…つづき
お母ちゃんはすぐに
閉鎖病棟に入った
前の病院の師長さんが言ってた
「かわいそうに思うかも
しれないけど、一番悪かった
時の事忘れないで。
かわいそうだからと退院させて
結局どうにもならなくなって
共倒れって珍しくないから」
って
何もわからずにいきなり
病院に置いていかれる
お母ちゃん
確かにかわいそうになった
でも家に帰り
すごくホッとして
家の中のピリピリ感が無くなって
久しぶりにゆっくり寝れた
ような気がする
そのあと閉鎖病棟からは
出たものの
同じ病院に入院している
病院からも
施設が見つかるまで入院してて
いいと言われている
でもお母ちゃんは難病指定の
肺の病気と盗癖があるから
なかなか受け入れ先が
見つからない
ケースワーカーに頼んでいるが
新設される施設は増えても
お母ちゃんは断られてしまう
でもやっぱり家には
戻してあげられない
親戚達がたまには家に
連れてきたらというが
ダメなのだ
シュウの中では家に帰って
また病院に戻る方が
かわいそうに思う
話が理解できるならいい
でももう全く通じないから
行きたくない!!
とか言い出したら…
家にいる間
目が話せないなんて
今のシュウの体調から考えて無理
お父ちゃんに見ててもらう
というのもダメ
二人きりには怖くてできない
家に居て前みたいに
叩かれたり首絞められたり
怒られっぱなしになるより
他から見れば
かわいそうかもしれないけど
たまに面会に行って
優しくできたり
ニコニコできたり
またねって手をふったり…
なにより
お母ちゃんの命
自分達の命を守る為と考えるのだ
おっさんおばはんには
こう説明して以前は
わかってくれた感じだった
理由がわかったから
もう口は出さないと…
でも喧嘩になった
お母ちゃんを恨んでるわけではない
そう言っても
「いや私にはそう聞こえる
若いのにスゴイ女だと思った」
とおばはんに言われ
シュウは切れたのだ
若いのに?
そりゃ70過ぎてる人達からしたら
若いだろうよ
でも大人なんだよ
シュウはたてまえで話をするのが大嫌い
年上だろうと年下だろうと
エライ人だろうと
理不尽な事言われたり
違うと思えば
ハッキリ言う
唯一言わないとすれば
接客の仕事で
お客様に対してかしら♪
恨んでると言われた事より
スゴイ女と言われた事に
腹がたった気がする
おばはんは
「あんたに言いたい事なら
まだまだたっくさんある!!」
と言った
シュウが
「なんぼでも言って!!
全部聞くからどうぞ!!」
と言うと
おばはん
「言わない!!」
えーっ(;゚Д゚)!だよ
こんなに怒らせといて
言わない!!はないぜ
まぁ最後は
シュウは旦那と別居もしてるし
お母ちゃんが居た頃
いろいろ見ちゃった子供達
「子供達にこれ以上嫌な思いも
させたくないし、シュウも
ヘルニアの手術してあまり
パッとしなくてまだリハビリ
通って家では寝てるような
状態。パニックの発作もない
わけじゃないし、偏頭痛も
酷くてだんだん身体がおかしく
なってる。
子供達や自分の事を先に考えて
はダメなのかな。」
そう泣きながら訴えると
おばはんもごめんと泣いていた
お父ちゃんとおっさんも
知らないうちに喧嘩になってた
こんなに長く第3話に渡り
書いた大喧嘩の話だが
実際の内容はあまり書いてない
あれっ?
おかしいな…
全部ぶちまけてスッキリしようと
思ってたのに
でもね
これだけは言いたい
認知症は他の病気とは違い
本人と意思疎通ができない
きれい事だけでは介護は
できないのだ
親なんだから…
じゃなくて
親だからこそツライ事もある
親を怒りたくない
親を嫌いになりたくない
もう元のお母ちゃんに会える事はないんだって会うたびに泣きそうになる
現実を受け入れ認知症を理解してるつもりでも
人間そう上手く頭の整理もできなければ
心の中ではごめんねだけを繰り返している
認知症は一緒に暮らしてそば看てた人にしかわからない事はいっぱいある
だから
どうか介護してる人を責めないで
たまには愚痴だって聞いてあげて
それでその人が笑顔で
親に接する事ができるなら
それでいいと思う
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