ぁ。ども…おこんばんは〜〜今日もお疲れさまです犬わん音譜


今日の昔ばなしは指差し

その土地の由来話かなにっこり



ほんじゃ〜〜口笛


「赤神と黒神」(初回放送1976年9月18日)

語り(常田富士男)



秋田県の昔ばなしです。

https://youtu.be/egYau0AnBHs?si=W2XAASGKyaUms-j4



昔むかしの話じゃ。

十和田の湖にな、1人の女神が住んでいたんじゃ。

奥入瀬川(おいらせがわ)に雪解け水が流れ込む頃になるとな、日もあったかだで、女神は機(はた)を織りながら、歌を歌うたんじゃ。

その歌は、ブナの森を通り抜けてな、遠い遠い山々まで流れていったさ。


その頃、秋田の男鹿半島にな、赤神(あかがみ)が住んでいたんじゃ。

赤神は笛を吹くのが好きでな、毎日毎日1人で、男鹿の岬や、二ツ目潟や、八郎潟のほとりでな、笛を吹いていたさ。

そしたら、陸の方から優しい風が吹いてきてな、その風に乗って歌が聴こえてきたんじゃ。

赤神は笛を吹くのをやめてな、じ〜〜っと耳を澄まして、その歌声を聴いた。

そのうち赤神は何だか、その歌声が自分を呼んでいるような気がしてな、岬を上ると、高〜〜い山に登って、その歌の聴こえる方を眺めたんじゃ。

山を越えたず〜〜っとず〜〜っと遠くにな、ブナやカエデの大きな森があってな、その森に囲まれて湖がキラキラ光っていた。

歌は、そっちの方から風に乗って聴こえてくるさ。

赤神は山を下りて、そ〜〜っと湖に近づいてみたんじゃ。

湖じゃあ、女神が機を織りながら歌っていたじゃ。

赤神は、女神を一目見ると、きれいな人じゃあ…って言ってなあ、いっぺんに好きになってしまったさ。

それからっちゅうもの、赤神は毎日、山を越え谷を渡って、女神のところへ遊びに来た。

赤神は、女神の歌う歌に合わせて笛を吹いたり、水の玉なんかで遊んだりしてな、随分楽しくしていたんじゃ。


ちょうどおんなじ頃な、津軽の龍飛には、黒神(くろがみ)が住んでいたんじゃ。

黒神は荒っぽい気性でな、いつでも4頭の龍を従えて、空を駆け回っていたんじゃ。

ある日な、黒神は虫の居所が悪くてな、雲を巻き起こして暴れ回っていたさ。

いくら暴れても、腹の虫は治まんねえ。

そこで、八甲田山に駆け上がると、頂上の頭を蹴り飛ばしたさ。

それでも、腹の虫が治まんねえ。

どうしたもんだろうと、辺りを睨みつけているとな、どこからか、きれいな歌声が聴こえてきたんじゃ。

誰が歌っているんじゃ?

