※相櫻

※BL

 

自己責任でお願いします🙇🏻‍♀️

 

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久しぶりに休日が重なった。

それなのに連日の仕事の忙しさに加え、最近やった慣れない運動の筋肉痛に襲われている俺の恋人は昨夜からご機嫌ななめだ。

 

朝から今まで、ベッドの上にうつ伏せで寝転んでいる。まだそこから一歩も動いていない翔ちゃん。

 

「う"ー、体が重い〜疲れ溜まりすぎて熟睡できない〜。」

 

ずっとこの調子だ。

 

いつもは休みが重なったら普段溜まり続けてる家事を分担してこなす約束なのだが、なんだか疲労困憊な翔ちゃんがかわいそうで、今日は朝から1人でパタパタと忙しなく家事をこなしている。

 

脱衣所で回し終わった洗濯物を取り出す。

 

「っ!お、翔ちゃん。」

 

音もなく近づいてきて急に背後から腰に抱きつかれ、すごく驚いた。

 

「…。」

 

「翔ちゃん?どうした?」

 

首を後ろに捻って翔ちゃんの顔を伺うとすると、背中におでこをつけて顔を隠された。

 

「…なにしてんの?」

 

不貞腐れた声の翔ちゃん。

 

「なにって…洗濯物取り出してる。」

 

「家事は2人で分担の約束だろ?」

 

「でも翔ちゃんお疲れだから、今日は全部俺がやるよ?翔ちゃんはしっかり休んで?」

 

「…あと何残ってんの?」

 

「え?あぁ、洗濯物干して、お風呂掃除して…買い物、かな?」

 

「じゃあ…買い物はなしで、代わりに俺を構うっていう項目いれといて。」

 

「え?」

 

「洗濯物干して、お風呂掃除したら…俺に構って。」

 

「あぁ、はいはい。わかったよ、すぐ終わらせるからベッドで待ってて?」

 

腕が緩んだと思って振り返ったら、ふら〜っと脱衣所を出て行った。

 

「ふふっ…w」

 

今日は甘えたモードらしい翔ちゃんが可愛くて頬が緩んだ。

 

急いで洗濯物を干して、お風呂掃除を終わらせる。

 

 

「翔ちゃん…?」

 

寝室に行くと窓から日差しが差し込んでいる。

その心地よさにベッドで横たわる翔ちゃんはすやすや眠っていた。

 

顔を覗き見ると、眉間に皺を寄せ難しい顔をして目を閉じて眠っている翔ちゃん。

 

向かい合うように寝転がり、翔ちゃんを優しく抱きしめて添い寝をする。

 

サラサラの髪を指で梳かし撫でると、翔ちゃんが身じろぎながら近づく。

胸にすっぽりと収まるのが可愛い。

翔ちゃんの頭の下に腕を入れ、腕枕をしてやる。

 

眠る翔ちゃんを見ていたら、いつの間にか俺も眠っていた。

 

 

「ん…。あ、寝ちゃってた。」

 

目を擦りながら時計を見ると13:30を示していた。

腕の中で眠る翔ちゃんは眉間の皺がとれ、気持ちよさそうな顔をしている。

 

朝から何も食べていないし、翔ちゃん起きたらお腹空いてるだろうな…

朝ごはん用に作ったものを温め直して、ご飯を炊こう。

 

そう思って、ゆっくりと翔ちゃんの頭の下から腕を抜こうとすると翔ちゃんが眩しそうに目を開けた。

 

「あ、ごめん起こしちゃった?」

 

「ん。」

 

まだ眠そうな翔ちゃんが少し離れた距離をまた埋めるように抱きつく。

 

「翔ちゃん、お腹すいてない?」

 

翔ちゃんは俺の胸にぐりぐりと擦り付けるように頭を振る。

 

「朝から何も食べてないじゃん。疲れ取れないからちゃんと食べよ?」

 

そう言うと渋々、腕を緩めて解放してくれた。

 

寝室からキッチンまで歩きにくいほど、ぴったりとくっついている翔ちゃん。

 

「翔ちゃん、ソファ座ってて。あっためたら持ってくから。」

 

コクっと頷いて、ソファにトボトボ向かう。

 

俺はキッチンに立ち、急いで作っていたオムレツとコンソメスープを温め直した。

トレーにのせてソファに運び、ぼーっと座っている翔ちゃんの横に座る。

 

「はい、どうぞ。」

 

差し出したトレーを見てから、チラッと俺を上目遣いに見つめる。

 

「相葉くんは?」

 

「もう食べちゃった。」

 

「じゃ、食べさせて。」

 

翔ちゃんはあーんっと口を開ける。

 

「もう、しょうがないな〜。」

 

そう言って食べさせてあげると嬉しそうにパクパクと食べる翔ちゃんが小動物みたいで可愛い。

やっぱりお腹が空いていたのか瞬く間に完食した翔ちゃんは満足そうだ。

 

「翔ちゃん、夜はどうする?」

 

食べ終わったトレーをローテーブルに置くと、翔ちゃんが俺の膝を枕に寝転がる。

 

「う〜ん…お腹空いたらなんか食べる。」

 

「了解。身体は?まだダルい?」

 

「だいぶ楽になった。…ねぇ、相葉くん」

 

翔ちゃんが甘えた声で呼ぶ。

 

「なに?翔ちゃん。」

 

翔ちゃんは起き上がって目を閉じて唇をんーっと突き出す。

ご希望通りに軽いキスをしてやると首に抱きついてきて、そのまま一緒に倒れた。

翔ちゃんに覆い被さるようになると、あざとく上目遣いで見上げられる。

 

「家事やってくれた相葉くんにご褒美あげなきゃじゃない?」

 

いたずらっぽい顔で翔ちゃんが言う。

まさに小悪魔という言葉にぴったりだ。

なんだか揺られっぱなしが悔しくなった。

 

「そういえば、翔ちゃんを構うっていう家事が残ってるんだった。」

 

そう言って、翔ちゃんに先よりも深く少し乱暴に口付けた。