僕がまだ子供だった1970年前後は、歌謡番組華やかなりし頃で、テレビを点けるとどこかのチャンネルで必ずやっていたような記憶があります。まだまだ「音楽」にまるで興味もなく「草野球」に夢中だったとはいえ、毎日聞いているうちに「あっ! この曲好きだな」と思うものが出てきます。

その筆頭が、このザ・キング・トーンズが歌う

「グッド・ナイト・ベイビー」 (GOOD NIGHT, BABY) 

 

 

でしたね。

1968年5月1日に日本グラモフォンから発売されたファーストシングルで、「第2回日本有線大賞」(1969年)特別賞を受賞しています。チャートの最高順位はオリコン2位、TOP20に12週にわたりランクインしました。1969年にはアメリカでもアトコ・レコードから発売され、キング・トーンズは、この曲で同年大晦日の「第20回NHK紅白歌合戦」に出場を果たします。

米軍キャンプで鍛え上げたドゥ・ワップ・スタイルは、子供心にも「他の歌謡曲と違うな」と思っていましたが、音楽に目覚め、しかもブラックミュージックに惹かれるようになると、このグループの「凄さ」を改めて認識することになりました。本当にJ-R&B界、唯一無二の存在ですね。彼らをリスペクトするアーティストも多く、山下達郎の名曲「DOWN TOWN」は、実は彼らのために書かれた曲だそうです。

「不滅のスカイ・テナー」と賞賛されるリーダー内田正人のファルセット、今聞いても背筋に電流が走ります。

ちなみに「第2回有線大賞」努力賞のいしだあゆみ「ブルー・ライト・ヨコハマ」、同じく特別賞だった弘田三枝子「人形の家」、期待賞を受賞した千賀かおる「真夜中のギター」も心惹かれた曲でしたね。1968年は僕にとって「当たり年」だったのかもしれません。

また、1968年、昭和43年といえば、まさに「激動の年」でもありました。

アメリカでは、4月に黒人公民権運動指導者のキング牧師が、6月にはロバート・ケネディ大統領が暗殺されるという事件が起きました。日本では12月10日に東京都府中市で発生した「3億円強奪事件」が、記憶に残る歴史的な未解決事件として有名で(1975年時効が成立)、いまだにその「謎」を巡る議論が絶えません。

医学部処分問題や大学運営の民主化などを巡り争われた「東大紛争(東大闘争)」も、この年に始まりました。

 

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ジャケット1

 

ジャケット2