https://youtu.be/rsapn9j3euw?si=YLi9FFlK6gGQvBg8
むかし、かもとりごんべえという鉄砲撃ちがおったぞな。
鉄砲の腕は、それはもう下手クソで、鴨にバカにされてばかりおったそうな。
そんな時、ごんべえは考えた。
「あ〜〜あ…何とかして、一度に100羽の鴨を取れねえもんかな…そんなら、おもしれえんだがな?」
とまあそんな訳で、ごんべえはある日、古い鉄砲をかき集めて、一度に何発も弾の出る鉄砲を作ったそうな。
次の日、ごんべえは鉄砲を担いで、裏山の池へと出かけた。
ところが、鴨は4〜5羽しかおらなんだ。
と、早速鉄砲を構えて…
ズドーーン!
ところが…
「あれ〜〜…一発も当たらねえだか?オラもう嫌になっちまうだ…」
それでも、ごんべえはどうしても、一度に100羽の鴨を取りたかった。
そこで、ない知恵絞って考えたが、ある日…
「そんだ!冬になったら、いい手があるだ。ハハハ〜〜そうとなったら、寝て待と♪」
と、ごんべえはゴロリと横になってしもうたそうな。
さて、冬になって、ある日の事…
よし…これくらいしばれていれば大丈夫…と、かもとりごんべえは、古い縄を引っ張り出して、池へと向かった。
と…
うひゃあ〜〜!いるわいるわ…鴨100羽!
「夢でねえだべな?うひゃあ〜〜ホンマだホンマだ!」
そして、凍った池の中へ入って…
「うへへ…しめしめ、すっかり凍っとるわい♪」
凍った鴨を持ち上げて…
「なんとまあ、眠ったまま凍っとるわ…なお結構♪」
えっちらおっちら…後はもう縄をかけるばかりじゃと、ごんべえは一晩中、鴨を縛って回ったが…
最後の鴨に縄をかけてみると、ちょうどこれが99羽。
「ま…1羽足りんが、ええじゃろ。何しろ、夢みたいな大儲けじゃ!ハハハ〜〜♪」
かもとりごんべえは、こうして99羽の獲物を引き連れて、意気揚々と引き揚げていったそうな。
ところが…
ところが朝になって、日が出てきた。
凍っとった鴨たちも、お日様の光でだんだん解け始めたぞな。
鴨たちは、どんどん目を覚ましていったそうな。
なんにも知らん、ごんべえは…
「あれ…うわあっ!」
気がついた時には、鴨たちは一斉に空へ飛び立った。
「た…た…助けてくれ〜〜っ!お〜〜い!だ…だ…誰か〜〜っ!」
99羽の鴨たちは、空高〜〜く飛んでいった。
ごんべえも仕方なく、空を飛んでいったぞな。
そのうち、ごんべえの手が疲れてきて…
縄を握っとるのが苦しゅうなった。
遂に、ごんべえは真っ逆さま…
「助けてくんろ〜〜!」
落ちたところが、粟畑じゃった。
「何じゃな、これは?」
「この人、天から降ってきただが、気の毒な事に、目ぇ回しちょるよ?」
ごんべえは、夢でも見ているのか…
「くわ〜〜!くわ〜〜!」
寝たまま、鴨の鳴き真似をしておった。
「このお方…鴨の生まれ変わりじゃねえか?」
すると、ごんべえはガバッと身を起こした。
「くわ〜〜っ!」
「まあまあ、落ち着きんさい」
「あれれ…あれえ?」
村人の1人が聞いた。
「お前さん、天から落ちてきなすっただが、鴨の親類だかな?」
「へ?鴨の親類じゃと…あ?」
ごんべえは、やっと気がついて、村の衆に今までの事をみんな、話して聞かせたそうな。
村の衆は、たんとおもしろがり…
それなら、ここでしばらく粟採りでもして働いていったらええと言うてくれたそうな。
さて…次の日から、ごんべえは粟を刈りに出かけた。
ところが何日かすると、またまた悪い癖が出て…
「あ〜〜あ。まあ疲れるなもう…それにしても、ち〜〜っとも貯まらんな。何かこう、一度にドサ〜〜っと採り込む方法はねえもんだべか?」
そうして、明くる日…ごんべえは、特別大きな粟の実がドサ〜〜っとなっとるのに出会ったそうな。
「うひゃ〜〜!こりゃ、ありがてえ♪」
これなら、籠がすぐ一杯になるぞ!
