反省する事と揺るぎない事
この前、病院であった出来事には疲れた。
その疲れが昨日やっと取れたので、
君に知らせておく。
最初に問題になっていたのは、
隣で寝ている認知症の老人が臭いことである。
オムツをしているが、職員の話によると、
オムツの中は垂れ流し状態らしい。
普段寝る以外はテレビの辺りにいるが、
1日2、3回は部屋に戻ってきて、
オムツを取り換える。
正直ちょっと臭かった。
僕も臭いとは思っていたが、
同じ部屋のもう一人の友人Kは、
更に臭かったようで、
(多分鼻炎の僕より鼻が👃良いのだろう。)
午前中清拭の時に若い介助のお姉さんFに
文句を言ったのである。
「臭いよな、臭いだろう!」
男と言うものはどうしようもない生き物で、
同意を求められるとエスカレートしてしまう。
この爺さんの人格問題にまで話が行き着き、
部屋を変われなどと遠慮なしであった。
考えてみるといいすぎである。
この時点での反省は、
ともかく僕は金輪際年寄りの悪口は辞めた。
あの人達に改善できるわけがない。
ブログの話題としてはありかもしれないが…
僕は案として、
消臭芳香剤を支給してくれるようお願いした。
ところがこの意見に上述のF女子が反応した。
「こんな、安い、貧乏人ばかり来る病院に、
そんな経費の掛かるものを、期待しないで下さい!」
僕は唖然として、
その言葉は心の琴線に触れた。
その言葉を若い彼女から聞くとは思っていなかった。
彼女はKの清拭をしながら、
僕の表情を見て不味いと思ったのか、
カーテンを閉めて逃げた。
ダメなのだ。
こう言う馬鹿にされ方が一番許せない。
多分、あの国との間にもこんな事があったのだ。
いいですか?
僕はことあるごとに、
ここの皆さんをリスペクトしている、
と職員の前でも言ってきた。
自分をこの1年間、
大きな改善に導いて貰い、
この数日前には、
介助の人の介助がゼロになった。
その恩人自らが、
「こんな安い、貧乏人ばかり来る病院に、
そんな経費の掛かるものを、期待しないで下さい!」
と言う。
僕は怒り、目に大粒の涙がこぼれた。
こんなに泣いたのは久し振りである。
彼女が何に怒っているのかわからない。
でも、少なくとも我々を侮辱したい心があったのだろう。
オムツの爺ちゃんを虐めるからである。
でも、
だからと言って、
今日まで気を張ってやってきた障害者に、
いや最低の人間ではあるが取り敢えず人間に、
言ってはいけない事を言った。
また、もし自分をさして自虐的に言っているのなら、
更に言っては行けないことだ。
涙がこんなに疲れるとは思わなかった。
後で謝りに来たが、
多分僕が何に怒っているのか分かっていない。
人間は平等だ。
王様も平等だ。
餓死しそうな人も平等だ。
たまたま生まれたところで、
精一杯生きている。
それだけの事であり、
また、それが大事なのだ。
00000
0000000