Downliners Sect・・・・仕事納め | 洋楽と脳の不思議ワールド

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マイナーな60年代ビートミュージック。駄洒落小話。写真と読書感想がメインのブログです。

 

 

12月28日は仕事納めの日だ。

 

殺し屋稼業も仕事納めの日になる。

役所に合わせるってのが国家試験のある辛(つれ)え身よ。

 

俺は今年最後の依頼に愛用の三八式歩兵銃を選んだ。

 

 

 

 

 

 

知らねえ人もいると思うが、帝国陸軍が産んだ名器だ。

 

骨董趣味の俺にはぴったりの銃だが、困ったことがひとつある。

 

80年近く前に生産されたのが最後だから、故障したとき、新品の部品が手に入らねえことだ。

 

部品のすべてが尺貫法で出来ているので、現代のメートル法時代の部品じゃ合わねえんだ。

 

ネジひとつ壊れただけでいちいち手作りしなきゃあなんねえ。

 

運の悪いことにネジがひとつ壊れていた。

 

ネジを作らなきゃならねえ。

 

朝の9時から取り掛かって、深夜12時に完成した。

 

ぐったり疲れたが、仕事が待っている。

 

標的を殺(や)る時間は夕方の5時だ。

 

えっ。

 

ってことは時間オーバーじゃねえか。

 

やれやれ、また締め切りに遅れたか。

 

みなさ~ん。殺し屋稼業ってのは大変なんですぞ~~~

 

 

 

 

 

 

 

2009年に書いた記事の再掲載なので、そのつもりで読んでください。

 

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この20年の顕著な出来事といえば、現役時代、不遇に終わったR&B系バンドの再評価が驚くほど進んだことだろう。
このダウンライナーズ・セクトもそんなバンドのひとつ。
モッズ、あるいはガレージ・パンク、またはカントリー・ロックといった呼称で広く知られるようになった。そして、これらのどの呼称もピッタリ当て嵌まるから不思議なバンドだ。また、こられのどの呼称も逸脱するから一筋縄ではいかないバンドだ。
グループのサウンドは3期に分けられる。


ストーンズに触発されてR&Bに傾斜していた64年から65年までが第1期。LP The Sect(64年) が代表作。


ブルース・ハープの Ray Sonet が抜け、ギターとバンジョーの Pip Harvey が加わってカントリー色を強める65年から66年までの第2期。LP Country Sect(65年)が代表作。

この時代、前代のカントリーやロカビリーなんて古臭いと思われていたはずなのに、不思議な先祖返りだ。


オリジナルメンバーが2人抜け、キーボードの Mathew Fisher が加わって、ソウル寄りのR&Bに回帰する66年から67年の解散までが第3期。LP The Rock Sects In(66年)が代表作。


87年に買った Decal の編集盤(写真上)には彼らの3枚のLPから16曲+2ndシングルの1曲が収められていたが、ロカビリー色が強く、あまり好きになれなったし、どこがモッズなのか分からなかった。
が、94年に See For Miles から出た Singles A's and B's というCD(写真下)を買って聴きなおした結果、上記のようなことが分かり、気に入った次第。


個人的には第1期の音が1番好きだ。


この時期の演奏は荒々しく、ぐいぐい走っていく。バンドの顔 Don Craine(帽子を被っている若者)のヴォーカルはどこか投げ遣りでぞんざい。デビュー前のプロモ用シングルとEPから6曲が収録されているが、Roll Over Beethoven なんて、勝手にしやがれ、って感じで歌っている。ビートルズが丁寧に歌っているのとは対照的だ。


中には実験的な作品もある。
I Want MY Baby Back という曲がそうで、語りを入れた一見メンフィス・ソウルを思わせる味わい深い曲の後ろで、ギターが悲鳴を上げ、ついにはノコギリをひくような異様な音を立てはじめるのだ。
ガレージ・パンクとしかいいようがない。

 

 

 

 

第3期になると、演奏もヴォーカルも洗練された音に変わってくる。

のちにフリークビートとして有名なった Glendora 。

 

 

 

 

もう2年早くこの路線を演っていたら、モッズ・シーンで人気を博したのは間違いないと思われる。
しかし演らなくて正解だった。
第1期のこんな素晴らしい音を残してくれたのだから。
現在は3枚のアルバムともCD化されている。
彼らの音が中々手に入らなかった20年前とは雲泥の差だ。
アチコチで書かれているので、ボクが付け加えるのもなんだけど、ロッド・スチュワートやスティーヴ・マリオットが64年ごろ、このバンドに加わりたかったらしい。理解できる話だ。