
「登場人物」と言う物語 20
1童貞と上陸 2買春と買夏 3樹上と巻物
4巫女と禁欲
5田舎と散逸6純粋と培養7津波とベルギー8不敬罪と星
9安倍と麻生10公務員と父11一浪一流一鮪
12選民と思想13アルバイトとあるバイト
14普通の社会人とは 15童貞喪失のヒエラルキー
16大阪の人はずる賢い東京の人は嫌いや
17鋼の熱処理 18華麗なる業界 19お客様の預者
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この物語はノンフィクションです。
工場での仕事を話す前に、僕自身が大学を卒業した時の、かの国の状況に少し触れて置く。大学2年生が、下宿1年目だとすると昭和天皇が下血され亡くなられたのが、その翌年の1月。そして大学3年生になった時は平成になっており、その夏に初めてその国に藤塀に連れて行かれた事になる。
毎夏休みと春休みは、行っていたので、4回行くと大学4年生になってしまう。5回行くと5年生になってしまい、いくら何でも、流石に5年生の年は行かなかったと思う。第一お金が無い。そうすると、4年生の冬休みで、一休みしたのではないか?
全部で多分5回くらいのイメージだったけれど、4回が精一杯だったか?大学2年生の冬休み、平成になった時、この冬休みが怪しい。でも、お金は確実にこの時も無かった。下宿一年目で、アルバイトも短期のアルバイトが多く、やっぱりどう考えても、その年の夏休みが初めてだったのではないか?この時なら、アルバイトも始めていたし、免停のメットインタクトも原付免許を取り、免停は外れ、安定したバイトを持っていた。その安定したバイトの事を語っていなかった。今調べたが、ないようだ。
月付き20万円前後、1ヶ月に15回ほど夜勤に入り、やることと言えば、フロント業務。スーツを着て、チェックインアウト業務を行い、そこにいさえすれば、何をしていても自由。ホテルではなく会社の研修施設なので、レストランに食事が用意してあるが7割方食べない。それは当然フロントマンの胃袋に入る。酷い時は、2人分、3人分。何せ本人が電話して着て「今日夕食外で食べて来ますんで」とコンファームしてくるのだから有り難い。本当のホテルなら、多分こんな楽な事は無い筈だ。でも、この会社は、この頃勢いのあった、有名なコンピュータ会社で、(言ったら誰でも知っているような)、僕はラッキーだった。羊が
罠にかかる様に、巧妙に僕はラッキーだという思いを深めた。バイト代も良い。
このバイト代と、家庭教師、そして藤屏が無理矢理勧誘して来た、クレジットカード、これが揃えば、海外旅行に行くか?と言う流れは自然だ。学生がクレジットカードを作れるなんて、考えた事が無かった。丸井はあったが。
但しそれは僕の場合、資金があって行われたのではない。資金無しに進み、資金がついて来た。本来なら、この頃に学生破産していたかも知れない。それと、こんなにいいバイトに付いていて、何故クレジットカードがいるのか?という疑問がある。でも、それは全て、童貞を海外で捨てた者の犯しガチな罪だった。僕は、女性とは皆んな、家族の面倒を見るもので、全ての出費の請求はBJMにくるものだと聞いていた。BJMは妹なので、日本的に考えれば、何の請求も回ってこない様に見えるが、そうではないと言う。童貞は、人の言った事を精査せず、信じ、言われたがままにしてしまうので、どんなに良いバイトをして居ても間に合わない。
正直、この学生時代、僕はBJMにいくらつぎ込んだかわからない。僕はこの時点で、もしあれが「愛」だと言うのなら、かなり気狂いに、BJMを愛していたので、彼女が売春の仕事を辞める事を条件に、お金を送っていたのだ。僕の「愛」とやらは、彼の国に行きたい、彼の国で暮したい、とは別のところでエスカレーとし、そして未だ僕が彼の国に行く前に急激に萎んでしまった。BJMには、その素振りは見せないが向こうは健気に売春を辞め、1人田舎のCMで僕を待ち続けていた……という事になっていて、いや実は売春をやっていてHIVに感染していたが、その外核にあり、更にその外に私は政府のイヌ
だったの、があるのだから、この複合的な嘘付きが、何を仏様に祈っているのか不思議で仕方がない。「羅生門」の薪割りの親父も、びっくり仰天の妄語失意環境である。そして、今やBJM国のスターらしい。スターになる方もスターになる方で、スターにする方もスターにする方である。
これ以上、嘘売春婦の、この時点での状況を説明したくはないのだが、彼の国に行くとCMの街で会い、1か月6000円のゲストハウスに泊まり、エアコンも無く、スーパーカブを借りて2人で走り回るのが日課となった。お金がないのだからこれが精一杯だ。本当は15万円くらい持って来ているのだが、このお金は全て、BJMとその田舎の家族、そしてその背後の役人に取られてしまったのだから、僕は15円のラーメン
食べるしかないじゃないか?そして、たまに田舎に帰る。それだけである。この田舎については、後で何度か、会社で赴任した後、出てくるのでもうここらで辞める。
就職前の自分の彼の国での状況については説明した。
これだけの嘘付きを、少しの期間でも愛したのだから(それが愛であるなら)、童貞は恐ろしい。ちょっと光の当たる具合を変えれば何が自分に起こっているのか分かった筈なのに。

