ども…おこんばんは〜〜今日もお疲れさまです爆笑


さて〜〜今日の昔ばなし口笛

お盆の時期に、こんな話はいかがウシシ?


「ねこの盆踊り」

https://youtu.be/Vmkxu7YH_4c



神奈川県の話です。
昔…小田原の酒匂(さかわ)の辺りに、文助(ぶんすけ)という名の年寄りが、ポツンと住んでおった。

文助じいは毎朝、日の出前に近くの浜に下りて、ちょこっと魚を釣るのを習わしとしておった。

昔は、沖を漕ぎ回った漁師じゃったが、今はもう沖に出る事もなかった。

飼いネコと2人分の食いぶちは、わずかなもので十分じゃった。

ネコのやつは、別に何するでもなく、1人で遊んでおった。
ある夜の事…文助じいは釣った魚を1匹焼いて、ネコには魚の骨だけを与えた。

ネコは、その魚の骨をじっと見つめているだけで、食べようとしない。

「食わねえのか? ネコじゃったら、ネコらしゅう骨も食わにゃあいかねえぞ? ええもんが欲しけりゃ、酒屋の隠居ばばあのとこにでも飼われたらええわい。オラ1人っきりでもやって行くでよ…」

ネコは分かったのか、やがて骨を食べ始めた。

その様子を見ていた文助は…

「ホレ…」

自分の魚を与えてやった。
「ニャ〜〜」
「オラ、もう腹いっぺえだで…」

ある朝、文助は起き出して、井戸で顔を洗った後、側に掛けてあった手拭いを取ろうとしたら…

「またか…ゆんべ、大風が吹いたわけでもねえに…それとも、誰か盗みよるんか?」
貧しい年寄りには、手拭い1本も大切なものじゃった。

それが、お盆近くになって、これで3度も無くなったのじゃった。

文助は仕方なしに、別の手拭いを竿に掛け、外れないように結んでおいた。

「こうしておけば、ええじゃろ」

ネコは、その様子を不思議そうに見ておった。

そして、その夜…文助はぐっすりと眠りこけていたが、表で何やら物音がしたので、目を覚ました。

「手拭い泥棒じゃろうか…?」

と、窓から表の様子をうかがってみると、手拭いが無くなっておった。

「やられた‼︎」

そう思った時…

「おっ…ありゃあ…手拭いが、1人で…⁉︎」

なんと、文助の手拭いが1人で、暗闇を走っておった。

文助は、慌てて手ぬぐいの後を追った。

手拭いは、お宮の森を通り抜け、大松の辺りで見えなくなった。
「キツネかタヌキの仕業じゃろうか…? そんな事たァ聞いた事もねえが…」

一旦、家に戻った文助じいは、夜が明けるのを待った。

そして、すっかり明るくなってから、もういっぺん手拭いの消えた辺りへ出かけてみた。

「あっ…⁉︎」

普段、覗く人もない大松の影には、小さな空き地があって、そこにたくさんの手拭いが散らかっていた。

文助のものと分かるものも、4本あった。
「キツネかタヌキの仕業なら、今夜こそふん縛ってやらにゃ…」

その夜、文助じいは、寝床の中で寝たフリをしておった。

手拭いも、すぐには外せんようにしておいた。

しばらくすると、また昨夜と同じ時刻に、表で物音が…

「来たな…?」

そして、勢いよく扉を開けて、大声で叫んだ。

「こらあっ‼︎ ……おっ?」

見ると、手拭いはそのまま残されておった。

「取り損ないやがったな?…おや?」

何気なく井戸の方に目をやると、文助のネコが井戸の上で寝ておった。
「おめえ…そんなとこで寝とったんか? この手拭いを取りに来たやつは、キツネか? タヌキか?」

と、ふと文助は、昼間の事を思い出した。

「待てよ?」

文助じいは、昼間の大松の影を覗いてみる気になった。

大松の影は、覆いかぶさる枝葉のために月明かりも届かず、墨を流したような真っ暗闇じゃった。

その暗闇の中から、何やらの話し声が聞こえてくるでねえか?
「遅いなあ…」
「あいつが来ねえんじゃ、始まらねえよ〜〜」
「提灯、どうする?」
「提灯は、つけるまでもねえ」
「あいつが来ねえんじゃ、今夜はやめじゃ」
「今夜は帰ろう」
「うん、そうすべえ」
「そうすべえ…」

声はそれっきり、聞こえなくなった。

「う〜〜ん? 一体、何者じゃろう…」

翌朝、文助はネコを撫でながら呟いた。

「お前も、しっかり見張っとらんかい…とにかく、今夜こそケリをつけてくれるわい…」
その夜は、わざと手拭いを取りやすいように掛けて、文助じいは、いつでも飛び出せる支度で待ち続けた。

やがて…表で、ゴトッと…

「おっ? 来たな…?」

窓から外を見ると、手拭いは消えておった。

そして向こうを見ると、この間の時と同じように、手拭いは暗闇を1人で走って行った。

「やっぱり…」

文助じいは、手拭いとは別の道を走って、大松へと先回りした。

そして、息を潜めていると、手拭いが現れた。

しばらくすると、話し声が聞こえて来た。

「いやあ、待たせた〜〜‼︎ お待たせ、お待たせ…」
「やあ、来たか? 待ってたぜ〜〜。ゆんべはどうしたんだよ? 文助の…」

文助…の?

