龗一族とのお話。@.171
オトヨ様とのおはなし。
夕方にボランティア活動から帰ってきて日記を載せた後、夕飯を食べようにも満腹感と胃痛で食べぬまま布団に入ると、フッとオトヨ様がいらっしゃいました。
オトヨ様「おや、食べないのかい?どうしたんだい?」
萬戒「お腹すいてなくて…」
オトヨ様「食べなきゃダメだ、それは脳の錯覚だよ。胃が引き攣ってしまっている。昨夜も邪魔だったこの……!ああ、ほぐしてあげよう、少し目を瞑って…」
萬戒『!!!』
目を瞑ると、急に胃がゆるんと柔らかくなった感覚があり、おどろきました!
オトヨ様「ほら、これで食せるだろう、いってらっしゃい」
夕飯を部屋に持ち込んで食べようとすると、オトヨ様がお話になりました。
オトヨ様「秋野菜と春野菜じゃないか…しっかり温めたかい?!」
萬戒『崇一朗兄さんみたいだな…!?』
オトヨ様「…肉もしっかり食べるんだよ」
夕ご飯が一瞬で無くなり、他にもおかずを食べようかと思いましたが、止めました(笑)
萬戒『オトヨ様はお肉食べるのかな…?』
オトヨ様「私は肉食だよ」
優しい口調でドスの効いたお返事がきました(笑)
萬戒『あの時子ネズミさん食べられなくてよかった…』
オトヨ様「おいおい、フフッ、あの子ネズミは干支の遣いなんだ、食べるわけが無いよ。他は食べるが」
オトヨ様の顔が一瞬目が笑ってない気がしました…(苦笑)
ふと、お腹が暖かいことに気づき、腹を見るとオトヨ様の腕が見えました。
私のお腹を暖めてくださっていたのです。
萬戒『あー、こんな旦那さん欲しいわー』
オトヨ様「ちょっとそれにはまだ早いかな…フフフ」
考えが読まれるのは厄介です(笑)
オトヨ様「私は君の考えが読めている訳ではないのだよ…。君の頭の中の言葉がこちらに伝わってくるんだ、心の声とともに…フフ」
Σ( ´・ω・`)不穏です
オトヨ様「そういえば…朝は何度か私を呼んだかい?すまないね、朝の日差しは一番鋭くて堪えるんだ。それで日差しが緩くなるまで寝ていたよ」
萬戒「オトヨ様は、いつもどうやって…」
寝るのか聞こうとしましたが、野暮なことかと思って止めました。
オトヨ様「木の上か下で寝ているよ」
オトヨ様「というのは半分嘘だが、普段は私にも屋敷があるんでね、そこで寝ているよ」
萬戒『半分は野外で寝てるのか…』
オトヨ様「表で寝ていると、たまに獲物が通るからね…」
萬戒『食うてるんかい!』
オトヨ様「食うてるでぇ」
いきなり出たオトヨ様の関西弁にビックリしましたが、お話していて気づいたのが、オトヨ様のお話しのイントネーションが関西弁だった事に気づきました(笑)
オトヨ様「私は京に都が建つ前から居る。時には堺から来るものの言葉をも聞く。けれど聴こえが美しくないから喋ることはないね」
萬戒『大阪弁控えとこ…』
オトヨ様「フフ、君らしく喋ればいいんだよ」
ふと、どうすれば考えを読まれずに済むかボケーっとした顔で考えていると、
オトヨ様「そんなに読まれたくない考えがあるのかい…?いつも疚(やま)しい事では……ないだろう?」
萬戒『うーん、腕が良いなあとか、腕が良いなあとか、腕が良いなあとか』
腕と肩と僅かに見える胸筋をガン見しながら黙々と考えてしまい、
オトヨ様「ハハハ、君は私の腕を食べる気かい…?獲物を見る猫のような目で見つめられては、私も困るよ…フフ」
萬戒「あ、いいえ!腕とか、模様や筋が…芸術的で……」
オトヨ様「ハッハッハ、芸術的だって?まさか…フフフ、ありがとう」
その時に笑顔の向こう側で動いたオトヨ様の太く長い足が翡翠のような緑色だと、初めて気づきました。