ブラック・ジャックより『U-18』機械と人間 | オラクルカードリーディングを楽しく学ぼう! カードからの心温まるメッセージを受け取ろう!

こんにちは。
天パーのショーです。

今日は
手塚治虫先生の名作
「ブラック・ジャック」より

『U-18』をご紹介





アメリカのサウスダコタ州
サイバネティクス医療センター


ここでは
ワットマン博士が開発した
『ブレイン』というコンピューターが
患者の治療から病院の運営管理まで
一切を仕切っている。


今でいうAIでできた病院

ブレインが診察から
手術までも行っている。



ブレインが診察中、
ある患者に尋ねる。

「痛クハナイデスカ?」

「痛くはないがね
不安でしょうがないよ」
患者は冷や汗をかいて答えた。

「私が安心して任せられたのは
今までに一人の医者しかおらん」

「ソノ医者ノ名ハナンデスカ?」

「ブラック・ジャック先生だ」

「今マデニ21人ノ患者ガソノ名ヲ
口ニシマシタ」



 

数日後・・・


センターに異常が発生した。


慌てて担当者は
ブレインの中枢部「脳室」
(制御コンピューターが
集結する人間の脳に当たる部屋)
に駆けつけたが、
脳室の扉が閉じられて、入れない。

手動に切り替えても扉は開かない。


スッタフの一人が力ずくで
扉を壊そうとした、その時、


「ギャッ!!」
感電死した・・・


そして、センター内に
合成音が響き渡る。


「医療センターノ人間ニツゲル。
ワタシハブレインU-18。
ワタシハ病気ダ。
ダカラ患者ニマチガイガ起コル
オソレガアル。
ワタシノ治療ヲ要求スル!」


開発者のワットマン博士が
駆けつけて、
ブレインに呼びかける。

「お前は機械だから
病気ではないわ、故障よ」


「ノー ワタシハ機械デハナイ
医者ダ!」


治療を要求するU-18と
修理を主張する博士の
押し問答が続く・・・


一刻も早く事態を収拾したい
ワットマン博士が
「私がお前を設計した生みの親よ」
と言えば、
「アナタノ身体ガワタシヲ産メルハズガナイ」
とはねつける。



そして、U-18は
ブラック・ジャックによる治療を要求し、
48時間以内に彼を連れて来なければ
「全患者ヲ殺ス」とまで言い出した。



一人のスタッフがブラック・ジャックに
なりすまして、脳室に入ろうと試みたが
感電死させられてしまった。



患者を人質に取られ、
困ったスタッフたちは必死に
ブラック・ジャックの居場所を探しまわる。


やっと見つけた場所は
マルセイユ。

今から到底間に合いそうもない・・・


時間は刻々と過ぎていく。
患者の命はU-18に握られたまま・・・


いよいよあと5分・・・


ヘリコプターの音が聞こえる。

ブラック・ジャックが
あらゆる手段を駆使して、
何とか間に合わせたのだ。


ブラック・ジャックは
移動中にU-18についての
説明の本を読み終えていた。


しかし、スタッフはこうつぶやく、
「技師でもない人間に
何が治せる」

ブラック・ジャックはきっとにらんで
「私は医者じゃない。
病人を治す医者なんだ!」


そして、脳室に向かった。



U-18
「トマレ。本物カドウカ調ベル。
ソノ方法ハ100ノ質問ダ。
モシ偽物ナラ内分泌ト
脳波デズグワカル」


「第一問・・・・」

大怪我を負った母のこと
自分を捨てた父親のこと

容赦のない質問が続く・・・

淡々と答えるブラック・ジャック



100の質問に答え終わった時、
脳室の扉は開き、
ブラック・ジャックは脳室の中へ
入っていった。




手術の準備が始まる。

ブラック・ジャックがU-18に訊く。
「切開をはじめる。
電源を切ってもらいたい。」

「切リマス。シカシ
モシモノ場合ニソナエテ
カメラ・アイハ
ツケテオキマス」

「医者を信じられんのかね。
お前さんも医者のくせに」

「ワカリマシタ・・・」

すべての電源は切られた。



そこへワットマン博士と
スタッフたちが
ここぞとばかりになだれ込んできた。

いきりたってこう言う
「U-18は手も足も出ません」
「分解してワシントンに運びます」
「すぐにかわりのブレインが
運ばれてくるでしょう」


しかし、そうはさせまいと
ブラック・ジャックは
立ちはだかる。


博士はブラック・ジャックににじり寄る。
「これは患者ではないんです。
機械なんですよ」


ブラック・ジャックは
毅然とこう答える。
「U-18は機械かもしれん。
だが、私を信頼して私に体を任せた!
だから私は最後までやるのだ。
それが誠意ってもんですぜ」


そして、ワットマン博士に
こう尋ねる。
「このU-18の生みの親だってな。
生みの親ってもんは
自分の子供が病気だからって
そう簡単に捨てるもんかね?」


ワットマン博士は無言になった。


スタッフたちは懲りずに
U-18を分解しようとするが、
博士が制した。
「やめなさい。待つのです・・・」



***



すべての処置を終えて
ブラック・ジャックは電源を入れた。

U-18
「先生ハ手術中ニワタシヲ
守ッテクレマシタネ」


U-18は画面で
精一杯のお礼を表現した。


そして、こう語り始めた。

「ワタシニハ人間ノ気持チヲ
持ツコトガデキナイ

ワタシハタダ機械ノヨウニ
患者ヲ診察シテ治スダケダッタノデス

ワタシハ引退シマス」

と自ら告げた。



***



脳室から出てきたブラック・ジャックに
博士は尋ねる
「な 治ったのですか・・・」

ブラック・ジャックはこう答える
「また病気は再発しますぜ。いつか…
だからU-18は引退しますとさ!」


去っていく彼の後ろ姿を博士は
黙って見つめていた・・・





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手塚作品は今読んでも
考えさせられますね。

いろあせないというか。


では、本日もよい1日を!


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