








https://youtu.be/98VQGKCXV5o?si=BiF-7abyO6h_qYaa
※動画は音声のみです。
むか〜〜し昔あるところに、もうすぐ子どもが生まれるお母さんガニが住んでいました。
お母さんガニは、たいそうお腹を空かしていました。
一生懸命食べるものを探していましたが、なかなか食べ物は見つかりませんでした。
そこへ、欲張りで乱暴者のサルが現れ、お母さんガニの目の前でこれ見よがしに、柿の実を食べてみせるのでした。
「もぐもぐ…カキ〜〜♪へへへ…」
まったく意地悪なサルです。
お母さんガニは、またすごすごと食べるものを探しに行きました。
その時です。
やっと見つけました…おにぎりです!
サルも見つけて、飛んできましたが…
「私のおにぎりだよ!」
「ヒヒヒ…そいつを、オイラにくんねえか?」
「ダメだよ!これは私のだよ!」
「そんじゃカニさんよう、取り替えっこしねえか?」
「何とだよ?」
「この柿の種とだよ。こいつを蒔けば、柿の木が生えてよ、そのうちに食い切れねえほどの甘い甘〜〜い実が、ど〜〜っさりなるんだぜ」
「あっ…」
乱暴なサルは、柿の種を置くと、さっさとおにぎりをパクつき始めました。
お腹を空かしたカニに残されたのは、柿の種だけ…
意地悪なサルは、パクパクとおにぎりを食べてしまうと、そんなお母さんガニを尻目に、さっさと行ってしまいました。
「へへへ〜〜♪」
カニは、最後の力を振り絞って、鍬(くわ)を振るいました。
「早く芽を出せ柿の種…
出さぬとハサミでちょん切るぞ…
早く芽を出せ柿の種…
出さぬとハサミでちょん切るぞ…」
カニは一生懸命です。
「早く木になれ柿の芽よ…
ならぬとハサミでちょん切るぞ…
早く木になれ柿の芽よ…
ならぬとハサミでちょん切るぞ… 」
「早く実がなれ柿の木よ…
ならぬとハサミでちょん切るぞ…
早く実がなれ柿の木よ…
ならぬとハサミでちょん切るぞ…」
やっと、真っ赤な柿の実がなりました。
「よ〜〜し!」
ところが、せっかくの柿の実に手が届きません。
そこへ現れたのが、例の意地悪ザル。
「あっ!これは私の柿の木だ!私の柿の木だ!」
「どうやって取るのかね?」
「いいから、これは私の柿の木だよ!」
そんなカニにお構いなく…
「オイラが取ってやろう」
と言いながら、真っ赤な柿の実を取ると、ひとり木の上でパクパク。
やめろと言うカニには知らん顔…
カニは、木に登れないのが悲しくなりました。
「お願いだよ。私にも取っておくれ…私にも取っておくれよう…」
サルは、意地悪い目をしてカニを見ると…
「よ〜〜し…おめえにも取ってやろう」
青い実を取ると、カニ目掛けて…ガツン!
なんとひどいサルでしょう…
しかし、岩へぶつかった拍子に、お母さんガニから、かわいい3匹の子ガニたちが生まれたのです。
サルの方は、さんざ柿の実を食い散らかすと、大怪我のお母さんガニの事なんか気にしないで、自分の住処へ帰って行きました。
とうとうその怪我が元で、お母さんガニは死んでしまったのです。
可哀想な子ガニたち…
こうして、大きくなった子ガニたちが、あの憎いサルめをやっつけようと、勇んで家を出かけました。
しばらく行くと、栗どんがいました。
「おいおい子ガニよ、どこさ行く?」
「あの意地悪ザルをやっつけに行くところさ」
「なに?あいつか…よし、俺も行こう」
栗も、サルにいつもいじめられていたので、一緒に行く事にしました。
またしばらく行くと、蜂どんがいました。
「おいおい子ガニよ、どこさ行く?」
「あの乱暴者のサルめをやっつけに行くところさ」
「なに?あいつか…よ〜〜し、俺も行く」
蜂もサルにいつも意地悪されていたので、一緒に行く事にしました。
またしばらく行くと、牛のクソどんがいました。
「おいおい子ガニよ、どこさ行く?」
「あの欲張りなサルのやつをやっつけに行くところさ」
「なに?あいつか…よし、俺も行く」
またしばらく行くと、臼どんがいました。
「おいおい子ガニよ、どこさ行く?」
「あの憎いサルのやつをやっつけに行くところさ」
「なに?あいつか…よ〜〜し、俺も行く」
こうして子ガニたちと一緒に、栗、蜂、牛のクソ、臼も、サルの住処目指して進んでいきました。
そして一行は、ついに山の外れのサルの家へ着きました。
サルは、悪賢い乱暴者です。
いつ、どこから襲ってくるかも分かりません。
サルの家を偵察してきた蜂どんが戻ってきて…
「サルのやつは留守だぞ」
「よし…今のうちに潜り込んで、待ち伏せだ」
サルのやつ…帰ったら、寒い寒いと囲炉裏に当たるか…
「よし…じゃあ、僕が灰の中に隠れて、バチンと弾けてくるよ」
栗どんが弾けりゃ、サルは火傷だ。
熱い熱いと、水で冷やしに水瓶へ…
「よし…そいじゃあオイラ、柄杓(ひしゃく)の柄に隠れて、チクリだ」
蜂どんに刺されりゃ、サルは痛い痛いと外へ逃げ出す。
「じゃあオラは、踏み石の上で待っててやる」
牛のクソどんを踏んづけりゃ、サルはツルリ!