黒神は、耳を澄ましてその歌を聴いた。

すると、腹の虫もたちまち治まってな、何だかうっとりするような、いい気分になってきたんじゃ。

黒神は、誰が歌っているんじゃろう?と思ってな、山を越え谷を越えて、十和田湖までやって来たんじゃ。

湖では、女神が歌っていたさ。

黒神は、女神を一目見るとな、なんてきれいな人だあ…と言ってな、いっぺんに好きになってしまったんじゃ。

それからっちゅうもの、黒神はな、鯨がとれたっちゃあ鯨を持って、猪がとれたっていっちゃあ猪を持って、女神に会いに行ったんじゃ。

黒神は、女神のところに行っちゃあな、荒れ狂った海を渡る話や、渦巻く雲に乗って空を駆ける話をしたさ。

何だかそうしていると、黒神は自分の体ん中に、不思議な力が湧いてくるような気がしたんじゃ。


やがて夏が来てな、湖の水はお日さんの光でキラキラ眩しいほど光った。

でもな、女神の胸ん中は、日を増すごとに暗くなっていったんじゃ。

それはな、この頃では、赤神と黒神が湖で顔を合わせちゃあ、自分の事で言い争いをするようになってしまったんじゃ。

女神は、心の優しい赤神も好きだったし、荒々しい黒神にも惹かれる。

だけどこればっかりは、両方とも好きだって言ったって治まらねえ。

それを思うと悲しくて悲しくて、身が裂けそうになるんじゃ。


そんなある日の事じゃ。

とうとう赤神と黒神は、力を競って喧嘩になっちまった。

赤神は、鹿の群れを飛ばして黒神に迫り、黒神は、4頭の龍を飛ばして赤神に迫る。

喧嘩は、だんだん激しくなってな、そりゃあもう治まるもんじゃねえ。



女神はただ、ハラハラして見るよりしょうがねえ。

空には、いっぱいに黒雲が渦巻き始めてな…


地上は山鳴りがゴーゴー音を立て、湖の水は荒れ狂って波立つ…大変な事になってしまったんじゃ。

その事を知った、陸奥(みちのく)の神々はな、この喧嘩を見物しようと、津軽の岩木山に集まったさ。

赤神を勝たせたいと思う神は、山の左手に…

黒神を勝たせたいと思う神は、右手にとな…

2つに分かれて、それぞれを応援した。

こん時、黒神に味方する神の方が数も多くてな、乱暴者ばっかりなもんでなあ…

大声あげて、足を踏み鳴らしているうちにな、あんまり激しくするもんで…

とうとう、岩木山の右肩は踏み崩されて、低くなっちまったというんじゃ。


赤神と黒神の喧嘩は、両方が力いっぱいに争うから、なかなか勝負がつかなかった。

それでも、やっぱり黒神の方が力が強くてな…

氷で研いだ剣を振り上げて、力の弱った赤神の鹿の群れの中に龍を飛ばして、一気に突っ込んだ。

そして鹿を片っ端から、天高く吹き飛ばしてしまったんじゃ。

赤神も、黒神の剣に突き刺されて、怪我をしちまったさ。

赤神は、傷から落ちる血でな、地上を赤く染めながら、男鹿の半島に逃げて行ったんじゃ。


勝った黒神は、大声で勝鬨(かちどき)を上げるとな、龍に乗って天高く舞い上がった。


やがて、空の雲も去ってな、湖の水も静かになったさ。

黒神は、これで女神は俺のもんだって思ってな、湖に降りてきたんじゃ。

だけど、湖のどこにも女神の姿はなかった。

女神は、喧嘩に負けて傷ついた赤神が可哀想だと言ってな、男鹿の半島に赤神を追って行っちまったんじゃ。

黒神は、それを知るとな、くたびれた重い足を引き摺りながら、仕方なく津軽に帰っていった。


もう津軽じゃ、雪が舞い始めてなあ…

黒神は、龍飛に辿り着くと、ドス〜〜ンと腰を下ろしてしまったさ。

そして、大きな溜め息を何度もついた。

あんまりにも、その溜め息が凄いもんでな…

黒神の足元の地面が、ミシッミシッと裂けてしまったんじゃ。


こん時から、津軽と蝦夷(えぞ)は2つに裂けて離れたという事じゃ。

その間の海が、津軽海峡になったという話じゃ。

おしまい。



この話は、私が物心つく前に放送された話やったから、少し大きくなってからアニメ絵本で初めて読んで、その後テレビの再放送で見た話でした無気力

とはいえ、まだ小学生の私にはイマイチ意味が分からんかったねんけど大あくび


しかしまあ、今またこーやって改めて見てみると、女神も罪な人ですよね…両方好きなんて汗うさぎ


まるでこのCMみたいねー

画像は拝借した。



ほんで、なかなか決められへんから驚き


画像は拝借した。

こーなってしまった…なんちゅー贅沢な悩みやろう泣き笑い



すいませんちょっとフザけてしまいましたウシシ←悪気ゼロか🤣



にしても、神とは名ばかりとゆーか、随分人間っぽい感情を持った神たちですなねー


まあ…女神が赤神を追って行っちゃったのも分かる気がするけど無気力


勝ったのに取り残された黒神って、一体…滝汗


なんか妙に不憫でないかい泣き笑いはてなマーク


つまり「負けるが勝ち」とゆーか、力だけでは勝てないって事なんでしょうねねー


てゆーか赤神そんな流血して…ありゃ致死量やろ昇天

それとも神様はあれぐらいでは死なないのかな😅



結論にっこり


画像は拝借した。

って事か泣き笑い

KANさ〜〜ん見てるかな😆?

アナタの言葉は正しかったんですね😊



それはさて置きウシシ



今回の話は、その土地の由来話無気力

太古の神々の仕業で、その土地が成り立つという話は、日本のあちらこちらにありますよね指差し

昔ばなしにも、土地の由来話が色々ありますニコニコ
きっと世界にもあるでしょうね☺️

その殆どが、神様の仕業やったりしますウシシ


今回は、津軽海峡の成り立ちの話でしたが、そっか〜〜黒神の仕業やったんやなねー

黒神がもしあの時勝っていたらにっこり←いや実質勝ってるんですけどね🤣

溜め息なんかつく事もなかったやろうから魂が抜ける

ひょっとしたら、津軽海峡は出来なかったって事になるのかなゲラゲラ笑い

じゃあ石川さゆりさんのあの名曲も、誕生しなかったかもねウシシ

ちなみに「津軽海峡冬景色」は、この昔ばなしが放送された翌年の1977年にリリースされたそうですニコニコ←調べた😁

そっか、昔ばなしのほうが先やったんか〜〜そりゃ知らんかったわねー


また、赤神は男鹿に住んでいるから、鹿を従えていてトナカイ

黒神は龍飛に住んでいるから、龍を従えていたんでしょうね龍


ところで余談ですが、今回の話は全て、常田富士男さんのナレーションのみで展開されていますにっこり


常田さんの語り、何とも味があってええよねほんわか

市原さんの語りも好きやけどね😚


かと言って、市原悦子さんの出番がなかった訳ではなく、でも最初の女神が歌う歌声だけの出演なんよねウシシ

それって2人ギャラ同じなんかな😅←って下世話か😁


もひとつ言わせてもらうと、女神さん…機を織っているとゆー事ですが、私にはどーしても竪琴を弾いているようにしか見えないんですけど滝汗



また今回の話は、絵がちょっと洋風な感じのせいか、あまり日本の話っぽくないな〜〜なんて思ってしまいましたねー


ちなみに、今回の話の作画を担当された馬郡美保子さんは、他にも「安珍清姫」「耳なし芳一」「地獄めぐり」など、作画の担当を多数されていますにっこり


切り絵やちぎり絵のような、美しい画風が特徴の人ですねニコニコ


馬郡さんの絵の時は、殆どが静止画で、カメラワークだけで動きをつけているような作風が多いんですが知らんぷり


それに慣れているからか、逆にあの絵がアニメっぽく動いたほうが、なんか違和感があるような気がしますウシシ


馬郡さんの絵のお話は、来年の昔ばなしにもいくつか予定していますニコニコ







以上、本日ここまでどす🙇‍♂️
訪問がアホほど遅れております…毎度ゴメンやす絶望

では〜〜明日もご安全に〜〜照れ
おーきにです〜〜ほなね〜〜バイバイチュー笑音譜