HAREM SCAREMの「MOOD SWINGS II」 | 相良しゅーじの 『フォトグラファー日和』

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僕の好きなバンドHAREM SCAREMが復活した。
今後はどういう動きになるのかまだ分からないけど
新しいアルバムを先日リリースした。

セルフカバー・リバイバルという位置付けだけど、
聴けば分かる。これはニューアルバムだ。

『MOOD SWINGS II』



曲自体は全て1993年に発表した
彼らの代表作「MOOD SWING」そのもの。
当時の面影を今の彼らが再現した。

だからこそ、異なる部分もある。

またそれがいい。


このHAREM SCAREMは、
僕に大きな影響を与えたバンド、
そして僕の一番好きなロックバンド。

クラブチッタ川崎で来日初公演を行ったんだけど、
もちろん僕は観に行った。
そして彼らのレベルの高さに驚愕した。
曲、メロディ、構成、コーラス、演奏力、
全てが高いバンドってそうそういない。
そして、全てが好みだなんて、尚更。

そんな彼らでも、
90年代に襲ったグランジ、オルタナの波に飲まれ
思うような結果を残すことが出来なかった。
レコード会社のプロモーションにも恵まれなかった。
そして生き残ることが出来ず2008年に「HOPE」という
アルバムを最後に解散した。

皮肉たっぷりなHOPEというラストアルバムのタイトル。

ファンとして悔しかった。
能力が高くても、成功という次元は
全く異なるところにあって、彼らは
それを掴む事が出来なかった。

幸い、彼らは個々のスタジオワークが忙しく
解散後も音楽から遠のくことは無かったんだけど、
「いいものはいい」というのはいつの時代も変わらない。

そして今回、周りから再結成を望む声に
丁度MOOD SWINGSから20周年記念という節目もあり
それに応える形でアルバムを発売することになった。


しかし、ここには壁も立ちはだかった。

名盤を言われるアルバム「MOOD SWINGS」、
この版権はワーナーカナダが持ってる。
20周年記念盤としてワーナーがYesと言ってくれれば
容易に発売が出来たが、その答えはNoだった。
発売は出来ない、または版権を買い戻す必要があった。

「それなら、作り直せばいいんじゃね?」

さすが。

スタジオを所有している彼らには、レコーディングに
巨額な費用もかからないし、技術は進歩した。
それがMOOD SWINGS IIの制作に拍車をかけた。

しかも、単に「II」ではなく、ボーナストラック3曲、
さらにインタビュー、ドキュメント映像を収録したDVDに、
彼らの代表曲の3曲分のドラム・ベース・ギター・ボーカル
それぞれのオーディオトラックデータを収録している。
これは「購入したファンに自由にリミックスやアレンジで
オリジナルの曲にして楽しんでほしい」という、
彼らなりの粋な計らいだ。

自分たちの曲で自由に遊んでくれって、
そうそう言えることじゃない。

彼らには彼らなりの狙いがあるんだろうけど
このDVDはとても意味があると思う。

ライナーノーツにはMASA-ITOさんが
相変わらずな熱い文章で埋めてくれてる。
そういうのもファンにとっては何だか嬉しくなった。

このバンドを求めている人たちって、
実は沢山いたんだなって感じる。

もちろん、僕もその一人。

だから、興奮したし嬉しかった。

元気そうな彼らのインタビュー映像を見て
どこかホッとしてる自分と今も尚、現役で最前線で
頑張っているという映像に刺激を受けた。

色んな意味で、今の僕には必要なアルバムであり映像であり
やっぱりこのバンドは僕にとって意味のあるバンドなんだって
再認識した。

原点に立ち返ることの大切さを
思い知らされた、そんなアルバム。

「MOOD SWINGS」もいいけど、
「MOOD SWINGS II」凄くいい。

ハードロック、メロディアスハードロック、
カナディアンハードロック、余情派ロックの好きな方に
オススメです。
ちょいとテクニカル路線が好きなギターキッズ、
リフ・ソロのバランス方を目指したいギターキッズ、
参考になると思うから一度聴いてみてね。



ではでは。