ぁ。ども…おこんばんちわ〜〜今日もお疲れさまですカエルケロ音譜


今日の昔ばなしはにっこり

ズルいキツネさんのお話🦊


ほんじゃ〜〜口笛

「きつねのボッケ」(初回放送1982年5月29日)

語り(市原悦子)

三右衛門(常田富士男)

きつね・おっかあ(市原悦子)


宮城県の昔ばなしです。

https://youtu.be/MD4o7bIhJsA?si=iELlSmNBesa4RqUv


昔…塩釜の西町に、三右衛門(さんえもん)という百姓が住んでおってな、大ひなたに畑を作っておったんじゃ。


その畑が、夜になると荒らされるんで困り果ててな、こりゃ、きつねの仕業に違いねえと…


三右衛門はある日、畑の小屋に陣取って、夜になるのをじっと待つ事にした。


「きつねの野郎…今夜もきっと出てくるべ。来たらば、野郎とっちめてやっぞ」


三右衛門は夜が更けても、辛抱強くじっと待ち続けておった。



やがて、子の刻を回った頃の事だ。


畑の向こうに、とても美しい光が見えた。


やがてその光は、点々と分かれていった。


「ほう…きれいなもんだなあ…これが、きつねの嫁入りっちゅうもんだな?」


と、三右衛門は暫く、その光にうっとりしておったが…


「きつね?……そうだ、見とれている場合でねえ…きつねの野郎、とっちめねばなんねえだ!」


我に帰った三右衛門は、その光に向かって突っ走った。


「こら!きつねの野郎!毎晩毎晩オラの畑さ荒らしおって……だあーーーっ!」


と、持っていた鍬(くわ)を思い切り投げつけた。


すると、光は一瞬にして消えた。


「おんや?なんか落としていったぞ…」


三右衛門は、そこに何かが落ちているのを見つけ、そろそろと近寄ってみた。


「こりゃ、きつねのボッケだ…きつねの野郎、泡食って落としていったな?」


三右衛門は、きつねの落としていったボッケを拾うと…


「ボッケ」というのは、きつねの被る帽子だがな…


それを拾って、その晩は引き揚げる事にした。



「おっかあ、今帰ったど」

「三右衛門か?ずいぶん遅うまで頑張ったな?」


おっかあが、家の戸を開けて見てみると…


「ありゃりゃ…?」

どういう訳か、三右衛門は花嫁姿になって立っていた。


「お前…き…気でも狂ったんか?そげな格好して…」


三右衛門は、頭からボッケを取ってみると、だんだん元の姿に戻っていった。


「おやまあ…びっくりした。どういう不思議だべ?」


三右衛門は、きつねのボッケを被って帰ってきたが、自分が花嫁姿に変わっていた事には気づいてはいなかった。


「こりゃきっと、このきつねのボッケのせいだ」


そこで、三右衛門はおっかあに、きつねの嫁入りの事など詳しく話して聞かせた。



それから、日が変わった晩の事だ。


三右衛門は、畑から帰ると馬小屋にろうそくを立てて、馬に裾湯を使わせておった。


すると背後から、誰かに呼ばれた。


「三右衛門さ…」

「だっ…?」


三右衛門が驚いて振り向くと…


「なんだ、イタズラきつねでねえか?脅かすでねえ…」

「三右衛門さ…実は、ボッケを返してもらおうと思って…」

「ダメだダメだ!あれは、オラの畑を荒らした罰に取り上げたもんだ。返さねえ」

「あれは、オラの嫁さんのボッケで…あれがないと、婚礼ができないんで困っている」


三右衛門は、ここで少しきつねを懲らしめてやろうと思った。


「ダメなもんは、どうしてもダメだ!」


ところが、きつねは諦める事なく…

「三右衛門さあ…オラどうしても、嫁さんもらいてえ…もう畑を荒らす事もしねえ。頼むから、ボッケを返してけろ。この通り!三右衛門さあ…」


そう願うキツネの目には、涙がキラリ…


それを見た三右衛門は、つい…

「仕方ねえ…そんじゃ、ボッケの代わりに何か、珍しい物を持って来い。そしたら、ボッケと替えっこしてやっから」


きつねは、ふと三右衛門のそばにあったろうそくを見て…


