※磁石
※BL
※学パロ
自己責任でお願いします🙇🏻♀️
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「生徒会長がどうどうと保健室でサボりっていかがなものかと思いますけど?」
保健室のベッドを囲うカーテンを開けると、
半分夢の中の翔ちゃんが横向きに寝ている。
「ん〜、ニノか〜。なに?どうしたの?」
「どうしたの?じゃなくて。仕事してくださいって。」
「わー、もー放課後〜?」
「生徒会長がどうどうとサボりって…」
「俺が仕事サボれるように副会長をニノにしたんだよ?」
「それ本人に言ったらダメなやつ。」
「んー。あと10分だけ寝かせて〜」
「あと10分だけですよ?外にいるんで何かあったら」
「一緒に寝ればいいじゃん。」
「はい?」
「ニノも一緒に寝よ?」
「俺はいいです。」
「なんで?」
「眠くないんで。」
「俺が眠いの。一緒に寝てよ。」
「…はいはい。」
嬉しそうな顔でベッドのスペースを空けてくれる翔さん。
上履きを脱いでベッドに潜ると、
翔さんが自分を抱き枕のように抱きしめる。
「ニノ、」
「なんです?」
翔さんの吐息が微かにかかる距離。
向かい合って横になると、いつもは少し高い視線が同じになる。
「今日よ俺の家きてよ。」
「またですか?」
「晩御飯よろしく。」
「はいはい。何食べたいですか?」
「中華!」
「じゃあ帰りにまーくんの家寄りますか。」
「ニノが作ってくんないの?」
「中華はまーくんのとこって小さい頃から決まってんですよ。」
「ほんと仲良いよね。」
「嫉妬ですか?」
「どっちに?」
「…どっちでもいいです。ほら、こんな無駄話してるとすぐに10分経っちゃいますよ。」
「俺が寝てから10分な?」
「ダメです。」
「相葉くんは好きなだけ寝かせてくれるけど?」
「俺はまーくんじゃないんで。てか、まーくんのことも抱き枕にしてんですか?」
「なに?嫉妬?」
「嫉妬です。」
「どっちに?」
「頭いいんだから分かるでしょ?翔ちゃん。」
「ニノだけだよ。俺がこうやって寝たいのは。」
翔ちゃんが自分を抱きしめる腕を強め、2人の距離がほぼ無くなる。
自分とは対称的に厚みのある唇が視界に入ると、
邪な気持ちが湧き上がる。
「翔ちゃん、俺のこと好きなの?」
「今更?w 好きに決まってんじゃん。」
「俺も好きだよ。」
翔ちゃんの唇にそっとキスをすると、自分を抱きしめる翔ちゃんの手が頭の後ろに添えられた。
少し離れた唇を追うように翔ちゃんが先より深くキスをする。
「…あと1時間追加してもいい?」
吐息が混ざり合う距離で翔ちゃんが上目遣いに言う。
「翔さん。ダメです。」
「ケチ。」
「もう10分経ったんじゃないですか?」
「えー、寝てないー。」
「夜ゆっくり寝たらいいんですよ。」
「夜はさ、ほら忙しいじゃん?」
「じゃあ、今日はやめとこっか。」
「ニノだってしたいくせにー。」
頬を膨らませて不機嫌を示す翔ちゃん。
「もちろん。俺はいつだってしたいけど、判断は翔さんに任せます。」
「俺がしたくないって言ったらしないの?」
「もちろん。俺は絶対服従なんで。」
「忠犬?w」
「惚れた弱みです。」
「キュンッ」
翔ちゃんは両手で心臓を押さえて、わざとらしくぶりっ子をする。
「いいから。ほら、仕事しますよ。」
ベッドから降りようとした俺の手を握って翔ちゃんが引き止める。
「あと10分だけ!」
「ダメです。」
「そこは服従してくんねぇの?」
「仕事は仕事ですから。」
「しつけが行き届いてないようですね。」
ジト目で俺を睨む翔ちゃん。
「飼い犬からご主人への愛の鞭です。」
「わーお。」
眉をクイっとあげてアメリカ人みたいな反応をされる。
「ほら、手伝ってあげるから。さっさと終わらせましょ?」
「やったー!頼りになる天才くんだなっ♡」
先まで渋っていたくせに急に跳ね起きてベッドから出た翔ちゃんが、
自分の頭をわしゃわしゃと撫でる。
「その代わり、ご褒美は高くつきますよ?」
「お、おぉ…。」
少し引き攣った笑顔の翔ちゃんが可愛らしくて、思わずクスッと笑ってしまう。
「フフッ。」
「なに?」
「いや?別に?」
学校一、人気者で秀才の生徒会長。
その櫻井翔に飼われているのも付き合っているのも自分だということに優越感が湧く。
あなたのそばにいれるなら、
リードで繋がれていたって苦しくないと思うなんて。
天才って怖いでしょ?