
60 右麻痺でベッドから乗り降りするということ
この一連の投稿は、フィクションとかノンフィクションとか書いていないが、当然ノンフィクションである。障害者一級の右麻痺の私が、普段、どのような苦労をしていて、どの様に工夫し、どの様に解決し、将来何処へ行こうとしているのかを語るページである。それを生活の順番から、説明して行く。そして重要な事は、あなたが思う程、深刻な思いと、酷い苦労をしているわけでは無いのだなと思って頂ければ、と思うのである。また、対象が何人であるか分からないが、同じ苦労をしている人の一助になれば、と思うのである。
前回まで、僕は目を覚まし、ベッドの上で靴下を履いた。靴下を脱ぐこともやってみた。あなたが、右麻痺なり左麻痺で痛感するのは、麻痺している足や、手は、当然ゆうことを聞かないし、僕の場合で言うと、リハビリをしなくては、どんどん硬くなる。これに靴下を履かせ様とすると、自分の上半身と足の距離が重要になり、それに麻痺している方向や硬さが人それぞれ違う。
前回ご紹介した靴下を履く道具も、決して右麻痺の為に作られたとは思えない。むしろそんなに特化したら、売れないのではないかと思う。「自分を道具に合わせる」これを肝に命じておいては如何と思う。
靴下を履き、靴を履いて僕はベッドに起き上がる。ベッドから垂直に足を出した状態で、座っている状況である。前回に続きベッドの写真を添付する。

障害者になったからには、自分の行動は、このベッドにかなり集約され、トムソーヤや、ハックルベリーフィンの様な自由は、求めても求めようがないと考えてもいい。
ベッドに座る座高は、このベッドで最高63cm。よく人に言われるが、僕は常に高い位置を選ぶ。僕の様に立ち上がるのに苦労する人間は、少しでも座高が高い方が、勝手が良い。低ければ低い程、立ち上がれなくなる。と言う事は畳の部屋も駄目だ。ベッドの横に車椅子を止めて移乗する必要があるのだ。

これは、上から車椅子とベッドの縁を取ったところである。そして、僕の右膝、この三つの位置関係が分かる様にしてみた。この車椅子の位置は、昨日の寝た時から変わっていないし変えてはいけない。これが絶対条件その一だ。それと、車椅子には、右と左に、黄色いパイプが付いているが、これがロックである。何をするにせよ、ロックをし、そこを原点として車椅子を離れ、車椅子に戻る。これが、絶対条件その二である。これを忘れていると痛い目に合うし、何度も痛い目にあった。
写真の状況から、ベッドから立ち上がり、にじりにじりしながら、お尻を車椅子に向ける。そしてなるべく腰を曲げお辞儀しながら、座る。ストンと。逆にベッドに座る時は、やはり立ち上がり、にじりにじりベッドに座る。難易度から言うと、ベッドから降りるより、ベッドに寝る方が難易度が高い。
それは、車椅子を動かしてはならないからだ。車椅子を飛び越えれ、ベッドに戻らなくてはならない。腹筋が必要で、最初の頃苦労した。
さて、これで僕は、介助無しで車椅子
とベッドを移乗出来るようになった。しかし病院に8カ月、施設で10カ月程で、やっとこさ、この状況だ。
それでは、来週は、朝の生活から右麻痺の障害を探してみよう。

