『REALITY』


木立を抜けてくる風に
懐かしさを感じなくても
打ち寄せる波が
砂に描いたものを消しても
ボクは懲りもせずに笑った

見上げた空に雲は高く
まるで急くように流れたら
水捌けの悪い道路に
健気に咲く花を見付けたら
キミは恥じることもなく泣いた

なぜ 笑うんだろ
ボクはそう言って涙を…
なぜ 泣くんだろ
キミはそう言って笑みを…
こぼせないのは きっと 些細なプライド

ボクはここで見ていよう
優しい音色に耳を澄ませて
ボクはここで話していよう
孤独に寄り添う言葉のかぎりに

キミがなにかを信じられるときまで
ボクはなにかを信じつづけていよう

見ていよう
飽きることなく 見ていよう
そんなキミを  こんなボクで


『きみに送るカーテンコール』


止みそうにない雨が
眠れぬ枕を濡らしてゆく夜
この夜が永遠に続けばいいのに
このままずっと居られるのに

いつも そうやって 闇に逃げて
いつも そうやって 闇を凌いで
この夜が一度きりだと知りながら
来るなと願う朝を待つ

ほんとのきみをぼくは知らないけど
ほんとのぼくをきみは知らないけど
見せないことは罪じゃない
知らないことも罪じゃない

なのに その泣き顔を
隠してるなんて言わないで
だから その笑顔を
仮面だなんて言わないで

望むべくして雨は止み
望まなくても朝は来る

光をちりばめた朝もやは
今日を生きるためのカーテンコール
みんな何かを演じるために
今朝もラッシュに身を投げる

埋没なんかじゃない
孤独なんかでもない

きみはきみをプロデュース
そのために
ぼくはきみをアンコール

自分を信じることが出来たなら
その笑顔が きみの素顔になるから



『左手でピース』


深夜のテレビも まるで上の空
待ちわびて やがて 待ちくたびれて
今夜も「おかえりなさい」は空回り

時計の針が結ばれて
日付が明日に変わるころ
「ただいま」の声が近づいて
寝た振りをしてキスを待つ

そっと背中を包むあなたが
いつものように心地良かったから
おやすみも言えずに

左手でピース 目覚めたら
朝の天使が踊る窓
ぎこちないけどVサイン
右手は彼の腕のなか
ずっとあなたの夢のなか
ふたりだけの夢のつづきを
朝の天使に祈る窓
左手でピース そっとかざして


人影まばらな眠たげなホームで
飛び乗った終電 待ちわびて
今夜も急かすよに君の空メール

腕の時計は容赦なく
日付を明日に変えるころ
「ただいま」と声を潜めて
無邪気な寝顔にキスをする

小さく背中を丸めたきみが
まるで壊れてしまいそうだったから
おやすみは言えずに

左手でピース かたわらで
朝が零れて跳ねる窓
寝ぼけたきみのVサイン
右手は僕の腕のなか
ずっとぼくらの夢のなか
ふたりきりの夢のつづきを
朝を讃えて願う窓
左手でピース そっとかざそう