東海汽船(東京都港区)の「江の島―大島航路」が、36年ぶりに正式に復活する。昨年の実証運航が大好評だったため、新たな観光振興策として藤沢市が同社を説得。6月9日を皮切りに、今年3回の自主運航を行うことになった。
同航路は1965年から毎日1便(往復)運航され、最盛期の67年には年間約16万人が乗船した。しかし、航路再編により利用しづらい発着時間に変更されたこともあって同1万人余まで減少し、74年に廃止された。
新たな観光の目玉にしようと同市は昨年、同航路の復活を要請。潜在的な旅客需要を証明するため、同年6月26日から3回にわたり高速ジェット船(定員約250人)のチャーター運航を行った。
電話で乗船申し込みを受け付けた1回目は、20分間で「満員御礼」。乗船できなかった市民から苦情が殺到したため、2回目以降は往復はがきによる抽選に切り替えた。応募は2回目(9月30日)と3回目(10月21日)も、定員の3倍を超す人気を博した。
この結果を受けて、海老根靖典藤沢市長と山崎潤一東海汽船社長がトップ会談。市の正式な航路復活要請を同社が受け入れて、今年3回の自主運航を行うことになった。同市は市広報紙による告知などで、集客に協力する。
6月9日の第1回自主運航の乗船申し込みは、4月16日から同社予約センター=電話03(5472)9999=で受け付けを開始する。乗船料は現在検討中。第2、第3回については9~10月に実施することが決まっている。