右半身と左半身①
「左半身君曰く」
疲れた。
体力は半分。
移動は全部。
水分は1人分。
飲むのは半々。
身体は痩せたとは言え、
重量全部が僕にのしかかる。
食べるのは1人分。
食べさすのはいつも僕。
風呂に入るのも1人分。
入れてあげるのはいつも僕。
トイレもそうだ。
出す声の力も半分。
でも出す声は1人分からそれ以上。
そしてお祈りは1人分から更にそれ以上。
夜ぐらいぐっすり寝たいのに、
君がゴソゴソ痒がるので、
目が覚める。
左は右の分まで働いている。
体力を使うんだ。
疲れてるんだ。
分かってくれ!
分かってくれよー
「右半身君………右半身君!」
返事がない。
利き腕として、
利き脚として、
今まで散々頑張って来たので、
休息を取りたいらしい。
そっとしておいて欲しいらしい。
もうちょっと待ってくれと。
おっと失敬!
これは僕の私見。
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