「充実してるよねー、人生楽しんでるわ」
風俗嬢を何年もやってきて、
稼いだお金を
自称
娯楽やら、何人もいる彼氏やらに
使っている知り合い。
そんな彼女の話題に
そう呟く友人。
「そういうのは充実してるって言わないでしょ」
当然にそう返したけれど、
心になにか引っ掛かった。
「充実した人生」って、
「楽しい人生」って、
例えば、
うちのお爺ちゃんに聞いたなら、
「良い学校を出て、生涯の仕事をもって、人として恥じない」
って言うだろうな
人として恥じないってなんなのか
もともと、
禁断の果実に手を出した
罪深き存在ではないのか
常に快楽を求めながらも
理性という埋め込まれたチップのもと、
苦い世界に擬態している
でも
できるだけ、
楽しくいれるように
頑張らなきゃって
言い聞かせる
ブリリアントな未来を
想ったりして
自分は特別だって
いや
やっぱちがうわって
時には、
憂いていろいろ歌ってみる
退屈さと窮屈さに違和感覚えながらも
とりあえず歩いてく
「普通に生きるのってわたしには
難しいんですよ」
自分の体を売り物にする
彼女が言った。
倫理観に沿って
人間の尊厳をもって、
まっとうな道と言われる生きかた
「人生って常に勉強して努力して上を求めることが大事だよ。だからなにか勉強出来ることも見つけたら?」
そう言ったわたしに、
「ありがとうございます」
声色ひとつ変えず
全てを見透かしたような
大人な返答をする彼女。
彼女は、
少なくとも
わたしより
正直に生きている。
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