中川さんが、よく連れて来た江藤さんという女性は、このリハビリの大きなセンターを仕切ってて、歩けない人の歩けるリハビリ、
点滴をつけながらのリハビリなどリハビリの限界、可能性に
巨力し、何よりも安全に心を配る人である。
私は3つの病棟を周り、そのたびに担当のリハビリが変わった
が、この江藤さんだけは変わらない。
何につけ江藤さんの力が必要になる。
必要でない時、あなたはここを卒業する時だろう。
私は、人が変わっても同じ仕事が出来るように、という言葉を
信じない。やはり変えがたい仕事が出来る人はいるのであって、
大事にすべきだと思う、ただ出来れば、その旗で学ぶ弟子は必要だと
思うのである。
私が、脇の下に強い太いあったかみを感じた時、それは彼女が、大丈夫、次の一歩を踏み出せ、と後ろでそう呟いている。
この病院のどこへ行っても彼女がいる。
彼女には不動さんという若いお弟子さんがいて、大きな体で
キビキビと、サポートしてくれる。