さて、前回は悪性腫瘍による尿管圧迫のせいで急性腎不全を起こし、左右の腎臓に腎ろうを設置、連休明けにステント手術を目指す、というところで終わっていました。

今回はその続きからです。


連休明けの検査で、クレアチニンが1.0まで下がったので、こちらとしては尿バッグから解放されるためのステント手術をすぐに行うつもりでいました。

ただこれまでの主治医は4月で退職され、5月からは新しい主治医となったので、そこでやり取りが少しややこしいことに。


新しい主治医は、ステント手術に反対の立場でした。

理由は主に2点で、異物を体内に留置する事で感染症のリスクがあることと、せっかくステントを入れてもまた腫瘍で圧迫されて塞がれる可能性があること。

また呼吸器内科の医師なので、腎ろうやステントは専門でなく、泌尿器科の先生とのやりとりをいろいろしなければならず、その辺りが煩わしいというのもきっとあったのでしょう。

とはいえこちらとしても、ずっと尿バッグありきの余生は受け入れ難かったので、とりあえず感染症のリスクはどうしようもないので受け入れる、再度の尿管圧迫に対する備えとしては、ステント留置後も背中の腎ろうのカテーテルは残して再度繋げるようにしておく、ということでなんとか押し切り、5/10にステント留置の処置をしてもらいました。


その後はしばらく血尿や体内の違和感などがありましたが、一番辛かったのは感染症による発熱です。本当に起きてしまったか!という感じです。

術後5日目の夜にいきなり強い寒気を感じ、40度近い熱が2日ほど続きました。

検査の結果、尿と血液から同じ菌が検出されたので、尿管ステントに入ってしまった雑菌が血液にまで入り込んでしまっているとのことで、その後抗生剤の点滴を1週間程受けることになってしまいました。

ただ幸いにして熱も下がったので、以降は飲み薬に切り替えることができました。


その後は血尿も出なくなり、熱も平熱のまま落ち着いたので、いろいろ紆余曲折はあったものの、5/28に無事に退院することができました。

結局のところ、5週間以上入院していたことになります。

遠回りはしましたが、とりあえずおしっこバッグを外して退院することができたのは良かったです。


ただ現状としては、いつ何が起こるか分からない状態なので、病院で地元の訪問看護ステーションを紹介していただき、週に一度様子を見に来てもらっています。

また緩和ケア病棟のある病院にも紹介状を書いてもらい、そちらの外来受診も始めました。

がんの治療が終了し、日常生活が難しくなってきた段階でそちらの緩和ケア病棟に入院し、お世話になる想定です。

この辺りの段取りについては、病院付きのソーシャルワーカーの方に大変お世話になりました。自分ひとりでは何から始めて良いか、見当もつかなかったと思います。


現在の体調としては、必ずしも芳しくなく、横になっている時間が多いです。

腰と背中の張りがだいぶ強くなってきていて、もはやカロナールではいかんともできなくなってきてしまったので、緩和ケア外来で医療用麻薬を含んだ痛み止め(ナルサス錠、ナルピラド錠)を処方してもらいました。これはなかなか良く効いてくれますが、昼間も眠い時間帯が出てきてしまうのが難点でもあります。

また脇腹の腫瘍結節部の疼きや、腹膜播種によると思われるお腹のぞわぞわとした不快感も少しづつ強まってきています。お腹の不快感はとくに食後に出てきてしまうことが多く、少しぐったりしてしまうこともあります。

イレッサによる治療はまだ続けていますが、効果という面ではやはり難しいのかもしれません。


後はやっぱり5週間も入院していたので、体力の低下が著しいです。ある程度の時間歩いたり、立っていたりするのがしんどいので、通勤もまだ難しそうです。

できれば短い間でも、職場に一度は復帰したいと考えてきますが、体力の回復と疼痛管理がもうちょっとましにならないと、当面厳しいかもしれませんね。


とりあえずはまだ体がある程度動くうちに、いろいろ身仕舞の支度を済ませておこうと思います。

本当は連休中にやろうと思っていたのですが、まさかの入院となってしまったので、いろいろ手付かずで残ってしまっています。

もっと元気なうちにやっておけば良かったな、とも思いますが、今からでも少しずつやるしかないですね。


入院中に看護師さんにもいろいろ話を聞かせてもらったのですが、がんの症状の悪化は坂道のように緩やかに起きるよりも、下り階段状にがくんといきなり起きることが多いそうです。

今回の自分のケースもまさにそうだったと思います。

症状が急に悪化する前に、いろいろな備えをしておくことが大事であることを、身に染みて感じました。