低体温化により、酵素分解能力が低下するのを、防止するために、採られた方策が、尻尾の「内尻尾化」です。霊長類研究所当たりでは、尻尾がある真猿類をモンキーと呼び、尻尾がない類人猿をエイプと呼び、エイプから進化した人類にも尻尾がないと捉えていますが、人類の尻尾は、エイプの延長上で捉えるべきものではありません。真猿類・類人猿は、「外尻尾」で、人類は、低体温化に歯止めをするための方策として「内尻尾」化しています。尻尾を体内に取り込んで、お尻で締め、直腸温度が低下しないようにしたのです。尻尾は脊髄の延長上にあって、血流が良く、内尻尾化することで、直腸周辺の体温低下を防いでいるのです。内尻尾化した動物の類例は、南アメリカの湿原に住むカピバラに見られます。直接的な目的は、酵素分解能力の低下防止なのですが、別の効果が出てくるのも、進化の連鎖性です。ブラッドシフトで、冷却による脳の細胞死を防ぐために、血流を促進したのが、脳容量を増大させたのと同じです。副業が、本業を上回り、本業化していったような現象です。或いは、子会社が、親会社を上回ったような現象です。



内尻尾化により、女性器の産道口が押されて、前方に移動しました。チンパンジーの場合、産道口は背骨と平行だったのが、前方に移動した結果、正対(正常位)での性行動が可能になったのです。内尻尾化したカピバラの場合、産道口が前方に移動したため、陸上での交尾が不可能となり、水中でメスがお尻を上げて、交尾しています。産道口の移動は、海生動物にも見られる現象で、正対して交尾します。正常位による性行動が可能になったことで、人類は強姦をする動物になりました。後背位による交尾では、オスがメスの上にマウントしても、メスにその気がなければ、前方にスルリと逃げられて、強姦ができません。正常位による性行動では、男が体重を乗せてきますので、強姦できます。動物は、強姦できないので、子連れのメスの子供を殺して、発情させるという行動をしますが、人類の男は、子殺しなど迂遠な手を使わず、強姦するようになったと思われます。内尻尾化は、子殺しを避けるという進化の光の部分と、強姦という進化の陰の部分を生み出しました。集団で行動するチンパンジーは、発情期になると群れのオスと乱交しますが、子殺しを避ける母親の知恵だと考えられるのです。