「なに、ちょっと手拭いの都合がつかなくてよ?」

手拭いの都合がつかなかった…?

「おう、提灯つけねえ。陽気にやろうぜ〜〜」
「おっと、合点」

しばらくすると、カチカチと石を打つ音がして、火がついた。

そして、火が照らされた場所を見た文助は、驚いた。

ネコ…⁉︎
そこにはなんと、たくさんのネコたちが集まっておったのじゃった。

そして、そのうちの1匹が頭に手拭いを被ったのを見て、またまた文助は驚いた。

「あいつは、うちのネコだ…⁉︎」

文助のネコは、他のネコたちに声をかけた。

「さて…今夜は、ゆんべの分まで陽気にやろうぜ〜〜。それ、いくぜ〜〜」
「やってくれ、文助の〜〜」

そして文助のネコは、音頭を取り始めた。

それを合図に、他のネコたちが踊り始めた。

「はぁ〜〜♪ 踊り踊るならよ〜〜♪」
「よっ…それ〜〜♪」
「ネコの盆踊りよ〜〜♪」
「にゃんにゃん♪」
「ちゃらちゃら♪」
「ネコに三味線 いりやせぬ〜〜♪」
「にゃんちゃら♪ にゃん♪」
「大きな松の下でよ〜〜♪」
「にゃんにゃん♪」
「踊り疲れりゃ 寝るばかり〜〜♪」
文助じいは、楽しかった。

そしてネコたちはひと通り踊ると、松の木陰でひと休みした。

文助のネコは、他のネコに話しかけた。

「おう、誰か食いもん持って来てねえか? ここんとこ小魚の骨ばっかしで、腹に力が入らねえや…」

すると、他のネコが大きな魚を差し出した。

「おうおう、食ってくんねえ、文助の…」
「こりゃ豪勢だなあ‼︎」

文助のネコは、喜んで受け取った。
「文助の…お前も、あの文助じいの所は見限って、酒屋の隠居ばばあのところに鞍替えしねえな。うめえもんが食い放題だぜ?」
「バッカやろ〜〜、オラを見損なうねえ。おめえらとは違うんだい…」

そのやり取りをコッソリと伺っていた文助は、その言葉に、思わず吹き出してしまった。

それに気づいたネコたちは…

「ん?」
人間だ‼︎」
一斉に、その場から逃げて行ってしまった。

「いけねえ…悪い事してしまった…」

文助はそう思いながら、急いで帰ってみると…

「あっ…⁉︎」

なんと、文助のネコは、家の中でグッスリ眠り込んでいるではないか⁉︎

「こりゃあ、どうした事だ…?」
同じネコが2匹いるわけはなし…と、よ〜〜く見ると、ネコの息がハァハァしていた。

「フフフ…大急ぎで帰って来たんだな? 」

 文助じいは、その様子がおかしくて笑い出しそうになったが、ネコに悪いと思ってこらえた。

ネコは一生懸命、寝たフリを続けておったが、やはり寝苦しそうじゃった。

でも、最後には顔を隠して、本当に眠ってしもうた。

「持って帰って洗って使えば、1本の手拭いで済むのに…フフフ」

それからも、毎年お盆が近づくと、文助じいの手拭いは無くなった。

じゃが、文助じいがちゃんと拾って来て、きれいに洗っておいてやったそうな。
(語り 市原悦子)


ネコさんたちが、小田原提灯を提げて…盆踊り爆笑

「ネコに三味線いりやせぬ〜〜♪」が、なんかシュールや〜〜笑い泣き
三味線はネコの皮で作られる😅

ところで、ネコさんたちが盆踊りをするのに、手拭いは必須なんキョロキョロ?

人間で言うと、浴衣みたいなもんなんですかね〜〜ウシシ


文助ネコくんは、どんなに貧しくても、やっぱり文助じいと一緒がいいんですねにやり

文助じいも、決してネコさんたちの邪魔をせずに、そっと見守るところが粋で優しい照れ

なんか人情味があって、ええですやんチュー←ネコと人間ですけどね😅

キツネやタヌキは化けて姿を変えるけど、ネコの場合は姿はそのままで、まるで人間のような行動を取るんですねウシシ


また、ネコさんは昔から気まぐれ…ひとところには収まらず、あっちこっちで飼われているという時代もあったみたいですね猫

その家その家で、名前が違ってたりしてね爆笑

そんな話を聞いた事がありますウシシ


我が家の近所に、まさに文助ネコくんのようなブチネコさんをよく見かけるのですが、どーやら野良ちゃんのようでキョロキョロ

庭を通り道にされています笑い泣き

もし、そっと手拭いを置いておくと、拾って頬被りして踊り出したら面白いのにな〜〜なんて、ついアホな想像をしてしまいますウシシ


今年も、夏祭りや盆踊りなどが中止になったところも多いと思います…せめてこの話で楽しんで頂ければ幸いです照れ



それでは、本日はコレで🙇‍♂️
訪問が遅れております〜〜申し訳ござりませぬアセアセ

明日もご安全に〜〜照れ
おーきにです〜〜ほなね〜〜バイバイチュー音符