「イスラム国」人質事件対応「誤りない」 政府検証委
2015/5/21 23:29
中東の過激派組織「イスラム国」(IS)による日本人人質事件に関する政府の検証委員会は21日、「救出の可能性を損ねるような誤りはなかった」とする報告書をまとめた。犯人から被害者の家族に送られたメールに政府は直接対応せず、家族が専門家に相談しつつ交渉したことが明らかになった。ただ「特定秘密」に当たる事柄が多く、情報公開は限定的にとどまった。

邦人殺害テロ事件の対応に関する検証委員会と有識者との合同会合であいさつする菅官房長官(右)=21日午後、首相官邸
事件で問われたのは政府の初動だ。昨年12月3日に後藤健二さんの妻に犯人とみられる相手からメールが送られ、12月19日のメールで拘束の可能性を認識。1月20日にイスラム国が2人の殺害を予告する動画を流すまで犯人を特定できていなかった。
家族に送られたメールの対応は「必要な説明・助言で支援した」としてしている。「テロには屈しないとの基本的立場を堅持しつつ、人命を第一に考えた」と説明した。この時期は衆院選と重なり、安倍晋三首相や菅義偉官房長官が首相官邸を不在にしていたことも論点となった。報告書では「首相、官房長官との連絡手段は常に確保され、問題はなかった」と判断した。
検証報告書のポイント
疑問点 政府の報告 有識者の指摘
「イスラム国」との直接交渉は (犯人の特定前)後藤氏夫人に必要な説明・助言で支援した
(特定後)テロ集団で実態が定かでないため、直接交渉は行わなかった 政府ができることは限られていた
国際社会やヨルダンとの関係で、決定的な負の影響を及ぼすことは避けられた
首相の中東訪問・演説の影響 非軍事分野の支援表明で問題ない 注目を集める対外的発信は十分注意を
事件を受けた邦人保護の措置 渡航の自由に合理的な制約が可能か検討 若年層を含めテロへの啓発を
【検証委の総括】
○今回の事件は救出が極めて困難なケース。政府の判断や措置に人質の救出の可能性を損ねるような誤りがあったとは言えない
○専門家の育成・活用をはじめ、情報の収集・集約・分析能力の強化が必要
有識者には「動画公開前の段階における努力が重要であった」「柔軟な対応を検討すべきだ」との指摘があったが、対応を正面から批判する意見はなかった。
イスラム国が動画を流す直前の1月17日に首相がエジプトでイスラム国対策として2億ドルの人道支援を表明した演説も論点となった。有識者には「脅迫の口実にされた」「対外発信には十分に注意する必要がある」との苦言を呈する意見が出た。ただ政府は「内容・表現には問題がなかった」と結論づけた。
課題としたのは、中東などの言語・宗教・現地事情に精通した専門家の育成といった情報収集・分析能力の強化だ。テロリストが支配する地域への日本人の渡航を抑制するための検討も盛り込んだ。
検証内容は、秘密保護法の対象となる特定秘密に触れる事柄も多い。報告書では具体的な交渉や、犯人側との交渉を迫られた被害者の家族にどのような助言をしたのかは明らかになっていない。
▼邦人殺害テロ事件の対応に関する検証委員会 日本人2人が殺害された人質事件の政府対応を検証するため2月に発足した。杉田和博官房副長官を委員長に内閣危機管理監、国家安全保障局長ら政府関係者10人と、立命館大の宮家邦彦客員教授ら中東や危機管理の専門家5人で構成。有識者は守秘義務のかかる非常勤国家公務員に任命し、機密情報を一部開示している。
国民も、後藤さん、湯川さんのご家族もわかっていたはずだ。
政府が言うところの2つは同時に守られないことを。
「テロには屈しない」 「人命を第一に考える」
いずれかしかないわけで、政府は人命を2番目に持ってきた。
「いいえ、そうではありません」と言い張れば、そうではないこととなる。
テロに屈しないことは米国への迎合同様、国際社会からも「当然だよね」と認められる。
テロが誰の支持なか、どこの国の指示なのか、という問題はそこで論じられることは無いのだし。
