男性の陰嚢は、体外に突き出ていて、ラジエーターになっています。

非常に良くできた空調設備で、暑いとだらりと伸びきり、汗も掻いて放熱します。

寒いと縮んで、体温で暖めます。

従って、精子生産工場である性嚢は、体温よりも3~4℃低い環境で、大量生産でフル稼働します。

いわば、粗製濫造の量産工場です。


女性の卵巣は、骨盤と殿筋で囲まれて、ガッチリ固められた大奥にあります。

郊外にある吹き曝しの精子生産工場と違い都心の一等地にある暖かい場所にあるのです。

卵子は、租税乱造の感がある精子生産工場と違って、月に2~3個を丁寧に造っているのです。

まるで、精密機器を作るような工場で作られています。


人類は、チンパンジーの37.5℃よりも、0.9℃体温を低下させ、36.6℃になりました。

外脳層の脳容量が増えて頭脳発達すると体温が低下するのです。

33℃~34℃で造られた精子が、卵子と出会う時、高温環境になるのです。

しかも、性行動で、男性器に亀頭ができ、女性器がしっかりと捕捉し温度を上昇させる構造に進化したため、ピストン行動で、膣内温度はチンパンジーの体温と同じ37.5℃に達するようになりました。

低温を好む精子にとっては、はた迷惑な話です。高温で、生き残ることができる精子だけが、卵子と巡り会えるのです。そして、強い子孫を残すのです。


女性の方は、なかなか巧妙な「ハニートラップ」を仕組んでいるのです。

男女の性行動時の万国共通語は、「アー」とか「ウー」とか2母音言語を喋り、何処でも通じます。

この2母音言語につられて、男性は、ピストン運動に精を出すのが、「ハニートラップ」です。

膣温を上昇させて、弱い精子を落とし穴に落とし、そこを生き残ってきた精子だけを選ぼうとする算段です。

女は、頭がいいー!

 性行動(セックス)で、男と女には違いがあります。

かって、ローマ時代、王様が、「女性の深い性感(エクスタシー)が得られるなら、王位と交換しても良い」と言ったという話があります。

女性のエクスタシーは、そんなに凄いのか。

女でない身には、解るはずもありません。


科学的に解析すると、男と女では、性行動の時の頭の使い方が違うのです。

人間の脳は、波動情報を処理するインサイドブレイン(内脳層)と形象情報を処理するアウトサイドブレイン(外脳層)の二元性を持っています。

内脳層は、マイクを使う音響装置、外脳層は、ビデオ映像を処理する映像装置です。

女性は、波動を処理する内脳層で性行動をするのです。

部屋を暗くします。波動ですから目で見る必要はないからです。声を上げます。波動です。性感は、波動のように波状攻撃で訪れます。波動の特性で、何度でも、性感が発生するのです。波は、幾らでも高くなります。

女性の性感です。波動という時間軸を伝って、エクスタシーに到達しようと目指すのです。


男性は、形象情報という空間情報を処理して、性感を得ようとします。

女性の身体を視覚で捉え、触るのです。形象情報を処理するアウトサイドブレインで空間情報を処理するのです。

男性の性行動は、山登りのようなもので、頂上に到達したら先が無く、射精して、頂上から転落します。転落の時は、登る時に頂上を目指していたときの価値観とは別です。

男が性行動の時は、相手女性は超美人なみのかちですが、エクスタシーに達した後は、丸太ん棒なのです。


愛し合って性行動に励んでいるのですが、性行動というのは、時間軸を伝ってエクスタシーに到達しようとしている女性と、空間軸を伝って、エクスタシーに到達している交差点で交差したに過ぎないのです。同じ布団で寝ていても「同床異夢」です。男と女は会わないのです。合わないのを解っていて、相互理解、思いやりが必要なのです。



 泳げなかった古チンパンジーが泳げるようになったプロセスを解析すると、以下の通りです。




① シーシャトル行動前期の前半は、上下肢比が、1以下で、陸上での、四足歩行と併行して、犬掻き泳ぎを目指します。犬掻き泳ぎの特徴は、水流は顎から額方向に受けると共に、足裏で蹴るアニマルキックをし、腕は水中で掻きます。基本浮体姿勢が正面向きの四足歩行動物にとっては、自然な泳法ですが、基本浮体姿勢が仰向けの人類にとっては、「顎の突き出し行動」が必要です。更に、多くの動物は、鼻を物理的に閉じることができますが、人類は、鼻が閉じることができず、海水が、鼻から入ってくることです。




② シーシャトル行動後期の後半は、上下肢比が1~1.3前後の時期で、陸上での、変則四足歩行(膝着きハイハイ)と併行して、頭部の水流方向は、顎から額方向の水流から、逆に、額から顎方向に変わっていき、足は、足の甲で蹴るバタ足キック(ヒューマンキック)に変わっていきます。ただし、ブレスアンドストローク(顔を横にする息継ぎ泳法)にはなりません。この泳法は、呼吸を止め、潜水して、貝などを採る時に、採用される泳法です。潜水が、長頭族と平頭族の分岐に繋がってきます。




③ シーシャトル行動後期は、上下肢比が1.3前後となり、陸上での二足歩行への移行に併行して、クロールとなり、水流圧力は、額から顎の方向に受け、足はヒューマンキックで、手はオーバーハンドストロークとなります。シーシャトル行動は、海主陸従から陸主海従に代わり、行動の関心が陸上に向き、両手を使えるようになり、道具を使ったり、作ったりするようになっていきます。



泳法の進化は、典型的な泳法を展開したのですが、その他の泳法である平泳ぎ・横泳ぎなどの泳法も織り交ぜたと捉えています。シーシャトル行動前期は、チンパンジーとしての進化と言えるもので、人類の進化にとって構造上の重要な進化を促し、進化転換点を経て、シーシャトル行動後期に入り、人類としての機能面の進化に変わります。進化転換点は、成長プログラムでは、1才前後の成長転換点に該当します。