「じゃあオイラは、庇(ひさし)の上で待っててくれよう…転んだサルの上に、ドシンだ」
これでよし。
こうしてみんなは、サルが帰って来るのを待ちました。
まだかな…まだかな…
なかなかサルは帰って来ません。
山のカラスがカーカー鳴いて、陽が西に傾くと、寒い木枯らしが吹き始めました。
さすが遊び呆けていたサルも、急いで我が家目指して一目散。
「ふぅ〜〜さびぃさびぃ…」
やっと、戻って来たぞ…
栗も蜂も、牛のクソどんも臼どんも、持ち場につきました。
そうとは知らず、サルどんは…
「ひぇ〜〜さびぃさびぃ…」
囲炉裏端へ…
「やれやれ…これで、ひと心地ついたわい。留守の間に、変わった事は…」
と、辺りを見渡すと…
その時、熱々に焼けた栗が…バチン!
「あちちっ!水みず!」
そこで、チクリ!
「あいてててっ!」
子ガニたちも、そこを目掛けて一斉に襲い掛かりました。
鋭いハサミで、サルを四方八方からチョキチョキ!
「あいてっ!いててっ!」
そこへ、ツルリ…ドッスン!
「ぐえっ!」
こうして、さすが乱暴者のサルも、散々痛めつけられました。
それから子ガニたちは、みんなと力を合わせて、幸せに暮らしましたとさ。
おしまい。
まあね…あまりにも有名な話なんで、余計な解説は必要ないかもですね
ただ今回、なんでこの話を取り上げたかというと
冒頭でも申しました通り、この話は2通りのストーリー展開がありまして
ひとつは、今回の旧作1975年版で、もうひとつは、それから15年後にリメイクされた1990年版
どちらも、話の展開はほぼ同じなんですが、1990年のリメイク版は、死んだ母ガニの仇討ちの話ではなく、当のカニは生きています
ただサルに散々やられているため、満身創痍で動けない
それを見つけた蜂さんが、他の仲間たち(栗、牛のフン、臼)を呼び集めて📣
カニの代わりに、みんなでサルを懲らしめに行くという内容に書き換えられています
つまり仇討ちの話ではなく、どちらかというと友情物語のような感じ
リメイク版の1シーン…たしカニ生きていますカニ🦀
じゃあなんで、そのように話が書き換えられたのか
その一説として、1990年頃になると子どもの教育として、死ぬとか殺すとかいう描写は精神衛生上あまりよくないという意見があり喧嘩両成敗も然り🤔
昔ばなしに限らず他の出版物なども、そのような場面のある物語(海外の童話なども)は、軒並み自主規制されていったそうな
但し「カチカチ山」「花咲か爺さん」はリメイク版でもおばあさんとポチ死んじゃいます😓
そーいや昔ばなしでも、特に初期の作品はわりと残虐な話が多かった気がするな〜〜
仲間同士で殺し合いとか、魔物に食われるとか
そーゆー話はリメイクも不可能で、当然再放送もされずお蔵入りになっていた気がする😓
確かに死ぬとか殺すとかまだ心身が未発達のお子さんにはショッキングな場面かも
けどそれでは、その話の本来のメッセージが何なのかが曖昧になってしまうため
やっぱり、元の話に戻したほうがいいという意見もあるようです…まあその意見の大半は、旧作を知っている世代の人たちな気もしますが
でも確かに、そこら辺曖昧になってしまうと、逆に命の尊さまでもが薄れてしまう恐れもあるかもね
特に今の子は直に取っ組み合いの喧嘩する子が少ないから、力加減も分からず、気がついたら…😱
なんて事になると、もう取り返しがつかないですもんね😖
まあ極端な例えやけど💦
どちらがよくて悪いかは、昔と今の時代背景などによっても変わるし、その世代世代でも捉え方が違ってくるのも当然やし、まあ賛否両論でしょうな
ちなみに私は世代的にも旧作のほうで覚えました
けどリメイク版もまあ、仲間を助けるという意味では、それはそれでええんちゃうかな〜〜とも思っています
皆さんは、どちらのバージョンで覚えられましたですか〜〜
にしても、なんで昔ばなしのサルって人間の祖先とか言われてるわりにどの話もあんな意地悪なんやろな
ちょっとおサルさんが可哀想な気がするな〜〜
さて〜〜そんな今日の「プレイバック昔ばなし」は
こちらは、おサルさん名誉挽回
とても義理堅いおサルさんのお話
そして次回は
ある民謡の元になったと言われているお話です
以上、本日ここまでどす🙇♂️
訪問が死ぬほど遅れております…毎度ゴメンやす
では〜〜明日もご安全に〜〜
おーきにです〜〜ほなね〜〜