今週末、福岡は春の気配を感じる暖かな気候に恵まれました。

昨日もまさにそんな穏やかな日和で、そのぽかぽかとした

日差しに誘われるように、僕はふらりと大濠公園へと立ち寄りました。



この大濠公園というのが、とても居心地が良い場所なのです。

大きな池があり、その周りを囲うように歩道が整備されており、

いつも散歩やウォーキングやランニングする人などで賑わっています。

その日も老若男女、たくさんの人で公園は溢れていました。



しばらく歩いた後、少し疲れた僕は池に面したベンチに腰を下ろし、

バッグから読みかけの本を取り出しました。

青空の下での読書は格別です。

外でお弁当を食べると美味しい、と言いますが、

読書だって、外でした方がより楽しいような気がします。

僕は時々水面に目をやりながら目を休ませつつ、

その読みかけの本を読み進めていました。



10分ほど経った頃でしょうか、

隣のベンチに60代くらいの女性が一人、座りました。

その女性は手持ちのビニール袋からパンくずを取り出すと、

宙を舞うゆりかもめに向かってそれらを投げ始めました。

ゆりかもめの大群がすぐにやってきました。

うるさいくらいの鳴き声。

近くに座っていた僕は読書どころではなく、

そのゆりかもめの群れを目で追うことに夢中になりました。

ぶつかりそうなくらい、目の前をギリギリで

飛行するゆりかもめたち。

ここまで間近で鳥が飛ぶ姿を見ることって、そう無かったので、

非常に新鮮に感じられました。

改めて「飛ぶって、すごい。鳥って、すごい」などと、

さながら小学生のように驚いたのでした。

少しすると、カラスやとんびたちも集まってきました。

様々な鳥たちが間近で迫力ある飛行を披露してくれました。

その光景を前にして、僕は水族館でガラス越しに

魚の群れを見て感動したことを思い出しました。

それに近い感覚。

でも、鳥に対して水族館はおかしいです。

あえて名前を付けるとするなら、空族館ですかね。

その飛行する鳥の群れには本当に感動しました。






思わぬところに感動ってあるものなんですよね。

ただ、それに気付けるかどうかっていうだけで。






ふと見つけた路地裏のように



ふと見つけた路地裏のように