらい家に帰る途中だった。するとあの人の部下から電話があり、慌てて病院に行った。Sさんが腹痛が酷くて病院に入院すると言う。びっくりして、駆けつけて見ると、彼は個室に苦しんで寝ていた。僕と喋れる状態じゃない。Sさんの部下が2名。そのうちの一人は以前ここで紹介したIさんだった。この病院は、日本人御用達の病院で、高級病院だ。そのくせ、医療ミスが多く、僕は嫌いで、別の病院に行っていた。名前は、SV病院としておこう。

 

今思えば、この日からSさんの闘病生活が始まった。何しろ、本人は腹痛が酷く、誰が持ち出した用語か知らないが、痛み止めモルヒネを彼等は、その夜、病院に要求した。夜勤の先生は、女医で、結局のところモルヒネを打つ事は無く、Sさんは翌朝まで、痛みに七転八倒した。そして、朝になって、ICUに移動されたのだ。ここで、考えるのは、どこまでが嘘かである。しかし、この時点でもう、状況は嘘と考えにくかった。嘘の病気を演出するには、この人は真面目過ぎた。本来の予定なら、病気で入院せず、僕に姿を見せず去る気ではなかったか?この病気は、嘘を演じるにあたっては、余りにも厳しい病気だったのだ。

 

「腸の血管が詰まる病気は?

腸間膜動脈閉塞症はこんな病気

この上下腸間膜動脈が突然詰まってしまうことを腸間膜動脈閉塞症といいます。 発生する原因として、動脈硬化などにより元々狭くなっている血管に血の塊(血栓)が詰まる「血栓症」と、心臓の病気(心筋梗塞や心房細動など)により心臓から流れ出た血栓が詰まる「塞栓症」の二つがあります。

https://www.saiseikai.or.jp › disease

腸間膜動脈閉塞症 (ちょうかんまくどうみゃくへいそくしょう)とは 」

「済生会」

 

「腸管虚血の余命は?

予後(経過の見通し)

早期に診断を下して治療が開始できれば、通常は順調に回復します。 患部の腸の一部が壊死するまで診断がつかなかったり、治療が開始されなかったりした場合は、70~90%の患者が死亡します。 ほぼすべての小腸が壊死したり、切除されると、生存することはできません。

https://www.msdmanuals.com › ja-jp

急性腸間膜虚血症 - 03. 消化器系の病気 - 」

「MSDマニュアル家庭版」

 

名前は覚えていないが、Sさんがなったのは、おおよそ上の二つのような病気である。ポイントは早期の治療で、腸というのは如何に長い臓器でも、壊死したりしては、どうしようもないと言う事だ。Sさんの場合、この病気になった場所が、日本ではなかったのが、不運だった。この国ではどうしようもなかった。この頃、結構太っていた彼は、病気になってから、見る見るうちに細くなって行った。寝たきりになってしまった。

 

どれくらいの間入院したものか覚えていないが、「半年に満たず、半半年に満たず」位では無かっただろうか?彼の新しい会社は、彼の病気に理解を示し、家族の呼び寄せを許可した。またSさんの社員及び、僕を入れた僕の会社の人間の看病も許可し、或いは要請した。いくら、お客さんだと行っても、僕らが無償で看病出来る期間だとすると、やはり3カ月くらいが限度だった。と言う事は、それくらいその薮病院に入院して、その後に日本へ戻ったのだ。

 

人は、どれだけの怒りがあれば、この嘘がつけるのだろうと、後で自分の立場を理解した時思ったものである。海外で、家族もほとんど全て呼んで、看病をしていた。それなら、早く日本に行った方が早かった。どうせ日本に戻るのなら、(旅客機の数席をチャーターしたのだが)早く行けば良かったでは無いか?思えば、あの家族は殆ど看病らしき看病をしなかった。病気、見舞い、家族、全てが嘘に違い無いと思ったのである。

 

長くなったが、次回を最終回にしたい。

僕の思いは以前より大分変わってしまった。Sさんと言う人を、僕は甘く見ていた。以前の解釈では、説明できない事もある。僕を遣っ付ける為に、最大の功績のあった彼は、やはり死んだのだ。それを次回説明する。