皆様お久しぶりです。

3ヶ月ぶりのブログですね。

その間に、というかついこの間、大きな状況の変化がありました。


最後の1月のブログでは、TS-1の副作用がきつく、減薬予定というところで終わっていました。

その後、服用量を2/3に減らしたところ、副作用もかなり落ち着き、日常生活への支障はぐっと減りました。

腫瘍マーカーも緩やかに下がっていき、CT検査の結果でも、腫瘍は小さくなったり減ったりはしていないものの、現状を維持できていたようでした。


そんな形でなんとか4ヶ月ほどは現状を維持できていましたが、4/19の定期検査で状況がいきなり変わりました。

採血検査で、これまで1前後だったクレアチニンの数値が、いきなり4.83にまで上昇。医師いわく、腎臓が通常の1/4しか機能しておらず、腎不全になりかけているとのこと。

腫瘍マーカーも、3週間前までは13くらいまで下がっていましたが、いきなり30を超えてしまっていました。

緊急でCT検査を行い、どうやら腹膜播種が大きくなって、尿管を圧迫し、排尿を妨げているらしいことがわかりました。悪性腫瘍による腎後性腎不全という状況らしいです。


数日放っておくともはや命に関わると言われ、帰宅も許されず、そのまま緊急入院となりました。

その日のうちに右の腎臓に管を差し込んで腎ろうの造設処置を行い、尿はそこから排出する形になりました。つまりは人口膀胱ということですね。

まずは老廃物を排出しなければならず、水分は経口摂取では間に合わないので、点滴で水分を強制的に流し込むことになりました。


会社にも連絡を入れてお休みをいただき、入院すること1週間。

その時点で、クレアチニンの値は2.3まで下がったのですが、まだずいぶん高い状態だったので、今後のがん治療も含めた方針について、家族も同席のもと、主治医と話し合いを行いました。


がんの病状の所見としては、腹膜播種が内臓に悪影響を及ぼし始めており、腹水も出てきている。

今後は胃腸等の働きが弱っていくことが予想され、食べ物が食べられなくなったり、腸閉塞や感染症を起こすこともあり得る。

よって、予後は正直厳しい状況である。

おそらく今後、半年や一年といった単位の余命は期待できない。おそらくは数ヶ月単位。場合によっては23ヶ月。


以上を踏まえた上で、腎不全の治療と、がんの治療を今後どうするか、ということを決める必要がありました。


まず腎臓の方については、悪性腫瘍に尿管がふさがれてしまっている以上、腎ろうを続けるか、それともステント手術を行い、尿管の経路を確保するかの2つの方向性がありました。

これについては、短い余生とはいえ、腎ろうのままだと今後のQOLが著しく下がりそうなので、ステント手術をしたいとの希望を伝えました。

ただ前提条件として、クレアチニンの数値がもっと下がっていないといけないので、左側の腎臓にも腎ろう造設を行うことになり、翌日処置を行うことになりました。


そしてがんの治療については、今回の急性腎不全のせいで、腎臓に負担の少ない抗がん剤を使う必要が生じ、選択肢は狭まってしまったとのこと。

分子標的薬がより腎臓への負担が少ないらしく、タグリッソかイレッサかの提案がありました。

ただいずれにせよ残された時間は少ないと考えられるので、治療を続けるならこれがラストチャレンジになる可能性が高い。なので服用するなら早く始めた方が良いとのこと。


これについてはかなり迷いましたが、2ndラインでタグリッソを使った際の効果がもうひとつで、5ヶ月程度しかもたなかったことを改めて伝えたところ、主治医もそれではイレッサがいいかもしれないですね、との意見。

症例としては少ないが、イレッサやタルセバなどの分子標的薬による治療歴があり、他の化学療法を挟んだ後にイレッサが再び効いた、という事例はいくつかあり、自分の患者の中にもわずかではあるが居る。どちらかを選ぶのならば、まだイレッサの方が可能性はあるかもしれない、ということでした。

とはいえイレッサの方がタグリッソより副作用は強いので、腎ろうの状態で副作用管理をすることには不安もありました。

それでもどのみち連休中は入院しているし、副作用がきつければ服用感覚を空けるといったこともできるそうなので、イレッサで行くことにしました。

ここに来て、自分がずっと気になっていた、いわゆるイレッサローテーションを試すことになるとは思いませんでしたが、最後に自分の疑問に自身で白黒つけるのも良いかと思っています。


以上がこれまでの経緯です。

その後、4/26に左の腎ろうの処置も行い、4/28よりイレッサの服用を始め、点滴による水分注入を続けて、本日に至ります。

先日の採血検査で、クレアチニンが1.12まで下がったので、今後ステント手術ができる見込みが増えて、ちょっと気持ちが明るくなっています。

できればおしっこバッグとはおさらばして余生を送りたい、というのが、今の一番の希望ですね(笑)


その前に、まずは日常生活に復帰することが当面の目標です。

今のところ体調は入院前より良いくらいで、お腹と腰の張りも楽になってきているので、このままの状態が長く続いてくれることを祈っています。