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今日は献血記念日

 

5年ほど前、どうしても死ななくてはならず、

切羽詰まって退っ引きならず、

頸動脈を彫刻刀にて突き刺した。

他にも色々な方法があったのだが、

どうもこの死に方が、

死んだ後の絵はいまいちであるが、

主観的には静かな感じで気に入ったのだ。

 

その頃住んでいた家は、買ったばかりの3階建で、まずは美扇の母と、

赤ん坊の戸破を田舎に返し、それから美扇にこの家を引き払うので、

一人にしてくれと言い、向こうはすでに何度も自殺未遂をしているので、

信用せず、それでもこちらは強引に美扇を街の中のアパートに送り、

3階の部屋の閉じこもり決行を期した。

 

考えてみると、この3階の部屋は使った事がなく、ついこの間、

日本から遊びに来たNHKに勤める後輩が泊まったばかりで、

ここで死ぬにはちょっとと、何も無いのに躊躇われたが、

まあとにかく部屋には、或いは1階の応接には、お酒が🥃沢山あったので、

これを飲みながら、場所を清め、それから死んでも遅くはないと、

訳の分からない覚悟を決めた。

 

実は、少し前にも酒で死ねないかとやって見たが、あの時は、

安酒で、気が付いたら美扇の体を求めている有様で、自殺どころでは、

なかった。

もう今度こそ、後は無いのだ。

この世にいて、人よりはいい思いをした様にも思う。

いつまでも、いい思いをして居たかったが、それは無理というものだろう。

せめて、静かに苦しまず死にたい。

 

午後、部屋の鍵を全て締め、カーテンも閉めて、先ずはお酒だ。

いい酒だったとは思うが、そうゆう名前ほど名が出てこない。

ジャックダニエル、シーバス、ブラックラベル、マーテル、

ヘネシー、ワイン🍷5、6本、他にも銘柄を覚えていない酒を、

数本。こんなに飲んだ事は無いと言う量を、アテ無しに飲んだ。

でもやはり、こんな事で死ぬ訳はないのだ。

真夜中遅くに目が覚め、慄然とした。

頭痛すらしない。

 

それで、先週ホームセンターで買った彫刻刀を取り出した。

お酒がまだ聞いているのが救いで、私は残りのウイスキーで、

彫刻刀を消毒し、部屋のトイレの鏡の前で、首の右横をつき刺した。

でも、何も起きないので、更に深く彫刻刀を刺した。

そんな事を何度かやっているうちに、首の中で何かが弾けた。

そして、血は吹き出した。凄い勢いだ。

ああ、仏様、ありがとうございます。これでやっと死ねます。

3階のトイレが血で満たされ、どのくらいの時間が経った事だろう。

僕は目眩で立っておられなくなり、地べたに腰を下ろした。

「仏様、沢山の過ちをしました。子供達にも悪い事をしました。

どうか彼らが、幸せになる様に」

時間の続く限り、謝れるものは全てに謝ろうと祈り倒した。

だが、何故かこれだけの血が出ているのに、自分は正気だ。

あの時の僕の体重が90kg以上あり、今調べてみると血が約8kg

あって、これから3割が失われると人は死ぬ。

洗面所は結構大きく、畳2畳ぐらい。

ここ一杯に血が溢れていたのだ。

 

あれだけの血が流れても、人は死なないのだろうか?

とはいえ、まだ血は少しずつだが流れている。

だがその流血もいつしか止まってしまった。

頭もはっきりしている。

立ち上がって見ると、目眩がした。

しかし、目眩がしただけだ。

 

それから数時間、ボーッとしていた。

朝日が、僕の真っ赤な頬を睨め回していた。

「もう駄目だ。死ねない!」

まだ早朝だったが、周りの家の人がこの家のおかしな雰囲気に

気づいた様だ。

そして、美扇が半狂乱になってタクシーで現れた。

彼女の涙が頬を伝い、恨みの言葉が形にならぬ様だった。

とにかく病院と言うので、警備員に手伝ってもらい、僕を僕の車に乗せ、

警備員の一人が、運転してくれた。

いくつかの病院をたらい回しされ、

やっとたどり着いたのは、海軍の病院だった。

僕はそのあたりで気を失った様である。

 

後で知った。

その病院は、ついこの間崩御した

王様の名前を冠していた。

 

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