うどん
幼稚園とか小学校の、幼少の砌、
身体が弱かった私はうどんを、よく食べた。
うどんと醤油と、味付けに何を入れたのかわからない。
大きな鍋でうどんが溶けるまで煮て、
味が染み付くまで煮て、
ドロドロして、
そこに2、3個卵が入れてあった。
卵も、料理の初期に入れてあるので、
卵の黄身と白身がわからないくらいになっていた。
美味しかった、と思う。
年を重ね、鶏肉が入るようになり、
その鶏肉の脂の皮が好きだった。
それを拾って食べていた。
貧乏人だ。
うどんにコシなど無い時代である。
いいじゃないか。
それで。
学校で食べたうどんが忘れられない。
雑なプラスチックの包装が忘れられない。
プラスチックの包装が破れると、
何とも言えない粘土に似た匂いがしたものだ。
というか、粘土という表現も間違っているかもしれない。
文房具系の香りだった。
開くと意外に大量のうどんが出てきて、
その日の湿度によって、麺同士がくっついていた。
でも、それに載せるルーが、
僕の学校の場合はカレーで、
カレー登場の頃には、麺に感じるあの独特の匂いも、
感じなくなり、美味しかった。
中華丼みたいなのもあったが、
カレーには人気で叶わなかった。
麺が色々な方向に曲がっているので、食べるのに苦労して、
あちこちにカレーのルーが飛んでしまう。
ご飯なら飛び散らないのに、
とチョット不満はあったが、
何故か全部ご飯にしろとは思わない。
ご飯を8割くらい食べて、
たまに麺が2割くらいが日常のバランスで
丁度いいのだ。
それは今もそうだ。
高校の時に、母が家出をしてしまった。
それで、父が毎日料理を作ってくれた。
父親は大嫌いだったけれど、今思えば、こういう時は、
父親の義務は果たしてくれたんだなあと思う。
たまに料理ができない時は、
サッポロ一番の醤油ラーメンと
サッポロ一番の塩ラーメンが
殆どであった。
しかし、ある時からそのレパートリーに入ったのが、
マルちゃんカレーうどんである。
その時は呼び方を知らなかったが、
トロミが独特で、すぐお腹が一杯になった思い出がある。
薄いハムみたいなものが入っていた思い出があるが、
何かと勘違いかもしれない。
こういうののうどんは、大概キシメンみたいに薄い麺なのは、
何故だろうか?熱効率か?
それから40年、
沢山のうどんが出て来て(或いは発掘されて)コシだ、
何かと騒がしい。
ウチの親の田舎は秋田だが、
香川県の「讃岐うどん」、
あたりが日本三大うどんの候補に挙がるらしい。
私の昔の部下は、讃岐うどんの早食い大会の為に、
会社を休み、上位入賞したためテレビに出てバレ、
会社をクビになった奴がいた。
三大とか五代とか、
うどんに限らず人の味覚を
論じるのはやめないか?
美味しい物が、不味くなる。
合掌
日傘やサングラスは使ってる?
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