2015/5/21 23:29
中東の過激派組織「イスラム国」(IS)による日本人人質事件に関する政府の検証委員会は21日、「救出の可能性を損ねるような誤りはなかった」とする報告書をまとめた。犯人から被害者の家族に送られたメールに政府は直接対応せず、家族が専門家に相談しつつ交渉したことが明らかになった。ただ「特定秘密」に当たる事柄が多く、情報公開は限定的にとどまった。

邦人殺害テロ事件の対応に関する検証委員会と有識者との合同会合であいさつする菅官房長官(右)=21日午後、首相官邸
事件で問われたのは政府の初動だ。昨年12月3日に後藤健二さんの妻に犯人とみられる相手からメールが送られ、12月19日のメールで拘束の可能性を認識。1月20日にイスラム国が2人の殺害を予告する動画を流すまで犯人を特定できていなかった。
家族に送られたメールの対応は「必要な説明・助言で支援した」としてしている。「テロには屈しないとの基本的立場を堅持しつつ、人命を第一に考えた」と説明した。この時期は衆院選と重なり、安倍晋三首相や菅義偉官房長官が首相官邸を不在にしていたことも論点となった。報告書では「首相、官房長官との連絡手段は常に確保され、問題はなかった」と判断した。
検証報告書のポイント
疑問点 政府の報告 有識者の指摘
「イスラム国」との直接交渉は (犯人の特定前)後藤氏夫人に必要な説明・助言で支援した
(特定後)テロ集団で実態が定かでないため、直接交渉は行わなかった 政府ができることは限られていた
国際社会やヨルダンとの関係で、決定的な負の影響を及ぼすことは避けられた
首相の中東訪問・演説の影響 非軍事分野の支援表明で問題ない 注目を集める対外的発信は十分注意を
事件を受けた邦人保護の措置 渡航の自由に合理的な制約が可能か検討 若年層を含めテロへの啓発を
【検証委の総括】
○今回の事件は救出が極めて困難なケース。政府の判断や措置に人質の救出の可能性を損ねるような誤りがあったとは言えない
○専門家の育成・活用をはじめ、情報の収集・集約・分析能力の強化が必要
有識者には「動画公開前の段階における努力が重要であった」「柔軟な対応を検討すべきだ」との指摘があったが、対応を正面から批判する意見はなかった。
イスラム国が動画を流す直前の1月17日に首相がエジプトでイスラム国対策として2億ドルの人道支援を表明した演説も論点となった。有識者には「脅迫の口実にされた」「対外発信には十分に注意する必要がある」との苦言を呈する意見が出た。ただ政府は「内容・表現には問題がなかった」と結論づけた。
課題としたのは、中東などの言語・宗教・現地事情に精通した専門家の育成といった情報収集・分析能力の強化だ。テロリストが支配する地域への日本人の渡航を抑制するための検討も盛り込んだ。
検証内容は、秘密保護法の対象となる特定秘密に触れる事柄も多い。報告書では具体的な交渉や、犯人側との交渉を迫られた被害者の家族にどのような助言をしたのかは明らかになっていない。
▼邦人殺害テロ事件の対応に関する検証委員会 日本人2人が殺害された人質事件の政府対応を検証するため2月に発足した。杉田和博官房副長官を委員長に内閣危機管理監、国家安全保障局長ら政府関係者10人と、立命館大の宮家邦彦客員教授ら中東や危機管理の専門家5人で構成。有識者は守秘義務のかかる非常勤国家公務員に任命し、機密情報を一部開示している。
国民も、後藤さん、湯川さんのご家族もわかっていたはずだ。
政府が言うところの2つは同時に守られないことを。
「テロには屈しない」 「人命を第一に考える」
いずれかしかないわけで、政府は人命を2番目に持ってきた。
「いいえ、そうではありません」と言い張れば、そうではないこととなる。
テロに屈しないことは米国への迎合同様、国際社会からも「当然だよね」と認められる。
テロが誰の支持なか、どこの国の指示なのか、という問題はそこで論じられることは無いのだし。