と、ごんべえは大喜びで、バサっと粟に鎌を入れた。
すると…
「あれ……うひょほ〜〜?うわあ〜〜っ!」
「あれ…また飛んで行くだよ?」
「ひゃあ〜〜…今度は、どこへ行くだかな?」
ごんべえは、またまた空高く舞い上がり、飛んで飛んで…
落ちたところが、見知らぬ町の用水桶じゃったそうな。
「何だか落ちてきただが、何じゃろうのう?」
「何じゃろうのう…」
「なんだ、人間でねえだか?」
「んだんだ、人間だ。天神様じゃろうか?」
「それにしては、薄汚い天神様じゃのう?」
みんなが、あんまり騒ぐので、ごんべえ恥ずかしくなって、逃げ出した。
そして着いたのが、どういう訳か、傘屋じゃったそうな。
「どなたですじゃ?」
傘屋は、ごんべえの話を聞いて、たいそうおもしろがった。
そうして、しばらくここで働くがよいと言ったそうな。
ごんべえは次の日から、傘屋で働いたそうな。
せっせせっせと、傘に油を塗っとったそうな。
ところが、ある日…
ごんべえが、傘を庭に干しておると、急に強い風がサ〜〜っと吹いてきて…
傘が1つ飛ばされた。
「こ…こら!待たんか!おい!待て待て!待て〜〜っ!」
やっと傘をつかまえたと思ったら、そのまま…
ビュ〜〜ンと、またまた空に舞い上がっていったそうな。
「ひゃあ〜〜っ!」
「よくよく空のお好きな方じゃのう…」
ごんべえは、傘につかまり、ふ〜〜わり、ふ〜〜わり…
野越え山越え、飛んでいった。
「ワシは、よくよく空に縁があるなあ…」
ごんべえは、ほとほと自分でも感心したが…
こう度々空を飛んでいると、空を飛ぶのが何やら楽しゅうなってきた。
「フフフ…こりゃこりゃ結構な眺めじゃな♪」
ところが…
ところが、急に強い風が吹いてきて…
「ありゃりゃ?傘が…傘が〜〜…あれ〜〜っ!」
ドボン!
「あれ…何だか、見たような池じゃが…あれ〜〜?」
落ちたところが、元の裏山の池じゃったそうな。
昔なじみの鴨たちが早速、ごんべえをからかったんじゃと。
「こら!今度こそ必ず100羽まとめて取ってやるからな〜〜っ!」
何度も空ばかり飛んでいて、ごんべえは何の獲物も取れなんだ。
ところが…
「ん?……あれ〜〜っ?」
「どじょうでねえだか?こりゃあ、どじょうの大漁じゃあ!」
ももひきの中に、どじょうがうじゃうじゃ…
「鴨は取れなんだが、今日のところはどじょう100匹じゃ!だが見とれ?今度こそ、鴨100羽つかまえてやるだで?」
ごんべえはそう言って、自分のうちへ帰っていったんじゃと。
ほんにご苦労な事じゃった。
おしまい。
場面が小気味よくというか鮮やかにというか、みるみる急展開していく様子が何とも楽しい話やなと思います
風が吹けば桶屋が儲かる的な
ちょっとちゃうか
それより、ごんべえさん…まだ懲りずに鴨100羽取るとか言っていましたが🦆🦆🦆
その後また鉄砲撃ちに戻ったんやろか
なんか才能なさそうやし、転職したほうがよさそうな気がするけど
それに、あれだけ鴨さんたちと長い付き合いになったら、すっかり情が移ってよう取られんくなりそうやけど
って、余計なお世話か
それはそうと、えっと…最後に取れたどじょうたち
ももひきって、裾が筒抜けよね…持って帰る時、裾から抜け落ちんかったんかな
とか、またまたそんな余計なところばかり気になって、アカンなワシ
この話、私は絵本でも馴染みのある話でしたが、熊本県の話でしたか〜〜それは知らなんだ
熊本県って鴨が多いのかな🦆
鴨は確か、渡り鳥やよね
余談ですが、実家近所の池にも鴨さんがたくさんいます🦆🦆🦆カモ〜〜ン
1月に撮ったやつ。
もっと昔はアヒルが住んでいたのですが…知らん間に、鴨の池になっていました…なんでやろ謎〜〜😅
ちなみに「びじゅチューン!」でおなじみの井上涼さんの出身地の小野市にも、わりと大きな鴨池がありますよ🦆🦆🦆
今年も行けなんだけど…来年は行きたいな
さて次回は
不思議でちょっと奇妙なお話
以上、本日ここまでどす🙇♂️
訪問がアホほど遅れております…毎度ゴメンやす
では〜〜明日もご安全に〜〜
おーきにです〜〜ほなね〜〜🦆