そして言った。


「分かった。そんじゃ明日の晩、必ず珍しい物を持って、また出直してくる事にするべ」



次の日、三右衛門は畑仕事をしながらも、きつねのやつがどんな珍しい物を持って来るか、楽しみでなんなかった。


そして、一仕事終えて家に帰ると、おっかあに昨夜の事を話した。


「きつねの野郎、嫁っこもらいたいばかりに、べそかいておった」

「あんまり、いじめるもんでねえぞ」


三右衛門は、いつもより早めに飯を済ませると早速、馬に湯を使わせながら、きつねを待っておった。


やがて、きつねが現れた。


「三右衛門さ…来たぞ」

「来たか来たか。さあ、ボッケと取り替える珍しい物を出してみせろ」


するときつねは、ろうそくの火をふっと吹き消してしまった。


「何するだ?暗くしてオラを化かす気なら、そうはいかねえぞ!」

「きつねは、人を騙すような悪い事はしねえだ」

「何言うだ?いつも騙してるくせに…さあ、このボッケとどんな物と取り替えるつもりだ?」

「これだ」


きつねは何やら、すりこぎのような形をした棒っきれを出してみせた。


「なんだこりゃ?ただの棒っきれでねえか?人をバカにすんな!こんなもん、珍しくも何ともねえ…」


するときつねは、得意げにこう言った。


「三右衛門さ、その棒を振ってみろ。フフフ…」

「え?こう…?」


三右衛門は、言われた通りに棒を振ってみると…


不思議な事に、その棒の先にばぁっと灯りがついた。


「おおっ?こいつは、おもしれえ。あんばいのいいもんだ」

「さあ…そんじゃ、ボッケを返してけろ」

「おっ?よしよし…約束通り返してやる」


その、不思議な棒がすっかり気に入った三右衛門は、気を良くして、あっさりとボッケを返してやった。


「三右衛門さ…それじゃオラ、これで…」

「ああ。夜道に気いつけて帰れや」


きつねは、ボッケを取り戻すと、意気揚々と帰っていった。


「こりゃ、ええ物と取っ替えた。これがありゃ、もう毎晩ろうそくを使わなくても、馬っこを洗ってやれる」


ところが暫くすると…



棒からフッと灯りが消えた。


「あん…?」


それで、何度も何度も棒を振ってみたが…


その棒が光る事は、もう二度となかった。


そこで三右衛門は、はっと気づいた。


「きつねの野郎…騙したな?」



そんでもって、きつねのいたずらがやまったかというと、そうではねえ。


相変わらず三右衛門は、いたずらぎつねを取っ捕まえようと、畑の小屋に頑張っているというだ。


おしまい。




ありゃ〜〜すっかり騙されちゃいましたねえ魂が抜ける


三右衛門さん…人が良過ぎるなあねー


最初にキツネが現れた時に、なんでとっ捕まえてふん縛っておかなかったかな〜〜大あくび


勿論ボッケも取り上げたままでにっこり


そうしておけば、あんな騙される事もなかったし、その後も畑が荒らさる事もなかったやろうに泣き笑い


キツネの涙を見て、情に絆された三右衛門さんの負けやな絶望


まあね…昔ばなしにはよくキツネの出てくる話も多くて無気力タヌキも😅


特にキツネは、一度人間から酷い目に遭わされたら必ず復讐に来るなんて、怖い話もあったりするねんけど滝汗

この前の「キツネの恩返し」みたいな、ほっこりな話も勿論あるけどね🥰


けど、だからって無闇に手出しできないのをいい事に、騙され放題で結局泣き寝入りでは、何の解決にもなってないやんねチーン


よく言うじゃないですか…騙されまいと身構えている者ほど騙されやすいってね魂が抜ける


また今の時代…また特に春とか新生活の時期は多種多様な詐欺が横行していますしグラサン


決して自分は騙されないと過信しないで、お互い気をつけましょうね〜〜泣き笑い





以上、本日ここまでどす🙇‍♂️

訪問が化かされるほど遅れております…毎度ゴメンやす絶望


では〜〜明日もご安全に〜〜照れ

おーきにです〜〜ほなね〜〜バイバイチュー笑音譜