今、なぜボードゲームが人気なのか?私なりに考えたこと。

 

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 「今、ボードゲームが福岡で人気」というトピックが新聞紙面やテレビ画面を連日のように賑わせるようになりました。ボードゲームを遊べるカフェやバーが次々とオープン。大人のコミュニケーションツールとして注目され、人気を博している、と。
 私自身も福岡在住のボードゲームクリエイターとして取材を受ける機会が多くなりました。特にここ数か月。福岡でもようやくボードゲームの人気を実感できるようになってきました。明らかにボードゲームを知っている人、遊んだことのある人の数は増えています。これは本当に喜ばしい傾向にあると嬉しく思っています。
 では、なぜここにきてボードゲームなのでしょうか。ボードゲームを遊ぶためにはまず一緒に遊ぶ人が必要です。電子ゲームのように一人では遊べません。必ず誰かと向き合って遊びます。そして、遊ぶ人たちは同じ場所に集まり、同じ時間を過ごします。遊ぶためにはルールを理解し、皆で共有しなくてはなりません。
 一見すると、これらはわざわざという感覚を伴う面倒臭いことの連続です。ですが、この面倒臭さの中にこそ本当は大切にしたい、どこか懐かしく、極めて人間らしい温かな居心地の良さがあると多くの人が気付き始めた結果なのではないでしょうか。
 ネットやスマホの普及、進化は私たちの生活を随分と便利でお手軽なものにしてくれました。しかし、その恩恵によって失われたものもまた大きいはずです。
 今のボードゲーム人気はその失われた何かを取り戻そうとしているように私には思えてなりません。
(「津村修二のボードゲームシューレ vol.1」の資料より)


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